鞍馬山鋼索鉄道
|} 鞍馬山鋼索鉄道(くらまやまこうさくてつどう)は、京都府京都市左京区にある寺院鞍馬寺への参詣者の利便を図るため、宗教法人鞍馬寺が運行しているケーブルカー。
鉄道事業法による許可を受けた鉄道としては唯一の、宗教法人が運営しているケーブルカーであり、日本一短い鉄道である。単線で行き違い設備はない。乗務員や「出札」係員などの多くは作務衣を着用している。
路線データ
運行形態
閑散期は15分間隔の運行で、山門駅は毎時10・25・40・55分発。多宝塔駅はその3分後の発車。所要時間は約2分。始発は山門駅発の場合は8時18分で、最終は多宝塔駅の場合が16時50分で、6月から8月までは17時20分に延長される。多客時はピストン運転されるが乗車定員が少ないこともあり、テンプレート:要出典範囲。
車両
車両は1996年製の3代目で幼いころ鞍馬寺で修行した源義経の幼名牛若丸にちなみ「牛若號III」の愛称がついている。
軌間800mmのゴムタイヤ式の車両1両と錘との交走式で、架線が廃止されモノレールや新交通システムのように軌道脇から集電する方式となった(なお、ケーブルカーの走行中の集電は、照明および前照灯、車内放送および前窓ワイパー用であり動力用ではない)。1957年の開業当初の車両は軌間762mmの鉄車輪2両交走式だった。1975年から使用された2代目車両の時は架線集電を行っていた。1996年からの3代目よりゴムタイヤ式・錘との交走式に改められた。
- 鞍馬鋼索鉄道車内.JPG
牛若號IIIの車内
- Ushiwaka2.JPG
2代目車両 1984年撮影
運賃
鉄道事業法による許可を受けた鉄道としては、現在唯一の運賃が無料の鉄道である(かつては箕面鋼索鉄道も無料であった)。ただし、諸堂維持の寄付金を1口100円寄付した人だけが無料で乗車できるようになっているので、寄付金100円が事実上の運賃と言える。なお、「運賃」扱いだと宗教法人といえども課税されるが、「寄付金」だと非課税扱いになる。
事実上の乗車券である「参拝記念の花びら(片道乗車票)」は、駅受付(事実上の切符売場)で諸堂維持の寄付をした人に1口1枚交付される。花びらには「鞍馬山内の諸堂や施設を維持するためにご協力いただきありがとうございました。そのお礼としてケーブルカーを片道ご利用いただきます。この花びらを係員に提示してご乗車ください。」と記され、蓮華の花びらの形をした紙の下には、半券を切り離すことができるミシン目がある。
なお寺側は、歩くことが可能な人はケーブルカーを使用せずに参道を歩くことを勧めている。自然の中を歩いて参拝してこそ、鞍馬寺の本尊であり、自然の力の根源である「尊天」をより強く感じることができるからだという理由からである。