ダイハツ・コペン
コペン(Copen )は、ダイハツ工業が製造・販売する2人乗り軽オープンカーである。
目次
概要
ダイハツとしては1993年に生産中止となったリーザスパイダー以来の軽オープンカーであり、軽市販車では世界初となる電動油圧ポンプの開閉式ルーフのアクティブトップ仕様をもつ。
「コペン(Copen)」の車名は初代・2代目で共通するものの、初代は「Compact Open」から、2代目は「Community of Opencar life」から名付けられた点が異なる。なお、初代・2代目とも発売前に出されたショーモデル時代の英語表記は「KOPEN(K・OPEN=軽オープン)」だった。 初代発売時には同社の「コンパーノ」の名称の復活も検討されていたが、ダイハツ・新宮会長(当時)が新しい名称への移行を求めたために、「コペン(KOPEN)」となった。後に、日本独自の規格である軽自動車(K-car)のKからコンパクトカー(Compact car)のCに変え、「Copen」に落ち着いた。
- アクティブトップ
- 独特のルーフシステムは、ドイツのベバスト(Webasto)社とイタリアのピニンファリーナ社が共同で設立したOASys(Open Air System)社の手によるものである。開閉所要時間は約20秒。
- Daihatsu Copen coupé cabriolet front side.JPG
アクティブトップ ルーフ開放時(前)[1]
- Daihatsu Copen coupé cabriolet rear side.JPG
アクティブトップ ルーフ開放時(後)[1]
初代 L880K型(2002年-2012年)
テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 47kW(64馬力)を発生する直列4気筒DOHCツインスクロールターボJB-DETエンジンを搭載する。 トランスミッションにはスーパー5速MTおよびスーパーアクティブシフト付電子制御式4速ATから選択することができる。登場当時は同一グレード同士で比較した場合MT車とAT車の価格が同一であり、AT車が割高な当時としては珍しかった。
製造は同社の「ミゼットII」同様、ダイハツ本社(池田)工場第2地区 「エキスパートセンター」が担当し、「D'sus」(ダイハツ社内の技能認定制度)2級以上を取得した熟練技能者の手作業による最終調整が施されている。
ボディカラーの接頭にある「DC-」とはDouble Clear塗装の略で、クリア塗装を2回繰り返す5層コートを採用することによって、より深みのある艶やかな輝きを実現している。なお、2010年7月まで販売されていたホワイトは4層コートである。 また、Double Clear塗装によって、ボディ保護や耐性が上がるとはカタログでは一切記述されていないので、購入の際は注意が必要である。
年表
- 1999年 - 東京モーターショーに「KOPEN」として参考出展された[2]。
- 2001年 - モーターショーに市販化を目前として出展された[3]。なお、市販車と一部異なり、サイドにもCopenエンブレムがあり、エアディフレクターがスモークで「Copen」の刻印がされ、オープニングカバーも電動だった。
- 2002年6月19日 - 発売。標準仕様は「アクティブトップ」および「ディタッチャブルトップ」。ただしディタッチャブルトップは当初受注のみ行なった。型式はLA-L880K[4]。
- 9月 - ディタッチャブルトップ発売。
- 2003年7月23日 - 特別仕様車「ファーストアニバーサリーエディション」を発売[5]。同時にオプション設定として、シートヒーターとカラーオーダーシート(黄/黒・赤/黒)を追加。
- 12月 - ボディカラーのDC-ブラックマイカは廃止された。
- 2004年5月 - 排ガス規制の変更に対応し、型式がABA-L880Kに変更された。
- 2006年6月14日 - 特別仕様車「アルティメットエディション」を発売[7]。これに伴って「セカンドアニバーサリーエディション」は廃止され、レカロシート(レッド・ブルー・グレー)はオプションとして継続販売。同時にオプションのカラーオーダーシートは廃止。
- 2007年3月 - メーカーオプション「スポーツパック」の廃止。
