民間人

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民間人(みんかんじん、private citizen)とは、「政府の機関・組織に属さない人」[1]、または「職業軍人戦闘員ではない人々」[2]のこと。

英語ではprivate citizenに相当する[3]。なお、private citizenに近い意味の言葉としてen:private sector民間部門)という言葉もある。

軍人と民間人

戦時において、戦闘能力を有する者(例えば敵軍の職業軍人など)を殺害することは、法的に見て正当化される[4] 。そもそも戦闘で殺される可能性も織り込んでいる職業が軍人、戦闘によるを受け入れるべき職業が軍人、というわけである。ただし、戦闘能力を剥奪された者を殺害したり暴行を加えることは許されない[5]。軍人が武器を持って戦った場合でも、一旦捕虜となった場合は、ジュネーブ条約に基づき、基本的人権が保障される。

それに対して、何人であれ、民間人(非戦闘員)を殺害することは、非人道的な行為とされており、国際的に認められていない。人道に対する罪という概念も生まれた。

正規の軍人ではない民間人を軍事要員として編成されたものを民兵と呼ぶ。

戦後の日本では自衛官国際法上、軍人として扱われている。その場合、民間人は自衛官以外に相当する。

閣僚と民間人

日本では、首相が内閣のメンバーに、選挙によって選ばれた国会議員(※国会議員は特別職の国家公務員と解釈されることがある[6])以外の者を閣僚に起用した場合に、「民間人としての登用」と表現する人がいる(「民間人閣僚」)。日本の法的には過半数が国会議員であればよいので、この表現には「閣僚は国会議員から選ぶものだ」という考え方がある。

それに対して、アメリカ合衆国ではそもそも国会議員が閣僚を兼任することは、三権分立を厳密に定めたアメリカ合衆国憲法で禁止されており、閣僚に民間人を選ぶことは、ある意味で当然のことである。アメリカ合衆国の大統領の場合は政府の中枢(ホワイトハウスのメンバー、ブレイン、閣僚)は自分が以前から信頼して重用している人々を中心に、自在に、適材適所で選んでいる。よって米国では、ある大統領が任期終了で政権を去るということは、基本的にその大統領の協力者たちも同時に政府から去るということになり、一度に多くの人々が次の再就職先を探すことになる[7]

公的な王族・貴族と民間人

世界的にみると、王族貴族の身分を離れる際、「民間人になる」といわれることがある。

日本では、昭和22年にGHQの指導のもと、国民の代表機関たる国会が法律としての皇室典範の改定を行い(公布番号第3号)、この法的な枠組みの中で皇籍という名簿に名を掲載された者が皇族とされている。これらの者が「非民間人」と解釈されることがある。そして皇籍離脱する時「民間人になった」と言われることがある。

また、王族や貴族が王族や貴族以外の人と婚姻する場合も、「民間人との婚姻」と言われることがある。

出典・脚注

  1. 「公の機関に属さない人」デジタル大辞泉
  2. 「戦闘員・軍人でない人々」デジタル大辞泉
  3. goo 辞書
  4. ジュリスト第 283~288 号、p.61
  5. ジュリスト第 283~288 号、p.61
  6. 参議院法制局の公式サイト「国会議員は公務員か」
  7. このあたりの事情は、たとえばビル・クリントンの自叙伝『マイライフ』などにも詳述されている

関連項目

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