奈良大学
テンプレート:Infobox 奈良大学(ならだいがく、テンプレート:Lang-en)は、奈良県奈良市山陵町1500に本部を置く日本の私立大学である。1969年に設置された。 学校法人奈良大学によって運営されている。文学部(4学科)と社会学部(2学科)および、通信教育部(1学科)と大学院(2研究科)を設置する。
目次
概観
大学全体
学校法人奈良大学の歴史は1925(大正14)年、薮内敬治郎が向学の精神に燃える青年のために創立された南都正強中学(夜間制)に遡る。
当時の生徒たちは無月謝、無遅刻・無欠席で勉学に励み、教壇に立つ先生方は無報酬で、真剣に向き合っていた。「一人ひとりの学生を大切にする」。これが奈良大学の教育の原点であり、「正しく強く生きる」こと、「努力することが大切である」ことが建学の精神であり、奈良大学・同附属高等学校・同附属幼稚園はこの原点と精神を継承し、平成27年に創立90周年を迎える。
奈良大学は1969(昭和44)年、世界的視野に立ち社会に貢献する人材の育成を目指す学府として開学した。卒業生は広く国の内外に多く活躍している。
文学や歴史、地理、文化財、人間や社会を切り口にして、文学部ならびに社会学部、大学院文学研究科・社会学研究科、通信教育・文学部文化財歴史学科の設置など時代の要請に応えて、独自で確かな教育と研究を推進している。
文学部は4学科構成であり、日本の言葉が生み出した華麗な世界を系統的に学ぶ国文学科、日本史・東洋史・西洋史にわたり“考える歴史”と“感じる歴史”を実践し“なぜ”を解明する史学科、国の内外にわたりフィールドワークを重視しながら人や自然と地球のかかわりを探求する地理学科、遺跡・遺物、絵画・彫刻などの研究・保存・活用を総合的に学び、学芸員として求められる知識と技術を習得する文化財学科と、いずれの学科も独自な教育・研究の特色を誇っている。
社会学部は心理学科と総合社会学科の2学科構成であり、心理学科は人と社会の“こころ”を、臨床心理学と社会心理学を核にして探求している。従来の社会調査学科は27年度から総合社会学科に名称を変更し(文部科学省へ名称変更届け出済み)、社会調査法、経済・経営、国際文化、デジタルアーカイブ応用などをテーマに選んで社会の現象や構造、変化を探求する。こうして複雑化する人と社会の諸問題を解きほぐす有為の人材の育成に特色がある。
沿革
- 1925年 - 南都正強中学校開学。
- 1969年4月 - 奈良市宝来町に奈良大学開学。文学部(国文学科・史学科・地理学科)。
- 1970年4月 - 教育職員免許状取得課程設置。
- 1976年4月 - 博物館学芸員取得課程設置。
- 1979年4月 - 文学部文化財学科増設。同学科に博物館学芸員取得課程設置。
- 1980年4月 - 文学部文化財学科に教育職員免許状取得課程設置。
- 1988年2月 - 奈良市山陵町の現キャンパスに全面移転。
- 1988年4月 - 社会学部(社会学科・産業社会学科)開設。
- 1993年4月 - 大学院(修士課程)、(文学研究科国文学専攻・文化財史料学専攻、社会学研究科社会学専攻)開設。
- 1995年4月 - 大学院(博士課程・後期)文学研究科文化財史料学専攻増設。
- 1999年4月 - 社会学部社会学科を人間関係学科、産業社会学科を現代社会学科に名称変更。大学院〈修士課程〉文学研究科地理学専攻増設。
- 2004年4月 - 司書取得課程設置。文学部全学科・社会学部現代社会学科(企業社会情報コース)に学校図書館司書教諭取得課程設置。社会学部現代社会学科(企業社会情報コース)に教育職員免許状取得課程設置。
- 2005年4月 - 通信教育部文学部文化財歴史学科開設。同学科に博物館学芸員取得課程設置。大学院社会学研究科社会学専攻に臨床心理学コース設置。
- 2007年4月 - 社会学部人間関係学科を心理学科に名称変更。大学院社会学研究科社会学専攻(臨床心理学コース)が臨床心理士資格認定協会第2種指定大学院に指定。奈良大学博物館開設。
- 2010年7月 - 奈良大学臨床心理クリニック開設。
- 2010年4月 - 社会学部現代社会学科を社会調査学科に名称変更。同学科に資格取得課程設置。大学院社会学研究科社会学専攻(臨床心理学コース)が臨床心理士資格認定協会第1種指定大学院に指定。
- 2014年5月 - 日本考古学協会から文化財専門図書6万3千冊の寄贈を受け、奈良大学は文化財専門図書だけで14万冊を超える蔵書を備えた、わが国屈指の文化財研究の情報拠点になる。
学部
その他教育組織
大学院
