クォーターホース
クォーターホース(Quarter horse)は、正式にはアメリカンクォーターホース(American quarter horse)と呼ばれるウマの品種の一つ。体高は150cm、体重は400kg程度。アメリカにおいて主として乗馬・牧畜作業・競馬用として使用。世界各地で400万頭余りが登録されており、事実上世界で最も頭数の多い品種である。
解説
クォーターホースの成立はアメリカ開拓期に遡り、ヨーロッパから連れてきたアンダルシアンと、サラブレッドやアラブ種あるいは捕獲したマスタング等を交配し改良を重ねることで成立した。ややがっしりとした筋肉質の体型を持ち、性格も温順、粗食にも耐える。クォーターホース競馬とウェスタン競技(カッティング、レイニング、バレルレーシング、ロデオなど)への使用が著名だが、用途はかなり幅広く、馬ができそうな事は基本的に何でもこなす。
クォーターホースの名の由来は、クォーターマイルレース(1/4マイル競走、約400m)からきている。短距離の瞬発力に優れ、急発進・急停止等も器用にこなす。競走用のクォーターホースは400mを下回る距離では、たとえサラブレッドが相手でも互角以上に戦える[1]。トップスピードは時速75km程になり、瞬間では時速55マイル(約88.5km/h)が記録された例がある。
なお、競走馬としては日本国内では使用されていないが、サラブレッドよりも温厚な気性と、機動性の高さから万一の競走馬の放馬といった事態にも素早く対処できる能力を買われて、大井競馬場など一部の地方競馬場では誘導馬として重用されている。
血統
血統は基本的にはクォーターホース内で閉じられ、両親がクォーターホースでなければクォーターホースとは認められない。例外的にサラブレッドに対しては開かれており、一方の親がサラブレッドの場合に限り能力と外貌審査を経てクォーターホースと認められることもある。競走用クォーターホースでは特に顕著で、史上最強のクォーターホースと呼ばれるダッシュフォーキャッシュを例にとれば、4代祖先16頭中14頭までが純粋なサラブレッドで、父系もエクリプス系の分枝ハーミット(1867年のエプソムダービー馬)の末裔、母方もセクレタリアトと同じアンペラトリス牝系に属すなどかなりサラブレッド色が濃い。
かつてのアメリカにおけるサラブレッド競走馬の血統管理はずさんであったため、上記とは逆にクォーターホースの血を引きながらサラブレッドとして登録されたものが相当数存在し、現在でもサラブレッドの中にクォーターホース由来の血が混ざっているとする説がある(アメリカンダミー)。ただしそのような事実が証明された例はない。
映画
その特性・特徴から西部劇で数多く重用されており[2]、日本映画では千葉真一が初めて『戦国自衛隊』 (1979年) で採用し[2][3][4]、千葉は『将軍家光の乱心 激突』 (1989年) でも再び起用した[5][6]。黒澤明は1985年の映画『乱』で初めて使用したが、『影武者』(1980年)を観た調教師から「戦国時代にあのような格好のいい馬(サラブレッド)はいない」と指摘されたためであった。
脚注
テンプレート:Reflist- ↑ 但し400mの世界記録は2006年現在サラブレッドによって記録されたものである。
- ↑ 2.0 2.1 「日本映画レトロスペクティブ 第3回 千葉真一」『日本映画専門チャンネル』 2011年11月3日23:00 - 、4日14:00 - 、23日14:00 - 、29日21:00 - 、30日14:00 - 、12月16日18:30 - 、30日14:00 - 。
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