- 2008年1月 - 特別仕様車「アルティメットエディションII」を「アルティメットエディションIIメモリアル」から名称変更し、シリアルプレートを廃止し、継続発売。
- 2009年9月1日 - 特別仕様車「アルティメットレザーエディション」を発売[10]。伴って、ボディカラーとしてDC-ブラックマイカメタリックが追加、DC-スチールグレーメタリックが廃止され、ホワイトはカラー番号の変更が行われた。同時に、レザーパッケージ、「タンレザーエディション」が生産終了。
- 2010年8月2日 - 一部改良、および特別仕様車「アルティメットエディションS」を発売[11]。メーカーオプションであったGパックなどを廃止し、リミテッド・スリップ・デフ(LSD)(MTのみ)、プロジェクター式ディスチャージヘッドランプ、イモビライザーシステム、シートヒーターを標準装備化し、車両本体価格を改訂。これにより、同一グレード同士で比較した場合、MT車の車両本体価格がAT車のそれよりも高額になった。ボディカラーのDC-ジョーヌイエロー、DC-ダークブルーマイカメタリック、ホワイトを廃止。同時に、「アルティメットエディションII」「アルティメットレザーエディション」が生産終了。
- 2012年4月2日 - 生産終了を発表し、特別仕様車「10thアニバーサリーエディション」を発売[12]。
- 8月 - 生産を終了、テンプレート:要出典範囲[13]。これに伴い、4気筒エンジンを搭載した軽自動車は全て生産終了となった[14]。
スタイル・グレード
アクティブトップ(2002年6月-2012年8月)
- 発売当初からの標準仕様であり、電動油圧ポンプによる開閉式ルーフのアクティブトップ(クーペカブリオレ)仕様。
ディタッチャブルトップ(2002年9月-2007年8月)
- 発売当初の標準仕様であり、脱着が可能な樹脂ルーフを採用しアクティブトップ仕様に比べ約30kg軽量化した仕様。
- スポーツパックとリヤスポイラーが標準装備され、ロールバーがメーカーオプション扱い。
- アクティブトップはルーフがボディ同色になるが、デタッチャブルトップは一部のボディカラーを除き、ルーフがブラック。
- 窓は片側1枚で分割しない(アクティブトップの窓は三角窓の部分に分割)。
レザーパッケージ(2007年9月-2009年8月)
- 発売当初からのメーカーオプション「レザーパック」を格上げしたグレード。
- アクティブトップをベースに本皮製スポーツシート(赤レザー)、専用ドアトリム、MOMO製本革ステアリングホイールを特別装備。
特別仕様車「ファーストアニバーサリーエディション」(2003年7月23日-2004年5月)
特別仕様車「タンレザーエディション」(2004年6月-2009年8月)
- 発売1周年を記念し、発売された特別仕様車。2004年6月より「タンレザーエディション」として継続販売した。
- アクティブトップをベースに本皮製スポーツシート(タン)、専用ドアトリム、オプションであるMOMO製ウッド&レザーステアリングホイールを特別装備。
特別仕様車「セカンドアニバーサリーエディション」(2004年6月-2006年5月)
- 発売2周年を記念し、発売された特別仕様車。
- アクティブトップをベースにレカロシート(赤/黒)、専用ドアトリム、モモ製本革ステアリングホイール(赤/黒)に加え、メーカーオプションであったGパックの一部のプロジェクター式ディスチャージヘッドランプを特別装備。
特別仕様車「アルティメットエディション」(2006年6月-2007年8月)
- アクティブトップをベースに、アルカンターラレカロシート(オレンジ/黒)、専用ドアトリム、モモ製本革ステアリングホイール(オレンジ)、さらにビルシュタイン製ショックアブソーバー、BBSの15インチ鋳造アルミホイール(シルバー)、メーカーオプションであったスポーツパックの一部であったリヤパフォーマンスブレースを特別装備。
ダイハツ100周年記念特別仕様車「アルティメットエディションIIメモリアル」(2007年9月-12月)
- ダイハツ100周年を記念し、発売された特別仕様車。「アルティメットエディション」からにアルカンターラレカロシートおよびMOMO製本革ステアリングホイール、専用ドアトリムにキャメルが加わり色の選択が可能となった。ブラックメッキフロントグリル、クリアクリスタル リアコンビランプなどを特別装備として追加。