学びの特徴
建学の精神
「努力が天才であるとする信念を以て心の光となし、自己の願望を遂げさせるものは自分自身であるとする信念を以て心の力となす。この光に照らされ、この力に勇みつつ、明るい人生の中に自己を見出して、常に大望を見失わず、自信満々努力して倦まざるもの、これが即ちたくましき正しきに強き健児の姿であり、建学の精神である。」
立地環境
- 3ヶ所もの世界遺産があり、東大寺・平城宮・唐招提寺・法隆寺・飛鳥・吉野など、千年以上もの歴史文化が蓄積し万葉故地が点在する奈良大和路。それらの本物の文化財を生きた教材として、最大限に教学活用し「歩く」「見る」「聞く」「触れる」「感じる」など多くの体験型授業を行っている。
- 関西文化学術研究都市に隣接し、最先端文化と歴史文化が交わり合う融合エリアに位置する。
対外関係
学術交流
- 復旦大学(中国、上海市)
- 蘇州科技学院(中国、蘇州市)
- 韓瑞大学校(韓国、瑞山市)
- 韓国伝統文化大学校(韓国、扶余郡)
- 陜西師範大学(中国、西安市)
- セインズベリー日本藝術研究所(イギリス、ノリッチ)
産学連携
単位互換制度
放送大学、奈良教育大学、奈良県立大学、帝塚山大学、天理大学、奈良産業大学、奈良女子大学、奈良県立医科大学と単位互換制度を実施。8大学開講科目の指定科目を履修することが可能。
また、大学院においては 奈良女子大学大学院、帝塚山大学大学院との単位互換制度も実施されている。
提携校
付属施設
- 総合研究所
- 情報処理センター
- 地域連携教育研究センター
- 奈良大学博物館
- 奈良大学臨床心理クリニック
- 野外活動センター - 甲子園球場と同サイズの野球場、400mトラック総合グランド、テニスコート6面などで構成される。
附属学校・園
大学出身者(順不同)
作家
学者
- 鈴木景二(富山大学教授)
- 西岡尚也(琉球大学教育学部助教授)
- 鈴木久男(京都産業大学教授 前京都市埋蔵文化財研究所調査課長)
- 渡辺智恵美(別府大学文学部助教授)
- 千田嘉博(奈良大学学長、文学部教授)
- 植野浩三(奈良大学文学部准教授)
- 土平博(奈良大学文学部教授)
- 藤本悠(奈良大学文学部講師)
- 栗田美由紀(奈良大学文学部講師)
- 安田真紀子(奈良大学文学部非常勤講師)
- 清水奈都紀(奈良大学文学部非常勤講師)
- 中村晋也(金沢学院大学美術文化学部准教授)
- 西野寿章(高崎経済大学地域政策学部教授)
文化財考古学関係
- 岡本親宣(京都国立博物館副館長)
- 狭川真一(元興寺文化財研究所研究部長)
- 山川均(大和郡山市教育委員会社会教育課主任)
- 小田桐 淳(長岡京市教育委員会生涯学習課主任専門員 前長岡京市埋蔵文化財センター調査係長)
- 西川寿勝(大阪府教育委員会文化財保護課)
- 相原嘉之(明日香村教育委員会文化財課)
- 橋本輝彦(桜井市教育委員会文化財課主任)
- 佐藤亜聖(元興寺文化財研究所主任研究員)
- 坂東俊彦(東大寺史研究所研究員)
- 本村充保(奈良県立橿原考古学研究所主任研究員)
- 岡田憲一(奈良県立橿原考古学研究所主任研究員)
- 近江俊秀(文化庁文化財部記念物課調査官)
- 多田暢久(姫路市立城郭研究室技術主任)
芸能界
スポーツ
- 中村信博(ラリー選手) - 2008年全日本ラリー選手権クラスチャンピオン
演奏家
- 向井毅志(ユーフォニアム奏者) - BREEZE BRASS BAND 首席ユーフォニアム奏者
マスコミ
政治・財界
主な大学関係者
- 市川良哉(理事長、宗教学者、名誉教授)
- 奥野誠亮(理事)
- 東野治之(文学部教授、古代歴史学者、第1回浜田青陵賞・第27回角川源義賞受賞)
- 真田信治(文学部教授、言語学者)
- 上野誠(文学部教授、万葉学者、万葉文化館内万葉古代学研究所副所長、第12回日本民俗学会研究奨励賞・第15回上代文学会賞受賞)
- 下坂守(文学部史学科教授、日本中世史)
- 寺崎保広(文学部教授、古代歴史学者、木簡学会委員)
- 西山要一(文学部教授、文化財保存学、レバノンティール遺跡保存修復チーム代表、河島英五の壁画修復担当)
- 三宅久雄(文学部教授、通信教育部長、仏教美術史学、元宮内庁正倉院事務所長、文化審議会文化財分科会専門委員)
- 永井一彰(文学部教授、近世国文学者、「奥のほそ道」「絵本若草山」「因果物語」「撰集抄」「勢多唐巴詩」与謝蕪村の挿絵等の版木、十返舎一九の手紙発見者)
- 尾上正人(社会学部教授、産業社会学、第3回日本社会学会奨励賞受賞)
- 高橋春成(文学部教授、生物地理学者、シシ垣ネットワーク代表)
