銭函駅
銭函駅(ぜにばこえき)は北海道小樽市銭函2丁目2にある、北海道旅客鉄道(JR北海道)函館本線の駅である。駅番号はS11。電報略号はセニ。駅名からの縁起の良さから入場券が人気を集め、10月17日の「貯蓄の日」には記念入場券が販売されていた。地元の人は「ゼニエキ」と呼ぶこともある。
駅構造
相対式2面2線のホームを持つ。ホームの移動は跨線橋で行う。出口は北側。駅舎側(北側)が3番線で札幌方面の列車が、向かいは1番線で小樽方面の列車が利用する。中央の2番線にはホームがない。2番線は、ほしみ駅発着の列車が折り返すために使用する。札幌方面発ほしみ行の列車は、銭函駅の2番線まで回送し、折り返しほしみ駅まで回送のうえ、ほしみ発札幌方面行として運行する。なお、ほしみ駅が開業する前には星置駅発着として設定されていた。区間快速「いしかりライナー」は停車するが、快速「エアポート」(一部を除く)と快速「ニセコライナー」は停車しない。
1931年(昭和6年)12月に建て替えられた木造2階建ての駅舎が使用されている[1]。社員配置駅。みどりの窓口(営業時間5時30分 - 0時10分)・自動券売機・自動改札機・キヨスク設置。
1970年頃に駅員が手作りした「銭函」が飾られている。縦58 cm、横140 cm、奥行き46 cmあり、かつてはホームの屋根から吊るされていたが、危険であると判断されて2010年6月に降ろされてホームの脇に飾られるようになった[1]。
1 | ■函館本線(上り) | 小樽・倶知安方面 |
---|---|---|
3 | ■函館本線(下り) | 手稲・札幌・岩見沢・新千歳空港方面 |
駅周辺
銭函は石狩平野の北西端に位置し、石狩湾の砂浜が途切れる位置にある。銭函駅は海岸近くの平地にあり、駅の南に続く山裾に市街地が広がる。駅のすぐ西に銭函川とその河口がある。駅の東には流路変更以前の星置川の名残りの川が流れる。明治時代のはじめには、札幌に海から至る交通上の要地であり、その後も小樽と札幌を結ぶ中継点として栄えた。
現在の町の規模は札幌や小樽と比肩できないが、それでも海岸から山の裾野まで市街地になっている。駅前に商店街があり、国道5号沿いにも商店が多く、工場もいくつかある。駅から東1.5キロメートルに北海道職業能力開発大学校がある。駅から西2キロメートルに北海道薬科大学があり、北海道中央バスが連絡している。
銭函海水浴場の最寄駅であり、夏には海水浴に訪れる人々で賑わう。
- 豊足神社(江戸時代創建)
- 国道5号(約650m)
- 札樽自動車道銭函インターチェンジ
- 小樽市役所銭函サービスセンター
- 小樽警察署銭函交番
- 銭函郵便局
- 小樽信用金庫銭函支店
- 小樽カントリー倶楽部
- ジェイ・アール北海道バス・北海道中央バス「銭函」停留所(国道5号線沿い)
バス路線
- 北海道中央バス
- 銭函・桂岡線 銭函浄水場行(桂岡・薬大前経由)
- 銭函・桂岡線 銭函3丁目・銭函パークゴルフ場行
利用状況
小樽市統計書によると2011年度の1日平均の乗車人員は約2,555人だが、運行本数は乗車人員が半数未満(北海道旅客鉄道による)のほしみ駅・稲穂駅より少ない。
歴史
北海道で最初の鉄道として手宮駅 - 札幌駅間が開通した際に、これに合わせて開業した、北海道で最初の駅の1つである。他の多くの途中駅が乗降客がいるときだけ列車を止める簡易駅(フラッグストップ)であったのに対して、銭函駅は当初から正式な駅であった。駅名の由来は、ニシン漁で栄えた地区で当時はどの漁師の家にも銭箱が積まれていたから、とする説がある[1]。
開業した当初から、西辻甚太郎という人物が「酒まんぢう」を駅で立ち売りしていた。これは北海道で最初の立ち売りであるとされており、今もキヨスクで販売されている[1]。
- 1880年(明治13年)
- 1889年(明治22年)12月11日 - 北海道炭礦鉄道に譲渡。
- 1891年(明治24年)下期 - 停車場移転(札幌側に約100m移転)[2]。
- 1893年(明治26年)3月21日 - 改キロ。(明治24年の停車場移転による)
- 1894年(明治27年)9月10日 - 駅舎焼失。
- 1895年(明治28年)下期 - 転車台設置。
- 1906年(明治39年)10月1日 - 北海道炭礦鉄道の鉄道路線国有化により、国有鉄道に移管。
- 1931年(昭和6年)12月 - 現行駅舎に建て替え[1]。
- 1978年(昭和53年)10月2日 - 貨物取扱い廃止。
- 1984年(昭和59年)2月1日 - 荷物取扱い廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR北海道に継承。
- 1999年(平成11年)3月1日 - 自動改札機導入。
- 2008年(平成20年)10月25日 - ICカードKitaca使用開始。
- 2010年(平成22年)6月 - 屋根から吊り下げられていた銭函が降ろされる[1]。
隣の駅
- 北海道旅客鉄道
- ■函館本線
かつては朝里駅との間に張碓駅があったが、1998年(平成10年)7月1日に通年休止、2006年(平成18年)3月18日に廃止された。
駅弁
正確には駅弁ではないが、銭函駅構内で販売された「酒まんじゅう」が北海道における駅弁のルーツとも言われている。「酒まんじゅう」は戦後、販売中止となるが、1998年に復活した。2007年には期間限定で駅弁「銭函」が販売された。