アナトール・フランス

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テンプレート:Infobox 作家

ノーベル賞受賞者 ノーベル賞
受賞年:1921年
受賞部門:ノーベル文学賞
受賞理由:「格調高い様式、人類への深い共感、優美さ、真なるガリア人気質からなる作風による、文学上の輝かしい功績が認められた。」[1]
ファイル:Anatole France 1921.jpg
アナトール・フランス (1921)

アナトール・フランステンプレート:Lang-fr, 1844年4月16日 - 1924年10月12日)は、フランス詩人小説家批評家。本名はジャック・アナトール・フランソワ・ティボーテンプレート:Lang-fr)。パリ出身。アカデミー・フランセーズの会員を務め、ノーベル文学賞を受賞した。代表作は『シルヴェストル・ボナールの罪』『舞姫タイス』『赤い百合』『エピクロスの園』『神々は渇く』など。芥川龍之介が傾倒し、石川淳が訳していたことで有名である。

略歴

  • 1844年 パリに生まれる。父は書店主。カトリック系私立のスタニスラス大学に学ぶ。
  • 1871年 高踏派詩人の雑誌『現代高踏詩集(Le Parnasse contemporain)』に詩作品『La Part de Madeleine』が発表される。
  • 1875年 第三次『現代高踏詩集』の準備委員会に参加。
  • 1881年 長編小説『シルヴェストル・ボナールの罪(Le Crime de Sylvestre Bonnard)』を発表。アカデミー・フランセーズ(Académie française)の賞を受賞する。
  • 1896年 アカデミー・フランセーズの会員(席次38)に選出される。
  • 1921年 ノーベル文学賞を受賞。
  • 1924年 サン・シル・シュル・ロワールにて没。国葬によって葬られ、パリ近郊のヌイイ・シュル・セーヌ共同墓地に埋葬された。

 1922年には全作品がカトリック教会禁書目録に掲載された。この禁書目録は1966年に廃止された。

日本語訳一覧

1940年より、白水社で「アナトオル・フランス長篇小説全集」全17巻、「アナトオル・フランス短篇小説全集」全7巻が刊行され、1951年に完結した。
2000年に、改版・新装刊行した『アナトール・フランス小説集 (全12巻)』には、長編作品は※5巻、短編作品は7巻全てが収められている。

