白老町
テンプレート:Infobox 白老町(しらおいちょう)は、北海道胆振総合振興局管内の白老郡に位置する町。登別市、苫小牧市に挟まれている。町名の由来は、アイヌ語の「シラウオイ」(アブの多い所)から。
地理
北海道胆振総合振興局管内の中部に位置する。 東は苫小牧市、西は登別市、北は伊達市・千歳市と接する。
海岸沿いに国道36号、JR北海道室蘭本線、道央自動車道が走る。 市街地も海岸沿いに形成されており、海岸線から離れた場所はほぼ原生林のままで、市街地の奥行きはない。
西から虎杖浜、竹浦、北吉原、萩野、石山、白老、社台、および白老の北方に森野の主に8地区がある。
- 山: ホロホロ山(1322.4m)、オロフレ山(1230.8m)、白老岳(968m)、加車山(897.5m)、多峰古峰山(661.1m)、北山(580.5m)、窟太郎山(534.3m)、瓦斯山(485m)
- 河川: 敷生川、白老川、社台川、別々川、アヨロ川、ポンアヨロ川
- 湖沼: 倶多楽湖、ポロト湖
- 滝: インクラの滝(日本の滝百選)、白老滝、社台滝
気候
亜寒帯湿潤気候(Dfb)である。 8月の平均気温は19.9度と夏は札幌などに比べて涼しい。1月の平均気温は-4.4度と冬は比較的温暖であるが、晴れる日が多いので札幌や小樽などに比べると冷え込み、1月の平均最低気温は-9.4度である。降水量は夏に多く、冬は積雪が少ない。
隣接している自治体
歴史
この地には日本人が入植するはるか以前から、アイヌコタン(アイヌの大集落)があった。 古文書にもいくつかのコタン名が記載されており、現在でもアイヌ人の血を引く人たちが多く住んでいる。
幕末の頃1856年(安政3年)、仙台藩がこの地に北方警備のため陣屋を建設した。 戊辰戦争勃発により仙台藩は撤退、その後明治政府により陣屋は解体され、代わりに開拓史出張所がおかれた。 戦前は単なる一寒村で産業にも乏しかった。 昭和40年代に、大昭和製紙(現・日本製紙)の工場を建てるために元々湿地帯であったこの土地を齊藤知一郎とその三男齊藤喜久蔵が測量し一番の高台に砂を運び入れ工場用地を造り工場を建てた。北吉原は大昭和の発祥の地、静岡吉原の地名を取り、それに北を付け現在の地名となっている。大昭和が進出したことで多少の人口増があったが、近年になり再び過疎が進みつつあり、夕張市に次ぐ財政赤字を抱え、財政管理団体転落目前。現在は白老ファームが在るのが有名。 なお、条例で町長による町議会解散が出来ない行政形態となっている。
- 1855年 仙台藩により仙台陣屋を設置(開基)
- 1869年 白老郡が設けられる
- 1919年 白老郡敷生村(しきふ)、白老村、社台村が合併、二級町村制、白老郡白老村
- 1924年 白老電気(1920年事業開始)[1]より電気事業を譲受し村営で電気事業を開始[2]。
- 1939年 字名番地改正により、森野、社台、白老、石山、萩野、竹浦、虎杖浜の7字となる
- 1954年 町制施行、白老町
- 1965年 萩野の字名が萩野、北吉原に分割される
- 大昭和製紙白老工場が全面操業開始
- 1975年 白老町民憲章が制定される
- 1983年 第1回白老牛肉まつりが開催される
- 1984年 アイヌ民族博物館新築落成
- 1995年 大昭和北海道野球部が休部となり、ヴィガしらおい野球部が結成される
- 1999年 ヴィガしらおいが解散となる
- 2000年 ポロトの森がオープン
- 2008年 全国初の自治体議会で通年議会を導入。
経済
産業
- 一次産業
- 農業はほとんど行われていない。漁業はそれほど盛んではないが漁協は2つある。
- 林業は国営の営林署はあるがそれ以上のものはない。しかし町の面積の9割は原生林。
- 畜産では、社台(しゃだい)地区に白老ファームという牧場があり、競走馬が放牧されている。白老ファームはサッカーボーイやステイゴールド、ゼンノロブロイをはじめとする数々の名馬を輩出した有名な牧場だが、千歳市や安平町にも生産牧場が存在する。詳細は社台グループ参照。
- 他地区では肉牛が飼われており、白老牛(しらおいぎゅう)というブランドで全国に肉を出荷している。北海道洞爺湖サミットのため来日したジョージ・W・ブッシュ米大統領に白老牛のリブステーキが提供されるなど知名度が向上している。他の場所で暫く飼育した後その土地のブランドで販売されたりもしている。
