ハルゼミ

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テンプレート:生物分類表 テンプレート:Sister ハルゼミ(春蝉)、学名 Terpnosia vacua は、カメムシ目(半翅目)・セミ科に分類されるセミの一種。日本中国各地のマツ林に生息する小型のセミで、和名通りに成虫が発生する。晩春や初夏を表す季語松蝉」(まつぜみ)はハルゼミを指す。

特徴

成虫の体長はオス28-32mm、メス23-25mmで、ヒグラシを小さく、黒くしたような外見である。オスの方が腹部が長い分メスより大きい。は透明だが、体はほぼ全身が黒色-黒褐色をしている。

日本列島では本州四国九州、日本以外では中国にも分布する。

ある程度の規模があるマツ林に生息するが、マツ林の外に出ることは少なく、生息域は局所的である。市街地にはまず出現しないが、周囲の山林で見られる場合がある。

日本では、セミの多くはに成虫が現れるが、ハルゼミは和名のとおり4月末から6月にかけて発生する。オスの鳴き声は他のセミに比べるとゆっくりしている。人によって表現は異なり「ジーッ・ジーッ…」「ゲーキョ・ゲーキョ…」「ムゼー・ムゼー…」などと聞きなしされる。鳴き声はわりと大きいが生息地に入らないと聞くことができない。黒い小型のセミで高木の梢に多いため、発見も難しい。

日本ではマツクイムシによるマツ林の減少、さらにマツクイムシ防除の農薬散布も追い討ちをかけ、ハルゼミの生息地は各地で減少している。各自治体レベルでの絶滅危惧種指定が多い。

日本産近縁種

  • ハルゼミ属 Terpnosia
  • ヒメハルゼミ属 Euterpnosia
    • ヒメハルゼミ E. chibensis Matsumura,1917
      • 亜種)ヒメハルゼミ E. c. chibensis Matsumura,1917
      • (亜種)オキナワヒメハルゼミ E. c. okinawana Ishihara,1968
      • (亜種)ダイトウヒメハルゼミ E. c. daitoensis Matsumura,1917
    • イワサキヒメハルゼミ E. iwasakii (Matsumura,1913)

参考文献

  • 白水隆ほか監修『学生版 日本昆虫図鑑』北隆館 ISBN 4-8326-0040-0
  • 中尾舜一『セミの自然誌 - 鳴き声に聞く種分化のドラマ』中央公論社〈中公新書〉 1990年 ISBN 4-12-100979-7
  • 宮武頼夫・加納康嗣編著『検索入門 セミ・バッタ』保育社 1992年 ISBN 4-586-31038-3
  • 福田晴夫ほか『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方 - 野山の宝石たち』南方新社 2005年 ISBN 4-86124-057-3

外部リンク