ゴッドガンダム
ゴッドガンダムは、テレビアニメ『機動武闘伝Gガンダム』に登場する架空の兵器。
第13回ガンダムファイト後半戦より、主人公ドモン・カッシュが搭乗するネオジャパン代表モビルファイター (MF)(大会登録番号:GF13-017NJ II (注:番号末尾の「II」はローマ数字の2である))。
メカニックデザインは大河原邦男が担当。なお、英語圏では宗教的タブーにより「バーニングガンダム」と呼称される。
機体解説
テンプレート:機動兵器 11か月にも及ぶ予選「サバイバルイレブン」を戦い抜き、満身創痍となったシャイニングガンダムに替わる機体として、ミカムラ博士がほぼ独力で開発した最新鋭MF。コミカライズ版『超級!機動武闘伝Gガンダム』ではライゾウ・カッシュ博士がアルティメットガンダムが暴走した際に制御をするシステムとして、息子のドモンが使用することを想定して開発していた機体であり、ミカムラ博士はこの機体を模倣してシャイングガンダムを開発したが完全に解析できなかった部分があるため性能が及ばなかったという設定となっており、開発順序が逆となっている。
外観は無骨な鎧武者をモチーフとしたシャイニングガンダムに対し、仏像を思わせる流麗なラインが特徴的である。背部には六枚の羽状のエネルギー発生装置を持ち、正面からみて展開時の位置で左上、右上、左、右、左下、右下の順にそれぞれ「夢、幻、泡、影、露、電」という銘を持つ。これは金剛般若経の「一切有為法 如夢幻泡影 如露亦如電 応作如是観」からとられている。
その性能はノーマルモードですらシャイニングガンダムのスーパーモードに匹敵する。さらに搭乗者であるドモン・カッシュがギアナ高地での修行で体得した明鏡止水の境地の心でより強力な「ハイパーモード」へと進化。シャイニングフィンガーを発展させた「爆熱ゴッドフィンガー」など、シャイニングガンダムの技はより強化された形で反映されている。
武装は両腰に装備されたビームソードの「ゴッドスラッシュ」、頭部の「バルカン砲」、両肩に内蔵された3銃身式機関砲の「マシンキャノン」。
コアランダーは第29話のみ使用された。
- ハイパー・モード
- 搭乗者のドモン・カッシュがギアナ高地の修行で体得した、明鏡止水の心境に感情システムが反応し、発動する。ハイパーモード時は、背部のエネルギー発生装置が展開して仏像の後光のような光の輪を発し、胸部中央の装甲が展開して内部のエネルギーマルチプライヤーが露出、キング・オブ・ハートの紋章が浮かび上がり、ノーマルモードの1.3倍、シャイニングガンダムの2倍の性能を発揮する。
- 明鏡止水(めいきょうしすい)
- 搭乗者であるドモン・カッシュが真の明鏡止水の境地に達することで発現し、機体が黄金色に輝く。最初は、ギアナ高地に出現したデビルガンダムとの戦闘中に、怒りで戦おうとするドモンをシュバルツが庇って重傷を負ったことにより、己の未熟を認識したドモンが明鏡止水の境地に到達し、シャイニングガンダムに発現した。
- この状態はゴッドガンダムだけでなく、シャッフル同盟のファイターの搭乗機、およびマスターガンダムにも発現が見られ、機体に搭載されているシステムではなく、搭乗者の明鏡止水の境地、人機一体の境地の体現である。
必殺技
- 爆熱ゴッドフィンガー
- ハイパーモード時のみ使用可能。背面ジェネレーターで増幅されたエネルギーを掌に集め、一気に放出する。敵機に直接接触し高熱で装甲を融解させる、火球を打ち出すなどのバリエーションがある。シャイニングガンダムのシャイニングフィンガーと同じく指関節が外れ関節から液体金属でマニピュレーターを覆う構造だがより改良されており、まず液体金属の吹き出し口を螺旋状にすることでドリル効果を与え威力を上げ、更に前腕カバー「ゴッドフィンガープロテクター」(資料によっては「Gナックル」とも)が手の甲を覆う様に展開し、エネルギーロスを最小限に抑えつつ確実に攻撃対象を破壊する。
- 敵機に直接接触しているときは、掴んだまま敵機を斜め上に持ち上げ、「ヒートエンド!」の声とともに爆破して止めとする。
- 前口上は「俺のこの手が真っ赤に燃える、勝利をつかめと轟き叫ぶ」であり、ほかの技にも引用されることが多い。
- なお、この必殺技は劇中にて幾度となく使用されているが、本編でただ一度だけドラゴンガンダムの放つ「真・流星胡蝶剣」により破られている。
- 基本的に右手から放つ技であるが、両手可能であり、右腕負傷のため、左手にエネルギーを移し変えて放ったこともある。
