影牢 〜刻命館 真章〜

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テンプレート:Infobox影牢 ~刻命館 真章~』は、1998年テクモから発売されたPlayStationアクションゲーム。「刻命館シリーズ」の2作目にあたる。2008年12月24日よりゲームアーカイブスで配信された。

概要

一人称視点の3Dアクション形式で、主人公自身は攻撃手段を持たない代わりに部屋にトラップを仕掛け、それに侵入者たちをおびき寄せて倒すという従来のシステムを採用している。前作『刻命館』がシミュレーションゲーム的な要素の強い作品であったのに対して、本作はコンボなどを導入することによって、アクションゲーム的色彩が強くなっている。本作品にはマルチエンディングが採用されており、選択肢や行動によってエンディングが変化する。

前作の舞台背景を一部踏襲しつつもより細かく練り上げられたストーリーと一部エンディングでの衝撃的な結末、そして本作より後のシリーズに引き継がれる事となるトラップコンボシステムが人気を博し、売り上げ本数は同シリーズ中最大の約20万本となった[1]

システム

主人公の攻撃手段はトラップのみである。直接攻撃は一切行なえないため、罠が起動できない状態で敵と相対してしまった場合は逃げるしかない(ただし全ての敵キャラよりも移動速度がはるかに速く設定されているため、まず逃げ切れる)。 一回のミッションで装備できるトラップは床・壁・天井それぞれ3つずつ、合計9つである。トラップにはチャージ時間があり、これが貯まらない限り、トラップを発動させることはできない。トラップには相互に作用するもの(例えば、メガロックを落としてアタックウォールで押す等)や効果時間もあり、これを利用することで下記のコンボにつなぐことができる。

種類

天井設置トラップ
天井に設置し、起動すると上からトラップが落下してくる。メガロック(巨大岩)のように凄まじい破壊力を持つものと、ガスやカビンなどの攻撃補助的なものがメイン。また、お笑い系トラップとしてタライとオオタライがある。
壁設置トラップ
壁に設置するトラップ。アタックウォールやマグネットなど強制移動効果のあるトラップと、アロースリットのように投擲武器が飛び出すものがある。
床設置型トラップ
床に設置・起動させる。マグネットフロアなど強制移動効果のあるトラップと、ベアトラップ(トラバサミ)に代表される拘束型、ダメージと強制移動を行うマイン(地雷)系とがある。
隠しトラップ
エンディングを見ることで合計6種の隠しトラップを開発できるようになる。他のトラップに比べ性能が高めに設定されている。
その他
また、倒せる柱や電気椅子、巨大ペンデュラムなどの地形トラップもある。地形トラップは各部屋に固定設置されており、自分で自由に設置・作動することはできず、開発することもできない。

トラップの開発

トラップ開発はツリー形式で行われる。すなわち、上位のトラップを開発するには、必ず下位のトラップ(一つもしくは二つ)を開発していなければならない。また、開発にはArkと呼ばれるポイントを消費する。

コンボ

一定時間内にトラップを連続してヒットさせることで、コンボが成立する(本作では対象の体力が尽きない限り)。最大10Hitコンボまでつなげられる。これにより罠がヒットするごとにArkを多く得ることができる。ただし、コンボ成立中に、一度コンボに組み込んだ罠を再度ヒットさせた場合は、ヒット時にコンボ数は増えるがARKは獲得できない。

ストーリー

そこは刻人(トキビト)と呼ばれる、人間に似た種族に統治された平和な国。
刻人は不老不死であり長年で得た知識と技術を人間達に分け与え、それまで戦乱と紛争に明け暮れていた人々は刻人の知恵と能力を崇め畏怖した。人間達は彼らを支配者として迎え入れ、こうして長年続いた無秩序な争いも終わり刻人が国を治める平和な時代が続く事となった。ただその影では絶えず人々が原因不明の失踪を遂げる「神隠し」と言う現象も続いていた……。
深い西の森の中に隠れるように建つ洋館。
19歳を迎えたミレニアは刻人である養母ヨカルによって、この館に呼び出された。ヨカルがミレニアに命じた使命、それは人間たちを館に引き込みその命を奪う「人間狩り」を行うことであった。ヨカルに育て上げられ彼女を依り代とする無垢な少女はその命に従順に頷いたのであったが……。