長編小説

  • Le Crime de Sylvestre Bonnard, 1881年
『シルヴエストル・ボナール博士の罪』 川崎備寛訳、冬夏社、1922
『エス・ボナールの罪』岡野馨訳、春陽堂(昭和初期世界名作翻訳全集第1期)、1923 
『シルヴェストル・ボナールの罪』伊吹武彦訳※、辰野隆解説、白水社(アナトオル・フランス長篇小説全集)、初刊1940
『シルヴェストル・ボナールの罪』伊吹武彦訳、岩波文庫、1975、重版多数
  • Les Désirs de Jean Servien, 1882年
『ジャン・セルヴィヤンの願い』大塚幸男訳、白水社(アナトオル・フランス長篇小説全集) 
『タイス』水野和一訳、警醒社、1915
『舞姫タイス』谷崎精二訳、聚英閣、1921 
『舞姫タイス』望月百合訳、新潮社、1924 
『舞姫タイス』森田草平関口存男共訳、国民文庫刊行会、1927
『舞姫タイス』岡野馨訳、新潮社、1929、のち角川文庫 
『女優タイス』岡沢武訳、六芸社、1938 
『舞姫タイス』水野成夫訳※、白水社、初刊1938、新版・白水Uブックス
『舞姫タイス』水野成夫訳、北宋社、1992  
  • La Rôtisserie de la Reine Pédauque, 1892年
『鳥料理レエヌ・ペドオク亭』朝倉季雄訳、白水社(アナトオル・フランス長篇小説全集)、1940
  • Les Opinions de Jérôme Coignard, 1893年
『ジェローム・コワニヤールの意見』市原豊太訳、白水社(アナトオル・フランス長篇小説全集)、1951
『赤い百合』関口鎮雄訳、金星堂、1922
『赤い百合』石川淳訳、春陽堂、1923、同文庫版 1932/ のち角川文庫、筑摩書房(石川淳全集第18巻)、1992 
『赤い百合』小林正訳※、白水社(アナトオル・フランス長篇小説全集)、1950 のち岩波文庫上下 
『赤い百合』杉本秀太郎訳、臨川書店、2001
  • 'L’Histoire contemporaine; L'orme du Mail, 1897年
『遊歩場の楡樹』小林竜雄訳、冨山房百科文庫現代物語第1巻、1940
『散歩道の楡の樹』水野成夫訳、白水社(アナトオル・フランス長編小説全集現代史I)、1941
  • L’Histoire contemporaine; Le Mannequin d'Osier, 1897年
『柳の衣桁』小林竜雄訳、冨山房百科文庫現代物語第2巻、1940
『柳のひとがた』大岩誠訳、白水社(アナトオル・フランス長篇小説全集現代史II)、1941
  • L’Histoire contemporaine; L'anneau d'Améthyste, 1899年
『紫水晶の指輪』杉捷夫訳、白水社(アナトオル・フランス長篇小説全集現代史III)、1941
  • L’Histoire contemporaine; Monsieur Bergeret à Paris, 1901年
『パリのベルジュレ氏』川口篤訳、白水社(アナトオル・フランス長篇小説全集現代史IV)、1950
『楽屋裏の話』根津憲三訳、白水社(アナトオル・フランス長篇小説全集)、1950
『白き石の上にて』平林初之輔訳、新潮社、1924
『白き石の上にて』権守操一訳、白水社(アナトオル・フランス長篇小説全集)、1950
『ペンギンの島』水野成夫訳、春陽堂、1924 
『新人国記 ペンギンの島』木村恭一訳、改造社、1930
『ペンギンの島』水野成夫訳、白水社、初刊1937、白水社(アナトオル・フランス長篇小説全集)、1951
『ペンギンの島』近藤矩子訳、中央公論社(世界の文学)、1970
『血に飢えた神々』村田義雄訳、春陽堂、1932
『神々は渇く』水野成夫訳、酣灯社、1946、白水社、1953
『神々は渇く』水野成夫訳※、白水社(アナトオル・フランス長篇小説全集)、1950 
『神々は渇く』根津憲三訳、角川文庫、1961
『神々は渇く』大塚幸男訳、岩波文庫、1977 
『神々は渇く』土岐健児訳、蝸牛社 1977
『天使の反逆』森丘次郎訳、春陽堂、1934
『天使の反逆』川口篤訳、白水社(アナトオル・フランス長篇小説全集)、1951

短編小説

  • Jocaste et le Chat Maigre(ジョカストとやせ猫), 1879年
  • Les Sept Femmes de Barbe bleue et autres contes merveilleux, 1909
『青鬚の七人の妻』他三篇 長塚隆二訳 角川文庫、1953
  • Abeille, 1883
『蜜蜂姫』福永挽歌訳、日本評論社、1921
  • Nos Enfants(少年少女), 1887年
『少年少女』三好達治訳、岩波文庫、1937 
  • Balthazar(バルタザール), 1889年
『バルタザアル』芥川龍之介訳、春陽堂(『鼻』)、1918
『バルタザアル』鈴木信太郎他訳、白水社(アナトオル・フランス短篇小説全集)、1918
  • L'Étui de Nacre(螺鈿の手箱), 1892年
『影の弥撒』山内義雄訳 新潮社、1924、のち『螺鈿の手箱』、新潮社(短篇小説全集2) 
  • Le Puits de Sainte Claire(聖女クララの泉), 1895年
  • Affaire Crainquebille, 1901
『クレンクビーユ』村松正俊訳、平凡社(新興文学全集)、1931 
『クランクビーユ』山内義雄訳、新潮社(世界文学全集)、1930 
『クランクビーユ』河盛好蔵他訳、白水社(アナトオル・フランス短篇小説全集)、1939
  • Les contes de Jacques Tournebroche(ジャック・トゥルヌブローシュのコント), 1908年  
  • アナトール・フランス短篇傑作集 若月紫蘭訳 三教書院、1910
  • 『聖餐祭』岡本綺堂訳、改造社(世界大衆文学全集)、1929、河出書房新社(世界怪談名訳集)、1987
  • 『人間悲劇 外十篇』杉捷夫訳、春陽堂(世界名作文庫)、1932、ゆまに書房(昭和初期世界名作翻訳全集)、2008
  • 『聖母と軽業師』大井征訳、岩波文庫(アナトール・フランス短篇集)、1934
  • 『襯衣』他二篇 八木さわ子訳 改造社、1939
  • アナトオル・フランス短篇小説全集(全7巻) 山内義雄内藤濯渡辺一夫佐藤正彰杉捷夫他訳、白水社、1939-40、白水社(アナトール・フランス小説集)、2000

