マギンダナオ州
マギンダナオ州(Province of Maguindanao)は、フィリピン南部ミンダナオ島中部にある州で、イスラム教徒ミンダナオ自治地域(Autonomous Region in Muslim Mindanao, ARMM)に属している。面積は4,900.1km²。人口は801,102人(2000年)。州都はテンプレート:仮リンク(Shariff Aguak)である。
目次
地理
北にラナオ・デル・スル州、東にソクサージェン地方のコタバト州、南にスルタン・クダラット州と接し、西にはモロ湾を臨む。
歴史
マギンダナオ王国
この地は古くからマギンダナオ族のマギンダナオ王国があった。
イスラム伝来
16世紀にジョホールから来たテンプレート:仮リンク(Shariff Mohammed Kabungsuwan)がイスラム教を紹介し王族の姫と結婚、マギンダナオ王国はスルタンに率いられ、コタバト平野の農業力を背景とする強大な国家となり、スペインと300年以上に渡って続いたテンプレート:仮リンクが始まった。
テンプレート:仮リンクが治めた17世紀にはミンダナオ全島を支配し、マニラのスペイン人植民政府も手の出せない存在となった。
スペイン支配期
19世紀半ばに勢力が衰え、スペイン人の支配するところとなった。米西戦争。
アメリカ支配期
20世紀に入って米比戦争後のアメリカ支配時代になっても、この地方では依然としてテンプレート:仮リンクが続いていた。1903年にモロ州(Moro Province)が作られた。1914年にここから旧コタバト州とスールー州が誕生し、もともとは旧コタバト州の一部であった。
1945年、en:Battle of Maguindanao(1月 - 9月)。
独立
1966年に旧コタバト州から南コタバト州が分離。1973年に旧コタバト州がマギンダナオ州、現在のコタバト州、スルタン・クダラット州の3州に分裂し、マギンダナオ州はその内の1つとして再編され誕生した。これらコタバト州から分かれた四つの州の中で、ムスリムが多数派を占める州はこのマギンダナオ州だけである。
1989年には「イスラム教徒ミンダナオ自治地域」(ARMM)に加わっている。
1990年代後半から2000年代初頭にかけては、モロ・イスラム解放戦線が山岳部に司令部を設置。当時のエストラーダ政権に対して武装闘争を行うなど反政府勢力の活動が活発になった [1]。
シャリフ・カブンスアン州問題
2006年10月31日に、ARMMの自治法に基づき、マギンダナオ州29町において住民投票がおこなわれた結果、北部の10町がフィリピン80個目の新しい州・シャリフ・カブンスアン州(Shariff Kabunsuan)を構成することとなった。しかし2008年の最高裁判決により、ARMMは州や市を新設する権限を有さず、州創設のための自治法は違憲とされ、シャリフ・カブンスアン州創設は無効となった。
2009年、en:Maguindanao massacre。
産業
コタバト平野の稲作が主な産業である。
住民
民族・宗教
ムスリムのモロ族、マギンダナオ族(「氾濫原の人々」の意味)が多い。マギンダナオには20世紀にマルコス政権下で多くのキリスト教徒がフィリピン北部・中部から移住している。また山岳部にはテンプレート:仮リンク(Tiruray)がいる。
言語
文化
地元には民族音楽クリンタン(Kulintang)や独自の織物、かご、楽器作りなど、豊かな文化が伝えられている。山岳部のテンプレート:仮リンクは焼き畑農業や狩猟、工芸などを営んでいる。
治安
地元の政敵一族同士の衝突が頻繁で、2009年には大量殺人も発生した[2]。