- 「爆熱」の部分の叫びは通常長く叫ぶが、これは通常の叫びでは画面の尺に比べて台詞が足らないため、ドモン役の関智一が長く叫ぶことにより調節。この試みが功を奏し、台本にも「ばぁぁぁく熱」と書かれるようになったという逸話がある[1]。
- 爆熱ゴッドスラッシュ
- マンダラガンダム戦で使用。背面ジェネレーターで増幅されたエネルギーをゴッドスラッシュ(ビームソード)に集中させ破壊力を高める。このため、放出技である爆熱ゴッドフィンガーに比べ消費エネルギーが少く済む。
- 石破天驚拳(せきはてんきょうけん)
- ホンコンシティの廃墟で東方不敗より伝授された流派東方不敗の最終奥義。ゴッドフィンガーのエネルギーを圧縮した火球を両手で撃ち出す。ランタオ島でのデビルガンダムとの戦いではキョウジとシュバルツの命と引き換えに、この技でデビルガンダムを葬った。
- 石破天驚ゴッドフィンガー(せきはてんきょうゴッドフィンガー)
- 石破天驚拳の応用技。石破天驚拳のエネルギーを片手に集め、巨大な掌状のエネルギーを打ち出し、その手で敵機を掴みヒートエンドとの掛け声とともに握りつぶす。ガンダムファイト決勝戦にて東方不敗マスター・アジアが駆るマスターガンダムを破った技。
- シャッフル同盟拳(シャッフルどうめいけん)
- シャッフル同盟5人の力を合わせた合体技。グランドマスターガンダムを消滅させた。
- 漫画版での名称は爆熱石破天驚拳シャッフルアタック。
- 石破ラブラブ天驚拳(せきはラブラブてんきょうけん)
- 石破天驚拳をドモンとレインが2人で放つ技。モビルトレースシステムの性質である搭乗者の動作を機体にフィードバックする性質と、ハイパーモードの搭乗者の気を機体にフィードバックする性質を最大限に発揮。2人分の気が機体にフィードバックされた結果、さらに威力が高められている。使用に伴いキング・オブ・ハートの紋章から初代キング・オブ・ハートが出現し、ハート形のビームで敵機を貫通する。
- なお、作中ではゴッドガンダムのコクピットにドモンとレインの2人が乗り込んで行う技であったが、『スーパーロボット大戦シリーズ』では、レインの乗るライジングガンダム(一部作品ではレイン用に改修されたシャイニングガンダム)との合体攻撃という形で登場している。
- 究極石破天驚拳(きゅうきょくせきはてんきょうけん)
- 『スーパーロボット大戦F完結編』で初登場。石破天驚拳をドモンと東方不敗の2人で放つ技。東方不敗が味方に加わっている場合、石破ラブラブ天驚拳の代わりに使用される。こちらにも初代キング・オブ・ハートが出現する。ただし呼称する時は、「石破究極天驚拳」となる。後の作品にも東方不敗との合体攻撃として登場する。なお、2人で1つの石破天驚拳を放つバージョンの他、本編でドモンと東方不敗の最後の戦いで石破天驚拳を撃ち合った場面を再現して敵を石破天驚拳で挟み撃ちにするバージョンがある(止めの際に石破天驚ゴッドフィンガーの要領で殴り潰すのだが、この時はマスターガンダムも石破天驚ゴッドフィンガーに酷似した技を使う)。
- ゴッドスラッシュ・タイフーン
- ゴッドスラッシュの出力を上げ、構えた状態で独楽の様に高速回転する攻防一体の技。ガンダムローズのローゼスハリケーンを受けた際に、包囲しているローゼスビットを破壊するために用いられた。また、デビルガンダムとの戦いのとき一度だけ、二刀流でこの技を使用しようとしたが、防がれてしまう。一部のゲームではビームサーベルを二刀流で構え、機体を回転させ竜巻状となる。
- 超級覇王電影弾(ちょうきゅうはおうでんえいだん)
- 流派東方不敗の奥義。自身の体を気の渦として、エネルギーの塊となり相手に突進する。その際、渦の中心には搭乗者の顔が現れる。師弟対決では単体同士で互いに撃ち合ったが、技を会得している者同士であれば新宿でデスアーミーの大群を撃破した時のように合体技としての使用も可能である。初出は後者のやり方である。
- PS2のゲーム『Another Century`s Episode 2』、『Another Century's Episode 3 THE FINAL』に登場する。2では、ゴッドガンダムが単体で放つ。3ではマスターガンダムも使用できる。3のコンビネーションアタックではマスターガンダムをゴッドガンダムが押す技である。
- 分身殺法・ゴッドシャドー
- チボデーの「豪熱マシンガンパンチ」に対抗するために編み出された技。チボデーの豪熱マシンガンパンチを10体のガンダムになって受け止めた。
