ルナティックドーン
テンプレート:コンピュータゲームシリーズ ルナティックドーンは、アートディンクがパソコン用に発売したロールプレイングゲームである。家庭用ではプレイステーションやプレイステーション2、PC-FXでもプレイできる。
目次
概要
「ファンタジーの世界で生きること」に重点が置かれており、ダンジョンズ&ドラゴンズのようなTRPGに近い雰囲気を持っている。自由度の高さが特徴で、中心となるストーリーはなく、ゲーム中の行動はプレイヤーが自由に決められる。
様々な依頼を受けそれを解決する、あるいは解決せずにアイテムを持ち逃げする、キャラクターを訓練して強くする、レアアイテムや究極装備を探す、各地のダンジョンを探検する、他の異性キャラクターと結婚する、国王になる、魔王を倒して英雄になる、悪事を繰り返し裏の世界で生きる、など幅広い自由な楽しみ方ができる。
ルナティックドーン
1993年にPC-98用のPCゲームとして発売。シリーズ最初の作品である。
ハードディスク自体がまだ高価で、多くのPCにハードディスクがついていないか、ついていても数十MBという時代に、インストールだけで6MB、セーブデータ一つが14MBというハイスペックを要求した。これは世界のデータ(マップなど。敵と遭遇すると周囲の地形に合わせた戦場で戦うことになった)を全て計算によって合成していた事が原因で、当時のPCスペックではセーブ/ロードに分単位を要した。
ゲーム世界は、あらかじめ用意されているデータを合成・組み合わせて作られ、決まった世界の形は存在しない。類似のシステムを採用しているものにティル・ナ・ノーグがあるが、そちらは開始前に自動生成された世界が固定された状態でプレイするスタイルであるのに対し、ルナティックドーンはプレイ中リアルタイムに世界が生成される。たとえば、クエストを請け負うと、それまで何もなかったところにクエストに関連したダンジョンが自動生成され、クエストを完了するとダンジョンは消滅する。
クエストをこなしていくと名声が増える。名声が増えると町娘が現れ、結ばれれば子供にゲームを引き継がせることも出来た。戦闘はコマンド方式の疑似リアルタイムストラテジー形式。
ルナティックドーン II
1994年にPC-98用のPCゲームとして発売。1999年12月にWindows用の復刻版も発売されている。セーブデータはフロッピー一枚で複数運用できる程に軽量化され、様々なセーブデータを保存・使用しやすくなった。 PC-98版の価格は10800円。要ハードディスク[1]。
世界の完全合成ではなく、予め用意された一つの世界を旅するゲームシステムを採用。より細かな特徴あるフィールドマップとダンジョンとなり、特色ある地域を冒険・探索する楽しみがある。
戦闘は前作のストラテジー形式を継承し、臨場感あふれる本物の戦闘の雰囲気を味わえる。戦闘マップや攻撃の種類が多彩になり、仲間や敵の自己判断 (AI) での行動の幅も大変広がった。
国は、神聖ギザ帝国、敦津、ムハール帝国、日倭、マニカパ王国、フィクシオンがあり、それぞれ中世ヨーロッパ、中国、オスマン帝国、江戸時代の日本、マヤ・アステカ文明がモチーフとなっている。フィクシオンは現実のモチーフは無く、ファンタジーの国となっている。各国内の地形、建物、販売品、ダンジョンなども、モチーフとなっている現実の地域に準拠している。この現実(中世)の国をモチーフにすることは、「開かれた前途」、「前途への道標」にも採用されている。
必殺技や究極魔法があり、習得には世界各地の特定ダンジョンにいる達人から、教わって習得できる。習得には該当するスキルが高くなければならない。
アイテムの価格が時間とともに変動する。一番安い時と高い時を比べると、同じ品の価格にかなり幅ができる。また、自分の家が購入でき、自宅では無料の休息や、家族をパーティーへ入出できる。
その国の首都での英雄度と知名度が最高になると、国王になるクエストを受けられるようになり、クエストをクリアするとその国の国王になれる。
仲間との間に「信頼度」という隠しパラメーターが存在する。仲間の益を確保しつつ長く一緒に冒険すると信頼度が上がり、自分が死んだ時に復活してもらいやすくなる。逆に仲間に長く不利益を与えると、信頼度が下がる。依頼などで護衛や救出した相手の場合、特に信頼度が上昇する。特に相手が異性の場合、結婚するのに信頼度の高さが必要になる。
