シール
シール(テンプレート:Lang-en)は、裏に糊の付いた紙やプラスチックフィルムである。
意味の変遷
ラテン語の sigillum が語源である。signum の派生語で、signum は英語では sign となった。
英語としての本来の意味は、文書の真性を証明する印章類である。西洋の封蝋に代表されるが、東洋の印鑑も含まれる。
封蝋は文書を封印する機能を持つことから、封印の意味も持つ。これから、流体の流出を防ぐシール(シーリング)という意味も派生した。
証明や封印の機能を持つものなら、印章でなくても良い。社会福祉団体などが寄付者に発行する糊付きの封かん紙が「シール」と呼ばれている。日本でも、ユニセフシールや結核予防会の複十字シールなどがある。
さらに、アメリカ英語では本来の「シール」の機能を外れ、用途を問わず糊付きの紙片をシールと呼ぶこともある。日本では主にこの意味で使われる。
しかし英語では希な用法である。通常は、用途・大きさ・材質などにより sticker テンプレート:Small(ステッカー)、decal テンプレート:Small(デカール)、label テンプレート:Small(ラベル)などと呼ばれる。日本語での「シール」全体をひとことで表す英語はない。
- C.O.L.B.E.R.T. decal placement.jpg
封緘用でない「シール」
裏に糊のついた紙「シール」は、日本では、1912年(大正元年)に初めて作られたといわれる。
様々な商品におまけとして添付される他、花や数字、漫画やアニメのキャラクターなどの図柄が描かれたものが文具店や土産物店などで販売されている。おまけの例として、「ビックリマンシール」や「ポケモンシール」がある。
多くの場合、粘着剤が完全に張り付かないよう処置された剥離紙の上に仮止めされた状態で販売あるいは添付され、あらかじめ必要な形状に切断されたものもある。素材としては紙の他に、薄い各種の合成樹脂、ゴム、アルミ箔などがある。この上に必要に応じた印刷が施される。
粘着剤には不溶性の糊が使われ、剥離紙から剥がしてそのまま貼れるものが多いが、水溶性で、水で塗らしてから張るものもある。
1995年7月に発売が開始されたプリント倶楽部、通称「プリクラ」は、顔写真つきのシールを手軽に作れる機械である。コミュニケーションツールとして、広い年代に利用されている。
シールを表す言葉
- ステッカー (sticker) - 屋外用などのしっかりした作り。耐水性で粘着力も強いものが多い。
- ラベル・レーベル (label) - 糊付きの付箋や荷札、商品に貼り付けられる値段や性質などを記した紙片。
- デカール (テンプレート:Small decal) - 裏面に印刷されており、台紙は粘着せず印刷のみが転写されるもの。