- 三木理史(文学部教授、交通地理学)
- 河内将芳(文学部史学科教授、日本中世史、都市文化史)
- 小林丈広(文学部史学科教授、近代都市史)
- 木下光生(文学部史学科准教授、日本近世史)
- 千田嘉博(現学長、城郭考古学)
元教員
- 泉拓良(元文学部教授、先史時代考古学者、現京都大学大学院教授)
- 矢守克也(元社会学部教授、現京都大学巨大災害研究センター教授)
- 井上満郎(元文学部助教授、日本古代史学、現京都産業大学名誉教授・京都市歴史資料館館長)
- 春日直樹(元社会学部教授、元大阪大学大学院教授、現一橋大学教授)
- 伊土耕平(元文学部教授、現岡山大学教授)
- 和田博文(元文学部教授、現東洋大学教授)
- 森瀧健一郎(元文学部地理学科教授、岡山大学名誉教授)
- 白石太一郎(文学部教授、考古学者、近つ飛鳥博物館館長、総合研究大学院大学・国立歴史民俗博物館名誉教授、日本考古学会評議員)
- 田辺昭三(元文学部教授、考古学者、平安京調査会会長・水中考古学研究所長・京都造形芸術大学教授)
- 藤井学(元学長、文学部教授、日本中世史学)
- 堀池春峰(元文学部教授、東大寺史研究所所長)
- 松前健(元文学部教授、日本神話学)
- 藤岡謙二郎(元文学部教授、歴史地理学)
- 神子上恵龍(元文学部教授、名誉教授、真宗教学者)
- 水津一朗(元学長、元文学部教授、元学術会議会員、都市地理学者)
- 上村幸次(元学長、元文学部教授、中国文学者)
- 内田秀雄(元文学部教授、名誉教授、風土地理学者)
- 小谷昌(元文学部助教授 琵琶湖の最深部(KM点)の発見者。Kは小谷、Mは漁師前田のMである。)
- 井上薫
- 毛利久
- 水野正好(元学長、現名誉教授、考古学者、大阪府文化財センター理事長、日本文化財科学会会長)
- 小野川秀美(元文学部教授、東洋史、京都大学名誉教授)
- 笠置侃一(元教養部教授、現名誉教授、伝統芸能史学者・中国語学者、春日大社南都楽所楽頭)
- 水野柳太郎(元文学部教授、現名誉教授、古代歴史学者,六国史データベース作成者)
- 三隅二不二(元社会学部長・教授、心理学者、大阪大学名誉教授)
- 筧久美子(元文学部教授、中国文学者、神戸大学名誉教授)
- 蘇徳昌(元教養部教授、現名誉教授、中国語学者)
- 野崎清孝(元文学部教授、現名誉教授、地理学者)
- 大西晴隆(元文学部教授、現名誉教授、中国哲学者)
- 松山宏(元文学部教授、現名誉教授、歴史学者)
- 古原宏伸 (元文学部教授、現名誉教授、美術史学者)
- 小林永二 (元教養部教授、現名誉教授、英語学者)
- 坂本英夫(元文学部教授、現名誉教授、農業経済地理学者)
- 丸山幸彦(元文学部教授、日本中世史、荘園の研究)
- 浅田隆(元文学部教授、現名誉教授、奈良近代国文学者、プロレタリア文学研究者)
- 鎌田道隆(元学長、元文学部教授、現名誉教授、近世歴史学者)
- 佐々木克(元文学部教授、明治維新史、日本近代政治史、京都大学名誉教授)
- 池田碩(元文学部地理学科教授、現名誉教授、自然地理学)
- 石原潤(元学長、文学部教授、農村社会地理学者、日本地理学会会長)
- 碓井照子 (元文学部教授、現名誉教授。情報地理学者、日本学術会議会員、GIS学会理事、GIS研究所所長、地理情報システム学会前会長)
- 堀信行(元文学部教授、環境地理学)
その他
- 学園祭(青垣祭)は例年11月初旬開催されている。
- 校舎はサーモンピンクを基調とする個性的な色彩、形状である。
- 丘陵地にあるので晴れた日には薬師寺の塔や、若草山、東大寺大仏殿、三輪山・生駒山までも見渡すことができる。
- 公開講座を県内外各地で開催している。
- 地理情報システムを全国の大学に先駆けて導入している。
近隣施設
- 奈良大学附属高等学校
- 東大寺学園中学校・高等学校
- 関西文化芸術学院
- 奈良県立平城高等学校
- 京都府立南陽高等学校
- 奈良市立平城小学校
- ならやま大通り
- サンタウンプラザすずらん館
- イオンモール高の原
- 奈良競輪場
- 五社神古墳
- 秋篠寺
- ならファミリー
交通アクセス
鉄道
- 近畿日本鉄道 京都線 高の原駅より徒歩約20分:丘陵地であるため、駅からはゆるやかな登り道となり、徒歩では若干時間がかかる。
- 近畿日本鉄道 京都線 平城駅より徒歩約15分:駅北方の道を北上し、左手に奈良大学付属高校を見ながら平城郵便局を右折すると、大学南側のゲートに至る。
- 大和西大寺駅より、自転車通学する学生も多少存在する。徒歩約30分。