- 二次産業
- かつては竹浦・飛生(とびう)区に日鉄(現新日鐵住金)鉱山があり鉄鉱石運搬のための馬による軽便鉄道も敷設されていたが、いまは牧場があるのみでほとんど人の住まない地区になっている。
- 竹浦(たけうら)・虎杖浜(こじょうはま)地区に水産加工工場がいくつかある。
- 北吉原(きたよしはら)地区に日本製紙(旧・大昭和製紙)北海道工場白老事業所がある。この町では最大の工場。
- 石山(いしやま)地区には播磨化成の工場があるが小規模。また平成元年に石山工業団地を整備し工場を誘致している。
- また、同地区には昭和56年から白老港が建設されている。平成19年の貨物取扱量は約106万トンと北海道の地方港湾では最大の取扱量となっている。
- 白老地区に旭化成の工場がある。
- 三次産業
- 次項「観光」で述べる。
金融機関
農業・漁協
- とまこまい広域農業協同組合(JAとまこまい広域)白老支所
- いぶり中央漁業協同組合
郵便局
- 白老郵便局(集配局)
- 虎杖浜郵便局(集配局)
- 社台郵便局
- 萩野郵便局
- 竹浦郵便局
宅配便
観光
- 白老地区にポロトコタンとアイヌ民族博物館、また白老仙台藩陣屋跡(国の史跡)及び仙台藩白老元陣屋資料館がある。
- ポロトコタンはかつてアイヌの集落があった場所から移設され、新たに作られた施設である。ポロト湖畔温泉とあわせて観光施設となっている。また、イオル構想に伴い、町内に「中核イオル」が置かれることに決定しているので、アイヌ文化の伝承という面のほかに観光面でも期待されている。
- 虎杖浜地区に虎杖浜温泉があり、国道36号沿いに旅館・ホテルが存在する。また、町内には他にも広い範囲で温泉が湧出している。
公共機関
警察
- 苫小牧警察署白老交番
姉妹都市・提携都市
地域
人口
教育
- 中学校
- 白老、白翔
- 小学校
- 虎杖、白老、社台、竹浦、萩野、緑丘
交通
空港
鉄道
バス
かつては苫小牧経由・札幌直通の高速バスも存在したが、2005年に北海道中央バスが、2006年に道南バスが相次いで路線を廃止している。
タクシー
- 白老交通
道路
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
文化財
重要無形民俗文化財
- アイヌ古式舞踊 - 白老民族芸能保存会、アイヌ民族博物館
史跡
- 白老仙台藩陣屋跡 - 仙台藩白老元陣屋資料館
白老町文化財
- 社台1遺跡出土の朱塗り土器 - 白老コミュニティセンター蔵
- アヨロ遺跡出土の装身具等 - 白老コミュニティセンター蔵
- ルウンペ - アイヌ民族博物館蔵
- 白老八幡神社社宝5点 - 白老八幡神社蔵
- アイヌ生活用具コレクション(児玉コレクション) - アイヌ民族博物館蔵
- 虎杖浜越後盆踊り - 白老町虎杖浜越後盆踊り保存会
- 白老町伝統文化継承者 - 19名
名所・旧跡・観光
祭事・催事
- 白老牛肉祭り(6月)
- 元気まちしらおい港まつり(8月)
- クッタラ湖灯籠流し(8月)
- しらおいチェプ祭(9月)
- 白老八幡神社例大祭(9月)
名産
- 白老牛
- 毛蟹
- たらこ
- アイヌ民芸品(木彫り等)
- 白老バーガー&ベーグル
- 白老シーフードカレー
出身の有名人
- 太田崇 - 世界ハーフマラソン日本代表
- 小野卓爾 - サッカー選手、指導者、日本サッカー殿堂
- 高梨利洋 - 元プロ野球選手(ヤクルト)
- 野村義一 - 元北海道ウタリ協会理事長、アイヌ民族運動家、白老町議会議員
- 渡部龍一 - プロ野球選手(日本ハム)
- 山本宏美 - スピードスケート選手(リレハンメル五輪銅メダリスト)
- 森竹竹市 - 詩人、アイヌ三大歌人の一人
- VOICE (別所芳彦、別所秀彦)- 双子歌手ユニット
- 石原可奈子 - ミュージシャン
- ミトカツユキ - シンガーソングライターミトカツユキ
脚注
- ↑ 『電気事業要覧. 第16回』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ↑ 『電気事業要覧. 第17回』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)