中波
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中波(ちゅうは、MF (Medium Frequency) あるいはMW (Mediumwave, Medium Wave))とは中波帯 (300kHz - 3MHz) の周波数の電波をいう。波長は100m - 1km。
概説
伝播の特徴として、電離層D層のあらわれる昼間は、D層に吸収されるという性質がある。このため、昼間は地表波のみ有効で比較的短距離(ただし、超短波などに比べれば伝播距離は長い)しか届かないが、夜間は、D層が消滅し電離層E層で反射するため電離層反射波により遠距離まで到達する。そのため、ラジオ放送などでは、夜間は遠方の局も聞こえる(電離層反射波のためフェージングなど品質は悪いが)ため、利点でもあるが、混信が問題という欠点でもある。
このような伝播特性を有することから、国際的な調整により周波数と空中線電力が定められる。また、近隣の諸国への国際放送に使用されることもある。
日本においては、この周波数帯は主にAMラジオ・船舶気象通報・航空無線航行などに利用されている。
- 第1地域(アフリカ・ヨーロッパ)、第3地域(アジア・オセアニア<アメリカ合衆国構成州のハワイは除く>)の中波放送は531 - 1,602kHz、搬送波間隔9kHz、占有帯域幅15kHzとなっている。これは混信対策などから日本時間・1978年11月23日9時(国際協定時・同日0時)をもって、それまでの10kHz間隔から9kHz間隔に変更された。第2地域(アメリカ大陸=北アメリカ・南アメリカとアラスカ州・ハワイ州)はこれまでと同じ10KHzステップのままである。
- 熱帯地方の中波放送は低周波数では空電による雑音が多いため2,300 - 2,495kHz、搬送波間隔5kHz、占有帯域幅15kHzとなっている。
日本ではアマチュア無線の周波数帯の一つとして1,810 - 1,825、1,907.5 - 1,912.5kHzが割り当てられている。どちらも電信とデータ通信(ただし占有帯域幅100Hz以下のものに限る)専用の周波数である。諸外国ではさらに広い周波数帯がアマチュア無線用に割り当てられている場合も多い。