ガーゴイル
ガーゴイル(テンプレート:Lang-en-short)は、怪物などをかたどった彫刻であり、雨樋の機能をもつ。彫刻のない雨樋はガーゴイルとは呼ばない。また、雨樋のうち彫刻のない部分もガーゴイルといわない。
中国語では石像鬼、イタリア語ではドッチオーネ(doccione)、ドイツ語ではアウスグス(Ausguss)、ヴァッサーシュパイアー(Wasserspeier)とも呼ばれる。
語源
本来の意味である彫刻としてのガーゴイルは主として西洋建築の屋根に設置され、雨樋から流れてくる水の排出口としての機能を持つ。
ガーゴイルの語源は、ラテン語で水が流れるときのゴボゴボというような音を表す gar である。
同じまたラテン語で水が流れるときのゴボゴボというような音を表す garを語源ともつ言葉として英語の gargling(うがい)、フランス語の gargouilleがある。
歴史
ガーゴイルは雨どいである。そして、芸術であるとともに、宗教的意味合いが強い。例えば古代エジプトでは寺院の平らな屋根の上にガーゴイルがあり、その吐き出す水で聖杯などを洗っていた。
また、古代ギリシャの神殿では、屋根の突出部についた大理石でできたライオンの口やテラコッタ(赤土の素焼き)でできた貝殻から水が流れ出るようになっていた。さらにポンペイで発見された数多くのテラコッタ(赤土の素焼き)のガーゴイルは、さまざまな動物をかたどったものだった
怪物の姿をしたガーゴイルの多くは中世以降に登場するが、悪魔・怪物・架空の動物などグロテスクなものから、普通の人間や動物も使われ、その形態は幅広い。
近年
バルセロナのサグラダ・ファミリアではアントニ・ガウディが、ヘビやトカゲの形態のガーゴイルを残している。
スイスの建築家ル・コルビジェはロンシャンの礼拝堂で、ガーゴイルを取り入れている。
フィクション作品に登場するガーゴイル
小説などではその不気味な姿から「石像であるガーゴイルが意志を持って動き出し人間を襲う」といった風に描かれることが多く、怪物以外にも鳥やライオンなどといったものも登場している。
現代ではテリー・プラチェットの書いた「ディスクワールド」シリーズなどのファンタジー小説やディズニーのアニメ、ファンタジー世界を舞台とする多数のコンピュータRPG・テーブルトークRPGなどにも登場している。
ことゲーム上で「敵」として描かれる場合には、「侵入者を防ぐためだけに存在し、老化もせず食事も摂らない」や「石でできている肌を持つため打撃や斬撃などの攻撃も通用しないか、かなり効果が制限される」などのイメージもファンタジーRPG作品を中心に定着している。
一方、ディズニー制作の『ガーゴイルズ』では古代から中世の世界においては世界中に存在していた超人的な存在として、また現代によみがえったガーゴイルの主人公とその娘をヒーローとして描く一方、主人公の元妻の邪悪なガーゴイルが人類の滅亡を目指し対立する。日光を浴びると石化してしまうため、夜だけ活動しているという設定だが、コミック版では変身状態では石化しないなど設定が異なる。ロボットアニメに登場することは少ないが、『ゾイド』ではロードゲイルのモチーフとなっている。 ディズニーアニメのノートルダムの鐘では、コミカルなガーゴイルが登場する。
星護監督作品には、ガーゴイル像がよく登場する。最初に使用した『放課後』から始まり以後『ヘルプ!』や『じゃじゃ馬ならし』、『世にも奇妙な物語 映画の特別編「チェス」』などでも多く使用されるなど、星護演出の定番となっている。
出典
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