エドゥアルト・シュトラウス
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テンプレート:Infobox Musician テンプレート:Portal クラシック音楽 エドゥアルト・シュトラウス(Eduard Strauß, 1835年3月15日 - 1916年12月28日)は、オーストリアのウィーンで活躍した作曲家・指揮者・ハープ奏者である。ヨハン・シュトラウス1世の三男。ヨハン・シュトラウス2世とヨーゼフ・シュトラウスの弟にあたる。
経歴
- 1835年3月15日 誕生
- 1855年2月11日 兄ヨハンの楽団のハープ奏者として音楽家デビュー
- 1862年4月6日 指揮者としてデビュー(場所はウィンター・ガルテン)
- 1863年 マリア・クレンカールトと結婚
- 1872年 宮廷舞踏会音楽監督就任
- 1885年 初のイギリス演奏旅行
- 1890年 初のアメリカ演奏旅行
- 1895年 2度目のイギリス演奏旅行。ヴィクトリア女王御前演奏
- 1897年 財政破綻。理由は2人の息子と妻による浪費。
- 1900年 2度目のアメリカ演奏旅行
- 1900年12月12日 メトリポリタン歌劇場で慈善演奏会。この演奏会を持って引退表明。
- 1901年 76年続いた楽団を解散
- 1903年 姉アンナ74歳で死去
- 1906年 回顧録を出版
- 1907年10月22日 自作を含む一族の自筆譜(他の作曲家の編曲譜を含む)を焼却工場で焼却
- 1915年 姉テレーゼ84歳で死去
- 1916年12月28日 心臓麻痺が原因で死去。81歳(ウィーン中央墓地に埋葬)
シュトラウス一家では、兄のヨハンとヨーゼフにおされて陰に隠れがちであったが、兄の死後、シュトラウスの管弦楽団の指揮者をつとめる。しかし、ヨハンの死の2年後の1901年に楽団を解散させる。シュトラウス一家の末っ子として、長年陰で地味に支えさせられたことへの不満や、自身の名前を無断使用したオーケストラが出現したことなどが原因であったとされる。解散から1916年に没するまでは、20世紀へ父兄の残した作品を伝承する(その一方で多くの自筆譜を廃棄した)とともに、北米への旅行など長年の重圧から解放された自適な生活も送っていた。
また、作品は『テープは切られた』など、ポルカを中心にいくつか作曲したが、兄のヨハンとヨーゼフに比して、一般に評価は低い。一方で、オーケストラの統率力は、兄たちと比べ数段優れていたとされる。
孫のエドゥアルト・シュトラウス2世もウィンナ・ワルツの指揮者として活躍し、来日を果たしている。
彼は81歳の天寿を全うしたが、「独りぼっちになって長生きをしたって辛いものだ」と亡くなる間際になって呟いたという。
作品
作品番号は1から300まであるが、いくつかは作品がなく欠番である。
また作品番号がついていない作品もある。
ワルツ
- 素敵な感じ(Fesche Geister)Op.75
- ドクトリン・ワルツ(Doctrinen-Walzer)Op.79
- ミルテの小さな花束(Myrthen-Strausschen)Op.87
- 遊覧旅行(Lustfahrten)Op.177
- 火の粉(Feuerfunken)Op.185
- 発車の合図(Glockensignale)Op.198
ポルカ・フランセーズ
- 理想(Ideal)Op.1
- 行きと帰り(Tour und Retour)Op.125
- アルプスの薔薇(Alpenrose)Op.127
- 国から国へ(Vom land zu land)Op.140
- プラハへの挨拶(Gruss and Prag)Op.144
ポルカ・シュネル
- テープは切られた(Bahn frei) Op. 45
- 蒸気を立てろ!(Mit Dampf!)Op.70
- さあ、逃げろ!(Auf und davon!)Op.73
- 急行列車(Ohne Aufenthalt) Op. 112
- エンス川を下って(Unter der Enns)Op.121
- バーデンのお土産(Souvenir de Bade)Op.146
- 若人の情熱(Jugendfeuer)Op.210
- 粋に(Mit chic)Op.221
- 喜んで(Mit vergnugen)Op.228
- ブレーキかけずに(Ohne bremse)Op.238
- 負けるものか(Um die Wette)Op.241
- 速達郵便で(Mit Extrapost)Op.259
ポルカ
- 古きイギリスよ永遠に!(Old England for ever!)」Op.239
カドリーユ
- 美しきエレーネ・カドリーユ(Helenen-Quadrille) Op.14
- コスコレット・カドリーユ(Cascoletto-Quadrille) Op.15
- カルメン・カドリーユ(Carmen-Quadrille)Op.134
- ファティニッツァ・カドリーユ(Fatinitza-Quadrille)Op.136
- ボッカチオ・カドリーユ(Boccacio-Quadrille)Op.180
- 射撃のカドリーユ(長兄ヨハン、次兄ヨーゼフとの共作)