- 『スーパーロボット大戦』シリーズでは気力が一定以上の場合に一定の確率で敵の攻撃を完全回避する"分身"系能力として扱われる。また、『機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム』では、最大4体の分身を出現させ、分身1体につき射撃攻撃を1発無効化する防御技となっている。ただし、分身の間に当たると一発しか防げない。
- ゴッドフィールド・ダッシュ
- 背部ブースターの推進力で一気に加速し、相手に突撃する技。本編ではボルトガンダムのガイアクラッシャーの弱点を見切ったドモンがボルトガンダムの脚部を破壊する為に使った。フィールドの全エネルギーが加速に使用されるため、高い突進力を発揮する。
- トリプルガイアクラッシャー
- ドラゴンガンダム、ボルトガンダムと一緒に打つ技。東方不敗の元に向かうための道を作った。
- ゴッドストライク
- 本編でその名は登場せず、スーパーファミコン用格闘ゲーム『機動武闘伝Gガンダム』由来の技。『スーパーロボット大戦シリーズ』では、シャイニングストライク同様技名として使用されていた。
- ゴッドライジング
- スーパーファミコン版に登場するオリジナル技。拳にエネルギーを帯びて放つアッパー。
- ゴッドウェイブ
- スーパーファミコン版に登場するオリジナル技。ゲーム中ではマスターガンダムが使用する技「デッドリーウェイブ」のゴッドガンダム版といった扱い。
- ハイパーゴッドフィンガー
- スーパーファミコン版に登場するオリジナル技。両手で交互にゴッドフィンガーを放つ。
- ダブルゴッドフィンガー
- ノーベルガンダムとのタッグ結成時に繰り出した2機による合体技。この他に『スーパーロボット大戦シリーズ』では、レインの搭乗するライジングガンダムまたはシャイニングガンダムとの「ダブルシャイニングフィンガー」、「ラブラブゴッドフィンガー」や、マスターガンダムとの「ダブルダークネスフィンガー」、「ダークネス・ゴッドフィンガー」「爆熱!究極拳」なども披露している。
- バーニングゴッドバスター
- 漫画版に登場。読者投稿によって生み出されたもので、腕から炎を飛ばす。
- 風雲烈火
- 『SDガンダム GGENERATION』シリーズに登場。敵の周囲を風雲再起と共にものすごい速さで回った後、猛烈な打撃(こちらも風雲再起と共に)を浴びせる技。
- ユニコーンヘッド
- 『SDガンダム GGENERATION』シリーズに登場。風雲再起に乗って敵に突進し、モビルホースの角で敵を貫く。マスターガンダムも同じ技を使う。
劇中での活躍
シャイニングガンダムに替わりガンダムファイト決勝戦に投入され、シャッフル同盟の仲間やシュバルツ・ブルーダーとのリーグ戦を戦い、予告通り全勝という成績を残す。その後ランタオ島でのバトルロイヤルでは、ガンダム四天王を伴って出現したデビルガンダムを倒し、さらに東方不敗との最終決戦でも勝利。大会優勝を果たし、「ガンダム・ザ・ガンダム」の称号を手にする。大会後は、復活したデビルガンダムの撃破にも大きく貢献する。
デザイン
デザインを担当した大河原は、シャイニングガンダムと同じ鎧武者や歌舞伎役者の意匠に加え、カブトムシのイメージも取り入れていると述べている。
ハイパーゴッドガンダム
コミックボンボン増刊号の『機動武闘伝Gガンダム外伝“ザ・ネクスト・ジェネレーション”』にて登場した機体。
ネオジャパンが製作したMFである。ドモンの一番弟子であるユウゴ・カガミが搭乗する。テンロウガンダムやブラックガンダムと闘った。
ガンダムゴッドマスター
『ガンダムトライエイジ』に登場。ゴッドガンダムがDG細胞に侵食され変異した姿。
色が白と黒を基調としたものになり、細部の形状が変化。胸部のエネルギーマルチプライヤーが2つになった事で『∞』を象るように配置され、腰部に『G』の文字が刻まれたチャンピオンベルトのようなものを装着している。
必殺技は「暴裂デビルフィンガー」と「双極ゴッドデビルフィンガー」。
脚注
関連項目
テンプレート:Gundam-stuben:GF13-017NJII God Gundam- ↑ 岸川靖編「設定資料館 GF COLUMN 1」『ロマンアルバム エクストラ 機動武闘伝Gガンダム テクニカルマニュアルVOL.2 最終奥義』徳間書店、1995年7月30日、雑誌61578-23、102頁。