  ※収録された短編集:『6.バルタザール』、『7.螺鈿の手箱』、『8.聖女クララの泉』、『9.クランクビーユ』、
    『10.ジャック・トゥルヌブローシュのコント』、『11.青ひげの七人の妻』、『12.ジョカストとやせ猫』。

  • 『火の娘』吉田静雄訳、今日の問題社(ノーベル賞文学叢書)、1941

回想録

  • Le Livre de Mon Ami(わが友の書), 1885年
『わが友の書』大塚幸男訳 第一書房、1934 
『わが友の書』宮本正清訳 東和出版社、1943
『わが友の書』金子博訳 新潮文庫、1952
  • Pierre Noziére(ピエル・ノジエール), 1898年
『昔がたり ピエル・ノジエール』 杉捷夫訳 岩波文庫、1935
『母の話』岸田國士訳、新潮社(日本少國民文庫世界名作選)、1936
『小さなピエール』岡田真吉訳※、白水社(アナトオル・フランス長篇小説全集) 
『花咲く日』大塚幸男訳、第一書房、1937
『花ざかりの頃』大井征訳、白水社(アナトオル・フランス長篇小説全集)、1943

文芸評論

  • La Vie littérature, 1888年-92年、※原書は全4冊、それぞれ抄訳版
文芸評論集『文学生活』朝倉季雄権守操一訳、白水社、1937
『フランスの天才達-ラテン精神 (正・続)』堀口大學訳、第一書房、1943-44

社会評論

『エピクロスの園』和気律次郎訳 天佑社、1919
『エピクロスの園』草野貞之訳 第一書房、1929
『エピクロスの園』関根秀雄訳、白水社、1951 
『エピクロスの園』大塚幸男訳、岩波文庫、1977

歴史人物伝

ジャンヌ・ダルク吉江孤雁訳 早稲田大学出版部、1917

翻案作品

音楽

バイオリン独奏オーケストラで演奏される『タイスの瞑想曲』は殊に有名である。

フィルモグラフィー

記念物

逸話

  • 1877年にヴァレリー・ゲラン・ド・ソーヴィユと結婚し、1881年に一人娘シュザンヌが誕生したが、1888年から芸術サロンの女主人のアルマン・ド・カイヤヴェ夫人ガストン・アルマン・ド・カイヤヴェの母)の愛人となり、妻とは1893年に離婚した。1899年にフランスの希望で娘シュザンヌとマルセル・プルーストとの結婚話が持ち上がったことがあるが、実現しなかった。
  • アルマン・ド・カイヤヴェ夫人は1910年、フランスと別の女優との関係がもとで自殺未遂し、亡くなった。娘のシュザンヌは1918年に亡くなった。
  • 80歳という年齢を考慮する必要もあるが、死後にそのの重量が1017gしかない(平均的な白人男性の脳は約1500g)ことが判明し[1]、脳のサイズと知的能力は殆ど関連が無いことの証左となった。

脚注

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  1. http://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k4087599/f331.image.langFR

外部リンク

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