福神漬
テンプレート:栄養価 福神漬(ふくじんづけ)、は、非発酵型の漬物の一種で、ダイコン、ナス、ナタマメ(鉈豆)、レンコン、キュウリ、シソの実、シイタケまたは白ゴマなどの7種の下漬けした野菜類を塩抜きして細かく刻み、醤油と砂糖やみりんで作った調味液で漬けたもの。「ふくしんづけ」と呼ぶ地方もある[1]。
概要
言われについてはいくつか説がある。
明治時代初頭、東京・上野の漬物店「山田屋」(現在の酒悦)の店主・第15代野田清右衛門が開発し[2]、自分の経営する茶店で売り出したところ評判となり、日本全国に広まった。名づけ親は、これを大いに気に入った当時の流行作家「梅亭金鵞」[3][4][5]で、7種類の野菜を使用し店が上野不忍池の弁才天近くにあった事から「福神漬」と命名されたとされ[6][2]、表彰碑が存在する。また、この名称が広がる事を願った清右衛門は、商標登録をしなかった[5]。
寛文12年(1672年)、出羽国雄勝郡八幡村(現・秋田県湯沢市)出身の了翁道覚が、上野寛永寺に勧学寮を建立した。勧学寮では寮生に食事が出され、おかずとしては、了翁が考案したといわれる漬物が出された。大根、なす、きゅうりなど野菜の切れ端の残り物をよく干して漬物にしたもので、輪王寺宮がこれを美味とし「福神漬」と命名、巷間に広まったとされる。
「ご飯のお供にこれさえあれば他におかずは要らず、食費が抑えられ金が貯まる(=家に七福神がやってきたかのような幸福感)」という解釈で、梅亭金鵞が名付けたという説もある。
なお、白土三平の漫画『カムイ伝』では、登場する商人・夢屋が集めさせた供え物の野菜を刻んで漬け、「ヤタラ漬」の名で売り出し評判を呼んだものとあるが、あくまで創作と推測される。「ヤタラ漬」自体は、「いろいろな野菜を刻み、取り混ぜて漬けたもの(岩波国語辞典・第6版)」として各地に存在している。
日本でカレーライスに添えられるもっとも定番の漬物である。大正時代(1902、1903年説あり)に日本郵船の欧州航路客船で、一等船客にカレーライスを供する際に添えられたのが最初であり、それが日本中に広まったとされる。福神漬が赤くなったのは、このときにチャツネに倣ったという説がある。
市販品では、人工着色料などを使って真っ赤な色をつけられたものが多かったが、その後開発された「自己主張し過ぎない」オレンジ色をしたカレー用製品[7]が好評を博し、近年では色をつけない茶色の福神漬も支持を得るようになった。
脚注
- ↑ あなたの地元では福神漬けをどう読みますか?(Wayback Machineによるアーカイブ) - 食べ物新日本奇行、NIKKEI NET
- ↑ 2.0 2.1 東洋水産
- ↑ [http://home.tokyo-gas.co.jp/shoku110/shokuzai/610.html 東京ガス 『福神漬け』
- ↑ 江戸美学研究会
- ↑ 5.0 5.1 神社と神道 参考文献『図説 七福神』戎光祥出版
- ↑ クリナップ
- ↑ 「カレー用」と名の付く福神漬はなぜ赤くないのか?Excite Bit コネタ 2006年11月9日