特別仕様車「アルティメットエディションII」(2008年1月-2010年7月)
- 「アルティメットエディションIIメモリアル」から、シリアルプレートを省き継続販売したもの。
特別仕様車「アルティメットレザーエディション」(2009年9月-2010年7月)
- アルティメットエディションIIをベースに本革製スポーツシート(ブラック/アイボリー)、BBS製15インチアルミホイール(ガンメタ)、モモ製ステアリングホイール(ブラックシート選択時は本革、アイボリーシート選択時はウッド&レザー)などを特別装備。
特別仕様車「アルティメットエディションS」(2010年8月-2012年8月)
- アクティブトップをベースに、アルカンターラレカロシート(キャメル)と本革製スポーツシート(ブラック)のシート選択、モモ製本革ステアリングホイールとMOMO製ウッド&レザーステアリングのステアリングホイール選択、さらにビルシュタイン製ショックアブソーバー、BBSの15インチ鋳造アルミホイール(ガンメタ)、ブラックメッキフロントグリル、クリアクリスタル リアコンビランプなどを特別装備。
特別仕様車「10thアニバーサリーエディション」(2012年4月-2012年8月)
- アクティトップをベースに、10thアニバーサリーロゴとシリアルナンバー付のアルミスカッフプレートカバーや「アルティメットエディションS」に装備されているブラックメッキフロントグリルや本革製スポーツシート(ブラック<レッドステッチ>)、さらに、BBS製15インチアルミホイール(シルバー)、メッキインナードアハンドル、メッキパーキングブレーキレバーボタンを特別装備。
輸出仕様
2003年7月よりイギリスやオーストラリアなどへ輸出を開始した(660cc、アクティブトップのみ)。 なお、日本車としては異例なことだが、右ハンドル仕様のみであるにもかかわらず、同時期にドイツ向けの輸出もなされていた。ダイハツ・コペンのドイツ公式サイトでは「Lenkung: Rechtslenker(ハンドル位置:右)」、という注意書きがなされていた。 その後、2005年10月よりNA、1.3L、左ハンドル仕様が用意され輸出を開始した。2007年からは同右ハンドル仕様も輸出を開始したが、日本での1.3L普通車仕様の販売は行われなかった。
輸出仕様の1.3Lエンジンはブーンなどに使用されているものと(表記方法の違いによる出力差はあるものの)基本的には同一のK3-VE型である。 輸出仕様の1.3Lエンジン搭載モデルの一部には16インチ(国内モデルは15インチのみ)DAIHATSU純正アルミホイールを履いたモデルもあった。(タイヤサイズは195/40 R16)
特記事項
2005年、東京モーターショーなどにコンセプトカーとしてボディを拡大し、1.5Lエンジンを搭載した「コペンZZ」が出展された。また、2007年に「OFC-1」、2011年に「D-X」、2012年に「D-R」がコペンと同様の軽規格でオープンカーとしてモーターショー等にて出展された。
ダイハツのCMの最初の「Innovation for Tomorrow」(2007年2月まで「ワンダフルスモール・ダイハツ!」)という部分で一瞬でロゴを横切っているのはこの車である。 テンプレート:-
2代目 LA400K型(2014年-)
テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 製造終了から1年10か月を経てショーでにて発表後フルモデルチェンジされた。2代目では新たな骨格構造「D-Freme」および脱着構造「Dress-Formation」が特徴的である。エンジンは KF-DET型を搭載する。
- 骨格構造「D-Freme」
- フロント・サイド・リア・フロアを切れ目なくつないだ構造としたことで曲げ剛性やねじれ剛性を高め、高い走行性能とルーフオープン時の剛性確保を行った。
- 脱着構造「Dress-Formation」
