いもフライ
いもフライ(いもふらい、イモフライ)とは、蒸かしたジャガイモを一口大に切り、小麦粉とパン粉などで作った衣につけ、油で揚げた料理。
概要
いもフライは日本全国に見られるが、テンプレート:要出典範囲。串に刺してから揚げるのが一般的で、地元産のソースを使用するなどの特徴がある(後述の「ソース」の欄を参照)。佐野市の観光協会では「佐野にしかない」としているがこれは事実ではない。一説によると、佐野市内でリヤカーの屋台を曳いて、隣接の群馬や足利に、売り歩き県外に広まったといわれている。佐野市では、いもフライをメインで扱っている店舗が約50軒と多くあり町おこしの材料にしようとの動きもある。両毛地域以外ではポテトフライ、ポテトと呼ばれることが多く、総菜店や精肉店で販売されている。
特徴
衣
佐野市のものは独特である。小麦粉を溶いたお好み焼きのような生地(溶き卵やナガイモを加える店もある)に少量のパン粉をまぶし、モチモチとした重厚な食べ応えを重視したものが主流である(写真は佐野市によく見られるタイプ)。その他の地域ではカツレツに近いものが多い。
ソース
月星ソース(月星食品・足利市)、マドロスソース(半久食品・佐野市)、ミツハソース(早川食品・佐野市)など地元産を使用。店によってはそれらをブレンドしているようである[1]。
価格
1本40円から80円のものが多い。
販売形態
戦後まもなくから、当時佐野市を含む両毛地域において盛んな産業であった絹織物工場の女工相手に[2]、行商人が安価なジャガイモを食べやすく加工してリヤカーを引いて売り歩いたものが広まり現在に至る。しかし、このリヤカーを引いて売り歩く姿は1980年代以降は見られなくなった。
現在では、焼きそばなどと併売する小店舗での扱いが多く、その他は八百屋、精肉店、駄菓子屋、スーパーの惣菜売り場などでも扱っており、祭の露店でも見かける。佐野市においては、いもフライを扱う店が50軒ほどと非常に多く、いもフライをメインに扱う専門店がかなりある。足利市やその他両毛地域では、サイドメニューとしての位置付けである店が大半で、この違いが、佐野市とそれ以外の両毛地域での普及度合いにも表れている。今はなき足利競馬場の食堂で売られていたこともある。
足利市においてはポテト入りやきそばと並売しているケースが多い。焼きそばにいもフライのジャガイモを混ぜたのがポテト入りやきそばの起源とする説もあるが、大根めしのように戦後食糧難の時期に量を補う目的で混ぜられたとする説もある。このポテト入りやきそばは、佐野市ではほとんど見られない。 栃木県栃木市にはじゃがいも入りやきそば、あるいはいも入りやきそばと称して販売する店が数十店舗存在している。
脚注
参考文献
- 佐野市役所監修『佐野のさのまるましまし』 長崎出版、2013.9、ISBN 978-4-86095-573-1
関連項目
- フライドポテト
- あげいも
- じゃがべー
- さのまる - いもフライを身にまとったゆるキャラ。
- 石井琢朗:MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島の売店で、自身のプロデュースするいもフライが販売されている。