記念印
記念印(きねんいん)とは、消印のうち記念のために押印される特別通信日付印(とくべつつうしんにっぷいん)のことをさす。
概要
日本では記念印として、特印(特殊通信日付印)、小型印(小型記念通信日付印)、風景印(風景入通信日付印)、初日印(初日用通信日付印)の4種類が存在する。いずれも正規の消印であり郵便局名と日付が表記される。 また、通常の消印と異なり押印をしてもらうためには、郵便局郵便窓口等で希望をする必要がある。
特印
特印(とくいん)・特殊通信日付印(とくしゅつうしんにっぷいん)は、記念・特殊切手の発行時や全国的な記念行事などの際に使用される消印である。直径36mmの消印で、鳶色のインクで押印される。 特印には、機械印(記念押印機用印)と手押し印(手押用印)の2種類がある。 1902年6月20日の万国郵便連合加盟二十五年祝典記念絵葉書発行の際に使用開始となり、1995年3月3日の日本ブラジル修好100年記念切手発行時より機械印の使用が開始された。
機械印
機械印(記念押印機用印)は、記念・特殊切手発売日の9時から19時の間に使用される。使用局・支店は、次の通り。
使用郵便局
札幌中央郵便局、仙台中央郵便局、横浜中央郵便局、東京中央郵便局、日本橋郵便局、長野中央郵便局、名古屋中央郵便局、大阪中央郵便局、大阪北郵便局、岡山中央郵便局、福岡中央郵便局と記念・特殊切手発表時に指定された郵便局
なお、東京中央郵便局は再開発に伴い京橋郵便局内の東京中央郵便局記念押印特設会場にて、名古屋中央郵便局は名古屋中央郵便局名古屋駅前分室にて押印が行われる。
手押し印
手押し印(手押用印)は、記念・特殊切手発行日から1週間、各局郵便窓口・ゆうゆう窓口の開設時間の間に使用される。定例局と記念・特殊切手発表時に指定された郵便局にて押印が行われる。
小型印
小型印(こがたいん)・小型記念通信日付印(こがたきねんつうしんにっぷいん)は、市町村イベントや展覧会等、地域の記念行事などの際に使用される消印である。直径32mmの消印で、鳶色のインクで押印される。風景印と異なり、使用期間が限定されている。 1934年5月22日の徳島県小松島築港竣工記念の際に「図案文字入通信日付印」として使用されたのが小型印の起源であり、1951年6月1日に「小型記念通信日付印」と改称された。
風景印
風景印の稿を参照。
初日印
初日印(しょにちいん)・初日用通信日付印(しょにちようつうしんにっぷいん)は、切手・はがきの発行日に使用される消印である。印影に鳩のマークが入っていることから、「ハト印」とも称される。 和文ハト印、欧文ハト印、機械ハト印、絵入ハト印が存在し、うち、絵入ハト印は、年賀切手、シリーズ切手、グリーティング切手発売時のみ使用される。 また、和文・欧文・機械ハト印は9時から12時まで、絵入ハト印は各局郵便窓口・ゆうゆう窓口の開設時間の間に使用される。 1965年9月21日の第9回国際原子力機関総会切手発行の際に使用開始となった。
使用局
初日印は、定例局および切手発表時に指定された郵便局で押印が行われる。 また、機械ハト印を使用する郵便局では欧文ハト印の押印を行わず、欧文ハト印を使用する郵便局では機械ハト印の押印を行わない。
関連項目
関連図書
- 貴志俊彦『満洲国のビジュアル・メディア――ポスター・絵はがき・切手』吉川弘文館、2010