- 骨格構造「D-Freme」により骨格だけで強度を担保する構造となったことでドアを除くボディ外板の一部を樹脂製にすることが可能となった。また、車両後端をダックテール形状にすることで高速走行時の揚力を大幅に低減し、走行安定性を高める優れた空力性能を実現。さらに、脱着構造「Dress-Formation」を採用したことで、これまでの固定概念を覆し、購入後でもユーザーの好きなタイミングでルーフとバックパネルを除く11か所のパーツを着せ替えできるようになった(なお、ボディの着せ替え作業については販売店で行われる)。
外装は初代と異なり、ドアミラー・ルーフ・バックパネルはブラック(ブラックマイカメタリック〈X07〉ボディと同色)塗装、ドアアウターハンドルはシルバー(ブライトシルバーメタリック〈S28〉ボディと同色)塗装、Aピラーとフロントガラス上端のボディはエンジンルーム等と同様にソリッドのブラック塗装で統一されてある。
内装は、ベージュのシートとブラウンのトリムが標準装備で、メーカーオプションでブラックに変更可能。 また、市販車に通常確保さているセンタークラスターのオーディオスペースを除かれており、オプション設定によりエアコン吹き出し口の上にオーディオスペースが確保される(ただし、スピーカー・ツィーターは標準装備)。
エンジンは初代のJB-DET型から、DVVTを採用したKF型(KF-DET型)に変更となり、最大トルクがスペックダウンされたが、低排出ガス性能を高めたため「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得。初代同様、トランスミッションにはMTとATが用意されるが、ATはコペン初のCVT(7速スーパーアクティブシフト付)となる。また、CVT車にはアイドリングストップシステム「eco IDLE(エコアイドル)」も装備されており、CVT車は「平成27年度燃費基準+20%」を、MT車も「平成27年度燃費基準」を達成している。
スマートアシストは諸般の事情により全グレード非搭載となっている(ただし、その一部であるVSC&TRCは標準装備)。
年表
- 2013年11月22日 - 第43回東京モーターショーに「KOPEN」を参考出品車として出展した。その際、デザインコンセプトの異なる「KOPEN future included Rmz」「KOPEN future included Xmz」の2モデルを出展した[16]。
- 2014年6月19日 - 販売開始[17][18]。当初は「Rmz」の量販モデルである「ローブ」のみの販売。同年秋に「Xmz」の量販モデルは仮称「X(クロス)モデル」として販売開始予定し、2015年半ばにはローブに着せ替え可能な丸型ヘッドライトパーツの発売予定を発表した。
スタイル・グレード
ローブ(2014年6月 - )
- 初代同様、アクティブトップを標準装備したクーペカブリオレモデル。「ローブ」の語源は衣服・衣装・服装などのフランス語より。
- DAIHATSU COPEN Robe LA400 01.jpg
ローブ オープン時 フロント
- DAIHATSU COPEN Robe LA400 02.jpg
ローブ オープン時 リヤ
- DAIHATSU COPEN Robe LA400 03.jpg
ローブ インテリア[19]
脚注
関連項目
外部リンク
- COPEN|Brand&Fan Community - ダイハツ工業
- ↑ 1.0 1.1 初代タンレザーエディション
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- ↑ 実際は生産終了発表後1か月も経たないうちに、一部販売店では受注が終了しており、5月になるとウェブサイトにてその旨の案内があった。
- ↑ 同年には2月にスバル・サンバーが、同年6月には三菱・パジェロミニ(およびOEMの日産・キックス)の生産が終了しており、残るはコペンだけとなっていた。
- ↑ リアスポイラーは特別装備に含まれない
- ↑ テンプレート:PDFlink - ダイハツ工業株式会社 ニュースリリース 2013年10月30日(2014年6月19日閲覧)
- ↑ 2014年5月19日より事前受注を行っていた。
- ↑ テンプレート:PDFlink - ダイハツ工業株式会社 ニュースリリース 2014年6月19日
- ↑ MT、ブラックインテリアパック、純正ナビ・オーディオ装着用アップグレードパック装着車