ルナティックドーン 開かれた前途
フィールドマップの移動区間は、都市間を線(道・航路)で繋いだものとなった。区間以外の移動ルートは存在せず、IIのような広大なフィールドマップと自由自在な移動は無くなった。ダンジョンへはフィールドマップを介さず、町から直接移動する。
ワールドマップは固定されているが、マップ中の4都市12町村がどの国家に属するかはゲーム開始時にランダムに決定される。
キャラクターや世界に、善、悪、秩序、混沌という属性・パラメーターがある。キャラクターの場合、あまりに正反対の属性を持つ相手だと、仲間になってもらえない。世界の場合、各国はそれぞれの属性を当てられており、世界が特定の属性へ傾いている時は、該当する属性を持つ国が栄える。
他の冒険者の所持品や、店の販売物を盗むことができる。盗むと属性が悪に傾く。失敗して盗難行為が見付かると、その冒険者や町の衛兵と戦闘になってしまう。
IIまでの細かなスキル制が廃止され、攻撃や罠解除などキャラクターの能力は、筋力、知性、敏捷、魅力の4パラメーターから計算されるようになった。
自分の家ではアイテムを保管でき、レアアイテムのコレクションをしやすくなった。
ルナティックドーンFX
1995年11月24日にPC-FX用のゲームとして発売。「I」と「II」の両方の要素を持ち合わせている。発売はNECホームエレクトロニクスが担当。
ルナティックドーン 前途への道標
1997年3月にWindows用のPCゲームとして発売。2000年3月に廉価版も発売されている。ゲームの基本システムは前作「開かれた前途」そのままに、DirectXやMMXへの対応といった、性能面や安定性、あるいはゲームのディテールへのこだわりなどが改善され、グラフィックも向上している。
ルナティックドーン III
1999年3月にWindows用のPCゲームとして発売。アクションRPGとなり、ゲームシステムがMMORPGのようなものとなり、それ以前のシリーズのシステム・ゲームデザインとは全くの別物となった。ネットワークに対応しており、他のユーザーの世界に移動することができた。
ルナティックドーン IV
1999年11月にWindows用のPCゲームとして発売。IVと名づけられているがIIIのバージョンアップ版に等しいものであり、IIIからのアップグレード版も発売された。
ルナティックドーン オデッセイ
1999年12月2日にPS用のゲームとして発売。 「行方不明の父を探す」という最終目標があるが、基本的にはフリーシナリオ。また、下記の点からシリーズの中でも異色作である。
- 地図上にある街・ダンジョンのアイコンを指定することで、自動でその街に移動する。
- 街中は選択コマンド。街で依頼に関する家屋に行く場合は、選択肢に「○○の家」と言った表現でその家屋が追加される。
- マップ上の戦闘はその移動の最中にランダムで発生するが、移動中に戦闘は1回のみで、複数回発生することはない。
- ダンジョンにおいては、通常のRPG同様、キャラクターを操作する。敵はシンボルエンカウント。
- 戦闘はアクションではなく、ファイナルファンタジーに代表されるアクティブ・タイム・バトル。
ルナティックドーン 第三の書
2000年11月にWindows用のPCゲームとして発売。内容的には「前途への道標」にさらなる調整を加え、新機能を追加したものである。
特徴的なシステムとして、「CO-CARD」の収集という楽しみ方が提示された。また、自分で作成した世界をネット上に公開できる「e-playシステム」があり、中では他人のワールドでしか手に入らない「CO-CARD」もあるため、より深く楽しめるよう意図されている。
ルナティックドーン テンペスト
2001年2月にPS2用のゲームとして発売。3Dグラフィックを採用。ダンジョン探索も3D空間を移動するものとなっている。戦闘にアクション要素が加えられた。自由度の高さが特徴のルナティックドーンシリーズだが、この作品ではストーリーは一本道である。また、サブクエストもわずか2つだけである。
ルナティックドーン The Book of Eternity
2009年にWindows用のPCゲームとして発売予定であったが、2009年5月18日、発売中止が発表された[2]。