汕頭市
汕頭市(スワトウし、せんとうし)は中華人民共和国広東省東部に位置する地級市。スワトウ刺繍が有名である。
目次
地理
広東省東部の潮汕平原の沿海部に位置し、西と南は掲陽市、北は潮州市に接する。東は南シナ海で、海上に浮かぶ南澳島も市域に属する。北には桑浦山、長得竜山、竜坑山、香炉山といった山がある。韓江はここで南シナ海に注ぐ。大河である榕江と、支流の紅蓮池河、鮑斉河が市街地を流れ、以前は榕江で東西に分断される形となっていたが、現在は汕頭海湾大橋がかかり、一体化している。榕江の河口には媽嶼島、徳州嶼などの島々が点在する。
亜熱帯のモンスーン気候に属し、夏に雨が多いほか、秋には台風の影響を受け、年平均降水量は2420ミリメートルある。年平均気温は21.3℃で、冬も温暖である。
歴史
汕頭の市区部は古代には沿海沖積地だった。宋代には村落が形成され、掲陽県テンプレート:補助漢字フォント江都に属した。元代になると大きな漁村が形成され、廈嶺といった。民初には蓬州守御千戸所が設置され、1563年(嘉靖42年)、潮州府に澄海県が設置されると、これに帰属した。清の康熙年間に沙汕頭砲台が築かれ、雍正年間には汕頭と簡称するようになった。1756年(乾隆21年)、清政府は榕江河口の媽嶼島に常関を設立した。
第二次アヘン戦争を経て、それまで使用していた潮州港の治安が悪化し、代替港として1860年に対外開港された。海外には潮州語音を英語風に表した Swátōw として知られるようになった。これ以降、広東省東部の玄関口としての地位を得て発展をするようになり、1919年冬に汕頭市政局が設けられ、1921年7月市政庁が設置され、澄海と分れた。1930年正式に市政が施行され、広東省政府に属した。中華人民共和国成立後、1958年、汕頭専区が設けられ、名実共に潮汕地区の中心地となった。1981年に経済特区が設置されたが、[[深セン市|深テンプレート:JIS2004フォント市]]や珠海市に比べ経済発展は限定されたものであった。1991年、行政区域の分割が行われ、潮州市、掲陽市が新たに地級市とて独立した。
対外関係
歴史的に華僑を多く輩出している土地であり、海外との交流が密接である。海外にいる華僑、華人及び香港、マカオ、台湾に居住している出身者は335万人を数え、世界40か国余に広がっている。とりわけ、タイ王国に在留している出身者が多い。これらの地域との独特の地縁を生かして、汕頭は対外開放初期から力を発揮してきた。友好都市としては、日本の岸和田市、カナダのセント・ジョン市、大韓民国の平沢市と提携している。
行政区域
6市轄区・1県を管轄する。
年表
汕頭市(第1次)
- 1949年10月1日 - 中華人民共和国広東省汕頭市が発足。一区から六区までの区が成立。(6区)
- 1951年9月19日 - 市内行政区域の再編により、一区から五区までの区が成立。(5区)
- 1951年10月 - 潮汕専区澄海県の一部が五区に編入。(5区)
- 1952年11月 (4区)
- 三区・四区が合併し、三区が発足。
- 五区が四区に改称。
- 1955年2月 - 四区の一部が分立し、五区が発足。(5区)
- 1956年1月4日 - 汕頭市が汕頭専区に編入。
汕頭地区
- 1956年1月4日 - 汕頭市、潮州市、粤東行政区潮安県・澄海県・潮陽県・掲陽県・饒平県・恵来県・普寧県・大埔県・豊順県・平遠県・蕉嶺県・興寧県・五華県・梅県・南澳県を編入。汕頭専区が成立。汕頭市・潮州市が県級市に降格。(2市15県)
- 1956年9月 - 饒平県の一部が大埔県に編入。(2市15県)
- 1956年11月26日 - 興寧県の一部が江西省贛南行政区尋鄔県に編入。(2市15県)
- 1958年5月 (2市15県)
- 澄海県・潮陽県の各一部が汕頭市に編入。
- 潮陽県の一部が普寧県に編入。
- 1958年10月 (2市15県)
- 潮陽県の一部が恵来県に編入。
- 饒平県の一部が潮安県に編入。
- 1959年3月22日 (1市9県)
- 澄海県が汕頭市に編入。
- 潮州市が潮安県に編入。
- 蕉嶺県が梅県に編入。
- 平遠県が興寧県に編入。
- 豊順県が大埔県に編入。
- 南澳県が饒平県に編入。
- 恵来県が普寧県に編入。
- 1959年3月31日 - 恵陽専区紫金県・海豊県・陸豊県を編入。(1市12県)
- 1959年11月 - 大埔県の一部(旧・豊順県の一部)が掲陽県に編入。(1市12県)
- 1959年12月 - 普寧県の一部(旧・恵来県の一部)が潮陽県に編入。(1市12県)
- 1960年9月30日 (1市14県)