主な登場人物

ミレニア
(※名前の変更可。アスタルテまたはユリアスとつけると序盤から特典がつく)
主人公。19歳。 養母ヨカルによって人間狩りの使命を受けた少女。彼女は人間であるが、幼いころに神隠しに遭い(実は刻人による誘拐)、ヨカルに育てられる。神隠しに遭う以前の記憶は皆無。ゲーム中は全くと言って良いほど喋らず、感情を顕にすることも無い。ただし、質問に対しては自分の言葉で返答しており、洗脳されていても自我を失っているわけではない。
なお、パーフェクトジェノサイド(全員殺害)を達成すると、前作の『刻命館』登場キャラクターであるアスタルテを彷彿とさせる後日談をエンディングにて観る事が出来る(このエンディングをセーブし、二周目よりL,R 同時押しスタートで刻人化ミレニアでのプレイも可能になる)。
ヨカル
刻人。ミレニアの育ての親であり、この国の神官。さらにマリオネットプロジェクトの発案者兼責任者。プロフィール画面からは嘗て国王エクリプスと恋愛関係にあった事も伺える。こうした立場から人間に対しては何の感情も抱いてはいないはずだったが、自分が育て上げたミレニアに対してだけは例外だったようである。ヨカルをラスボスとする分岐では、彼女のミレニアに対する秘めた想いと懺悔をエンディングにて観る事が出来る。
エクリプス
刻人であり、この国を約800年支配している国王[2]。王らしい威厳と穏やかな風貌を併せ持つが、自身も戦闘力に於いて将軍クラスを遥かに凌ぐ実力を隠し持つ。レッドブラッドの人間達にとっては悪と言える存在であるが、彼をラスボスとする分岐に於いて聞ける今際の際の台詞からエクリプス自身も独自の正義感と信念から国を想い行動していたことが伺える。
ダスク
刻人であり、この国の大臣。小心者で国王のイエスマン。
ヴォーグス
刻人。マリオネットプロジェクトを提唱するヨカルにライバル心と計画への疑念を抱き、自らも刻(トキ)の人形を創り出しヨカルの実験対象であるミレニアと対峙した。その際選択肢によってはミレニアにプロジェクトとヨカルの真相を暴露する。
オメガ
刻の神兵(始祖のクローン)。刻人達の祖先である始祖からクローン培養された者たちのリーダー格。仲間のシグマ、ラムダ、シータをミレニアに倒され自らの根城である地下遺跡で決戦を挑む。最後はミレニアの闘い振りに人間の成長を感じ、刻人の終焉を暗示しながら息絶える。
キース
人間。ゲリラ組織レッドブラッドのリーダー。部隊の指揮と刻人への絶滅作戦を起こす。幼い頃起こった両親と妹の神隠しを調べていく内に刻人が影で行っている人間狩りの真相に気付いたことから、半ば個人的な復讐の意味も込めてレッドブラッドを組織し刻人の完全絶滅を目指した。実はミレニアの実兄であり、あるエンディング分岐でのみミレニアと兄妹共に生き残り彼方に落ち延びるのだが・・・。公式でも多くは語られていないこのエンディングでの後日談は、パーフェクトジェノサイドと並び各プレイヤーに波紋を呼んだ結末となっている。
レオパルド
人間。キースの部下。ロンバルドと言う兄がいる。分岐によっては彼が語り部となるエンディングが観られる。
ガイゼル
人間。キースの仲間でレッドブラッドのナンバー2的な存在の武闘派将軍。シナリオ分岐によっては彼が一時的にレッドブラッドを指揮する。キースに心酔しており、今際の際にもキースと共に行動した己の生き様に悔いは無いと叫びつつ絶命した。
デッドムーン
人間の中でも大きな権力を持つ人物。国王・エクリプスにも謁見出来る立場であるが、裏では刻人抹殺を目論むレッドブラッドとも関わりを持つ。彼の野望は刻人から権力だけでなく永遠の命の秘術も奪い、自らのものとすることであった。分岐により言動行動の変化はあるが、いずれも策に溺れ最後はミレニアの手によって倒された。
マティア
人間。デッドムーンの腹心である冷酷無比な女性暗殺者。少女時代奴隷商人から救い出してくれたデッドムーンにのみ絶対の忠誠を誓う。
ホーンシュタイン
人間。様々なことをして得た金を元手に国王へ熱心に献金している。子供がいないため身よりのない子を引き取って養育している。
魔神
前作『刻命館』にも登場。遥か昔に古の勇者たちによって西の森の館奥深くに封印されており、復活の機会を狙っている。パーフェクトジェノサイド(全員殺害)成功時のエンディング分岐にのみ現れる。この封印されている魔神との会話により不老不死である刻人の秘術と何故刻人が産み出されたかの謎、そして刻人の生命維持だけに留まらない「人間狩り」の真の目的が全て明らかとなる。
なお人間を滅ぼす事を行動目的とする魔神は人間界に於いて前作同様敵対する「悪」と捉えられるが、本作ではこの世界を憂う自然界の論理と意思によって魔神は産み出され今も復活を望まれている存在である事が最後の会話より明らかになる。エンディングでも魔神は前作の設定を踏襲しつつも、単に破滅を齎すだけの典型的なステレオタイプの悪役としては描かれてはいない。寧ろ我々人間側が呼称する「悪」の定義の矛盾さを突き、真の悪とは一体何であろうか?と各プレイヤーに問いかける深い余韻を含んだ結末となっている。

