シャンパーニュ
シャンパーニュ(Champagne)は、フランスの地方で、フランスの北東部、パリ盆地の東部に位置する。発泡ワイン(スパークリング・ワイン)の代名詞ともいえるシャンパン(Champagne)の産地として知られ、この地方の中心的都市であるランスを中心としたモンターニュ・ドゥ・ランス、ヴァレ・ドゥ・ラ・マルヌ及びコート・デ・ブランと呼ばれる3つの地域で特に良質のものが造られている。
シャンパーニュは、かつては州の1つであったが、現在はシャンパーニュ=アルデンヌ地域圏(Champagne-Ardenne)の一部である。
シャンパーニュでは、シャンパンの他にコトー・シャンプノワ(Coteaux Champenois)やロゼ・ドゥ・リセ(Rosé de Riceys)といった非発泡性のワインも、少ないながら生産されている。
シャンパーニュという呼称、または地名は他にも存在し、例えばスイスのシャンパーニュやブランデーのシャンパーニュなどがある。シャンパーニュ・アルデンヌ地方はパリから高速鉄道TGV線に乗って45分(シャルル・ド・ゴール空港からは30分)で辿り着く。
マルヌ県、オーブ県にまたがって続くシャンパン街道沿いには、ブドウ畑が広がる村が点在し、ランスやエペルネーには有名なシャンパンメーカーが軒を連ねる。
10月には地方の伝統を今に受け継ぐブドウ収穫祭、1月にはサン・ヴァンサン祭(ワイン作りの守護聖人、聖ヴァンサンの祭り。エペルネーが発祥とされ、ブドウ栽培者が集まりその年の豊作と安全を願う)も開催される。ヴェルズネ村(Verzenay)にあるブドウ畑博物館(Musee de la Vigne)を訪れれば、“シャンパーニュ”の呼称が許されたブドウ畑を見学することができる。アイ(Ay)にあるヴィラ・ビサンジェ(Villa Bissinger:国際シャンパーニュ・ワイン研究所)では、名シェフの解説と共にシャンパーニュ地方のワインを楽しみ、試飲することができる。
シャンパーニュ・アルデンヌ地方は、この地に備わる天然資源や、その中で生まれ、受け継がれてきた伝統工芸、職人たちの存在に常に重きを置いてきた地方でもある。17世紀からガラス製造が発達した町として知られる小さなバイエル村(Bayel)には老舗のクリスタル・メーカー、クリスタルリー・ロワイヤル・ド・シャンパーニュ(Cristalleries Royales de Champagne)があり、国内でも有数の吹きガラスメーカーとして知られている。一方、オルジュ村(Orges)にあるムーラン・ド・ラ・フルーリストゥリ(Fleuristerie)ではフラワー・アレンジメントによる美しい装飾がある。また、ランスやトロワ、周辺の村々はステンドグラスや有名なガラス職人の存在で知られている。