ディエゴガルシア島
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ディエゴガルシア島(ディエゴガルシアとう、Diego Garcia)は、インド洋に浮かぶイギリスの属領でチャゴス諸島中の一環礁である。
概要
イギリス政府によって、島全体がアメリカ合衆国に貸与されており、同国の海軍基地がある。インド洋にあるアメリカ軍最大の拠点であり、湾岸戦争やアフガニスタン攻撃、イラク戦争の際に、B-52戦略爆撃機、B-2ステルス爆撃機などがここより出撃した。アメリカの軍事戦略上の要衝である。
歴史
16世紀の初期にポルトガル人によって発見され、「ディエゴ・ガルシア島」と名付けられた。当時は無人であったが、その後18世紀にフランス人が入植して黒人奴隷を導入しココヤシ栽培とコプラ生産のプランテーションの経営を始めた。
1814年にイギリスが占領し、モーリシャスの一部として統治されていたが、1965年にモーリシャスから分離され、新たに画定されたイギリス領インド洋地域の一部となった。
1966年にイギリスはアメリカ合衆国との間に同島を50年間貸与する旨の協定を結び、同時にイギリス政府は巧妙な方法で同島および他の2つの島から島民の追い出しを図り、1973年頃に、最終的に残った者たちをモーリシャスへ強制移住させた。移住を余儀なくされた島民が、イギリス政府を相手に同島への帰還と補償等を求めて訴訟を起こし、係争中である(2004年現在)。
地理
面積は390km²でチャゴス諸島中最大、チャゴス諸島の南端に位置する環礁である。島の西部に4,000m級の軍用の滑走路が一本ある。環礁のため、平坦であり、丘陵・山地などはない。2001年7月に、島の一部 (354km2) がラムサール条約登録地となった。 テンプレート:-
住民
人口は約5,000人(前述の理由により民間人はいない)。
国際電話
- 国番号は246であるが、2002年12月16日から2010年4月19日まで日本からの国際ダイヤル通話は停止されていた(KDDI運営のオペレーター扱いでの通話(0051)は可能だった)。これは、テレホンサービス業者(主にアダルトサイト)が、NTTコミュニケーションズの識別番号である「0033」を悪用して電話番号を「0-03-3246-xxxx」と広告に表記するため、利用者があたかも情報発信地が東京であると勘違いして通話し、高額の通話料が請求されたため、トラブルが絶えなかったためである。
脚注
関連項目
外部リンク
- アメリカ海軍ディエゴガルシア基地のサイト
- アイランド・カズンズ・ネットワーク:デイエゴガルシア
- ディエゴ・ガルシアの歴史(英語)
- 北京が欲しがる「真珠の首飾り」と「龍のトンボ」 - 中国による対シーレーン軍事戦略(谷口智彦、JBpress2009年1月8日)