天塩駅
天塩駅(てしおえき)は、北海道天塩郡天塩町にあった日本国有鉄道羽幌線の駅(廃駅)である。電報略号はテシ。羽幌線の廃線に伴い1987年(昭和62年)3月30日に廃駅となった。
1986年(昭和61年)10月まで運行されていた急行「はぼろ」の停車駅であった。
駅構造
廃止時点で、単式ホーム・島式ホーム(片面使用)複合型2面2線を有する地上駅で、列車交換可能な交換駅であった[1]。互いのホームは駅舎側ホーム中央と島式ホーム南側を結んだ構内踏切で連絡した[1]。駅舎側(西側)が下りの1番線、上屋が設置された[2]島式ホーム(東側)が上りの2番線となっていた。島式ホームの外側1線が側線として残っており、そのほか1番線の幌延方から分岐し駅舎北側の切欠き部分の貨物ホームへの貨物側線を1線有していた[1]。
職員配置駅となっており、駅舎はモダンな鉄筋造り[1]で構内の西側に位置し、単式ホーム中央部に接していた。
駅名の由来
天塩町の中心街の最寄駅であることから、所在地町名がその由来である。
なお、町名の由来は町内に河口がある天塩川の川名からであり、川名の「てしお」は、アイヌ語の「テシ・オ・ペッ」(簗がある川)に由来する。
利用状況
- 1981年度(昭和56年度)の1日乗降客数は405人[1]。
駅周辺
歴史
- 1935年(昭和10年)6月30日 - 国有鉄道天塩線幌延駅 - 当駅間開通に伴い開業。一般駅。
- 1936年(昭和11年)10月23日 - 当駅 - 遠別駅間延伸開通に伴い中間駅となる。
- 1958年(昭和33年)10月18日 - 天塩線を羽幌線に編入して羽幌線が全通、それに伴い同線の駅となる。
- 1963年(昭和38年) - 駅舎改築。
- 1983年(昭和58年)4月1日 - 貨物取扱い廃止。
- 1984年(昭和59年)2月1日 - 荷物取扱い廃止。
- 1987年(昭和62年)3月30日 - 羽幌線の廃線に伴い廃止となる。
駅跡
駅は国道232号天塩バイパス沿いの町立国保病院南西端にある同バイパスの交差点に所在していた。駅付近の線路跡は、同バイパスへの転用の際に整地されてしまったため、駅跡における駅の遺構は皆無であるが、かつて「駅前」食堂だった飲食店の入口に駅名標が展示してある[3]。また、かつての駅前通りである北海道道484号天塩港線沿いには、天塩町農業協同組合や、天塩川歴史資料館(旧天塩町庁舎)、天塩郵便局が軒を連ねており、道道の東の先にかつて駅があったことを偲ばせている。
なお、沿岸バス天塩バス停は天塩川歴史資料館の隣地にあり、駅跡南方200mほどの同バイパス沿いに道の駅てしおが所在している。