ステージ

主人公が戦うことになるマップは3つある。それぞれ部屋の大きさや仕掛けの種類が異なるので、注意が必要である。

西の森の館
序盤のマップ。もっとも狭く地形トラップもやや少ないため手持ちのトラップと地形をいかに組み合わせるかがポイントとなる。なお、展開次第では最終バトルもここで行うことになる。
王宮
中盤のマップ。イベントで爆弾が仕掛けられてしまうため、注意しなければ一瞬でゲームオーバーになることもある。マップはかなり広く、大掛かりな仕掛けも多い。そのため、上手くコンボを仕掛ければ大量のArkを得ることも可能。
地下遺跡
後半のマップ。ここでもイベントで爆弾が仕掛けられるが、ゲームオーバーになる局面は少ない。他方、エンディングの分岐点は多い。最も広いマップで、地形トラップも豊富だが、敵も手ごわくなっている。

用語解説

刻人(トキビト)
人間によく似た種族。人間との相違点としては肌と血の色が青いことと病気や老いといった内的要因によっては死ぬことがないことである(事故や暗殺などの外的要因での死はある)。元々は人間と同じ種族であったが、ある秘法によって、不老不死の存在となった。この秘法は常に人間の命を必要とするため、「神隠し」によって人間を誘拐し、殺害してきた。この国では人間たちに文化・文明を伝え、現在においても指導的な立場であると同時に、内心人間たちを見下していた。しかし、デッドムーン一味の暗躍やレッドブラッドの活動に危機感を募らせてもいる。
エクリプスの言葉によれば刻人は自ら子孫を残すことができない。しかし物語中で刻人の始祖と呼ばれる人物の存在やそのクローン体たちが確認されており、かつては仲間を増やす方法があったとも考えられる。
マリオネットプロジェクト
ヨカルによって提唱・実行された、刻人に忠実な兵士を作る計画。人間を幼児のころに誘拐し、刻人への絶対的忠誠と「使命」を注入する一方で、戦闘手段をトラップのみとすることで決して刻人に刃向かうことができないようにされる。本作では主人公ミレニアが試験的に対象とされていた。
始祖
中盤より出現する刻人達の祖先と言える存在。エクリプスの言葉から彼らも自然交配では仲間を増やせず、現在生存している者達は始祖のクローンである事が語られている。地下遺跡を根城に僅かな数が残るのみだが、ワープや一部トラップの無効化等並みの人間とは一線を画した特殊能力を持つ。クローンとは言え、国王エクリプスと対等に話すなど他の刻人とは異なる存在であった様である。
刻(トキ)の人形
人間を洗脳し利用するヨカルのマリオネットプロジェクトに疑念を抱いていた刻人ヴォーグスが創りだした生体兵器。パワードスーツの様な強化装甲に覆われており、攻撃力・防御力共非常に高い。「人形」と呼ばれているものの中身は生体改造された生身の人間達であり、今際の際の台詞からヴォーグスに操られつつも人としての自我は僅かに残っていたと思われる。
神隠しと人間狩り
刻人は永遠の生命を保つために人間の魂(命)を必要としていた。そのため、隠密裏に人間を誘拐・殺害してきた。この一連の行動が、人間側からは神隠し、刻人側からは人間狩りと呼ばれた。なお、ゲーム中では、人間側の動向が不穏なものとなってきたため、国王は「神隠し」による人間狩りを中止し、刻人に反抗的な人間や噂につられた者をミレニアに「狩らせる」ことで人間狩りを進めていた。
レッドブラッド
キースによって組織されたゲリラ組織。人間の刻人からの解放と刻人の絶滅を目的とする。名前も刻人の青い血に対抗して人間の証である赤い血を対置したことから名づけられたと思われる。キースの人徳や主張に惹かれた、多種多様な人物がいる。
Ark
トラップを開発するのに必要なポイント。強力なトラップほど大量のArkを必要とする。コンボをつなげたり、トラップを複合させたテクニカルヒットボーナスを得ることでより多く蓄積できる。

携帯電話アプリ版

テクモの携帯電話用ゲームサイト「テクモのゲーム」にて、『Destiny 1』『Destiny 2』の2本がi-modeVodafoneEZweb向けに配信。ゲームシステムはクォータービューのターン制シミュレーションゲームにアレンジされ、よりパズル色が強くなっている一方、ストーリー性は殆ど無く、犠牲者の断末魔によって断片的に語られるのみである。

脚注

注釈

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出典

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外部リンク

テンプレート:刻命館
  1. ファミ通No1001p54
  2. 影牢 〜刻命館 真章〜公式サイト・キャラクター紹介