- 1961年3月1日 (1市14県)
- 潮陽県の一部が普寧県に編入。
- 普寧県・汕頭市の一部が潮陽県に編入。
- 1961年3月21日 - 汕頭市の一部が潮陽県・澄海県に分割編入。(1市14県)
- 1961年10月5日 (1市18県)
- 1963年7月3日 - 紫金県が恵陽専区に編入。(1市17県)
- 1965年6月11日 - 汕頭市の一部が澄海県に編入。(1市17県)
- 1965年6月26日 - 梅県・大埔県・豊順県・蕉嶺県・平遠県・興寧県・五華県が梅県専区に編入。(1市10県)
- 1965年7月15日 - 掲陽県・陸豊県の各一部が合併し、掲西県が発足。(1市11県)
- 1970年 - 汕頭専区が汕頭地区に改称。(1市11県)
- 1974年12月12日 - 澄海県・潮陽県の各一部が汕頭市に編入。(1市11県)
- 1975年1月8日 - 潮陽県の一部が汕頭市に編入。(1市11県)
- 1975年2月 - 普寧県の一部が掲西県に編入。(1市11県)
- 1975年11月22日 (11県)
- 汕頭市が地級市の汕頭市に昇格。
- 恵来県の一部が潮陽県に編入。
- 1979年8月1日 - 潮安県の一部が分立し、潮州市が発足。(1市11県)
- 1983年12月22日
- 潮州市・澄海県・潮陽県・掲陽県・掲西県・普寧県・恵来県・饒平県・南澳県・潮安県が汕頭市に編入。
- 海豊県・陸豊県が恵陽地区に編入。
汕頭市(第2次)
- 1975年11月22日 - 汕頭地区汕頭市が地級市の汕頭市に昇格。紅陽区・紅旗区・紅衛区・郊区を設置。(4区)
- 1979年8月1日 (4区)
- 1980年7月17日 - 公園区・郊区の各一部が合併し、金砂区が発足。(5区)
- 1983年12月22日 - 汕頭地区潮州市・澄海県・潮陽県・掲陽県・掲西県・普寧県・恵来県・饒平県・南澳県・潮安県を編入。(5区1市8県)
- 潮安県が潮州市に編入。
- 1984年1月 - 郊区の一部が分立し、達濠区が発足。(6区1市8県)
- 1991年9月14日 (4区1市8県)
- 1991年12月7日 (4区3県)
- 1993年4月9日 - 潮陽県が市制施行し、潮陽市となる。(4区1市2県)
- 1994年4月18日 - 澄海県が市制施行し、澄海市となる。(4区2市1県)
- 1994年4月25日 - 潮陽市の一部が分立し、河浦区が発足。(5区2市1県)
- 2003年1月29日 (6区1県)
交通
航空
鉄道
- 広梅汕鉄路 - 全長480キロメートルで、汕頭から梅州を経て、広州に通じる。1995年9月27日に開通し、貨物輸送から利用が始まった。
道路
バスターミナル
- 汕頭市汽車総站 - 市街地西部。多くの長距離バスが発着。
- 汕頭市汽車客運中心站 - 市街地東部の汕頭駅北隣り。総站とここの両方に寄る路線もある。
タクシー
2009年7月から初乗り2kmまで5元、1km毎に2.4元になったが、メーターを使わず、価格をふっかけることが常態化している。市街地の東西、汕頭駅から汽車総站までをメーターで走ると約20元。
海運
教育
- 汕頭大学 - 広東東部地域で唯一の大学である。潮州出身の李嘉誠の寄付で創設された。
文化
住民の多くは潮州にルーツがあり、広義の[[ミン南語|テンプレート:JIS2004フォント南語]]の一種である潮州語を話す。潮州語で演じる地方劇の潮劇があり、その伴奏音楽である潮楽も盛んである。
食べ物は、海の幸を生かした潮州料理の本場であり、汕頭で改良された「小吃」(軽食)や点心も多い。味はあっさりしていて、日本人の口にも合うものが多い。工夫茶と呼ばれる喫茶の習慣も根付いている。
観光
- 北回帰線標志塔
- 汕頭市東征軍革命史迹陳列館
- 南澳海島国家森林公園
- 汕頭農業科学園
- 老媽宮
- 関帝廟
- 南澳生態旅游区(汕頭八景)
- 海門蓮花峰(汕頭八景)
- 溝南許地民俗生態旅游区
- 中信ゴルフ海浜度假村(汕頭八景)
- 白花尖大廟(九天聖母廟)
- 陳慈黌故居(汕頭八景)
- [[礐石風景名胜区|テンプレート:JIS2004フォント石風景名テンプレート:Zh区]]
- 潮陽大峰風景区
- 青澳湾(海水浴場)
- [[汕頭テンプレート:JIS2004フォント石大橋]]
- 媽嶼島風景区
- 華僑公園
- 汕頭海湾大橋
- 桑浦山風景区
- 達濠青雲岩風景区
- 北山湾旅游度假区
- 国際会議展覧センター
- 時代広場
- 中山公園
- 人民広場
- 金砂公園
- 浜海長廊
- 石炮台公園
- 迎賓路和迎賓広場