園田駅
テンプレート:ルビは、兵庫県尼崎市東園田町にある、阪急電鉄神戸本線の駅。
駅構造
各方向ごとの列車の待避が可能な島式ホーム2面4線と、上り待避線外側にある単式ホーム1面の計3面4線を有する高架駅である。通常は島式ホームのみを使用しており、単式のホームは主に園田競馬の開催時などに使用されていた降車専用の「臨時ホーム」とされている(番号は割り振られていない)。
梅田側の本線上には渡り線が設置されており、当駅で三宮方面に折り返す列車は上り本線上で入換をし、下り線ホームに転線する。また、その先の本線南側には留置線(電留線)があるが、レールが錆びているため、長年にわたって使用されていないとみられる。かつてはさらに数本の留置線があった。
改札とコンコースは2階、ホームは3階にあり、改札口は2階の1か所のみ。エレベーターと上り専用のエスカレーターが各方面ホーム毎に1機ずつ設置されているが、エレベーターについては利用に制限がある(詳しくは後述)。
兵庫県内で最も東に位置する鉄道駅である。
のりば
号線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1・2 | テンプレート:Color神戸本線 | 下り | 神戸三宮・西宮北口・新開地・宝塚方面 |
3・4 | 上り | 大阪(梅田)・十三・京都・北千里・箕面方面 |
内側2線(2号線と3号線)が主本線、外側2線(1号線と4号線)が待避線であり、平日・休日ともにほとんどの列車は主本線の2号線と3号線に入線する。待避線の1号線と4号線は、平日のラッシュ時(特に朝)に優等列車の通過待ちを行う列車のみが使用する。
4号線の反対側には、単式の臨時降車ホームが設置されており(線路は4号線と共有)、かつては園田競馬開催時に降車用ホームとして使われていたが、現在ではホームへ上る階段の前に待合室が設置されたため、ホームは実質的に廃止状態である。
また、1号線は両方向に出発信号機があり、梅田方面への折り返し運転も可能である。ただし通常のダイヤでは、三宮方面を含め当駅で折り返す列車は設定されていない。
利用状況
2012年の平日1日平均乗降人員は34,263人(乗車人員:17,303人、降車人員:16,960人)である[1]。
当駅の土休日1日平均乗降人員は、上記の値よりも約15,000人程度多い。特に、園田競馬開催日は混雑する。
近年の1日平均乗車・乗降人員数は下表のとおり。
年次 | 1日平均乗降人員 | 1日平均乗車人員 | 出典 | ||
---|---|---|---|---|---|
平日+土休日 | 平日限定 | 平日+土休日 | 平日限定 | ||
2000年(平成12年) | 47,291 | 23,715 | [2] | ||
2001年(平成13年) | 47,709 | 24,242 | [2] | ||
2002年(平成14年) | 44,894 | 23,301 | [2] | ||
2003年(平成15年) | 45,647 | 23,277 | [2] | ||
2004年(平成16年) | 44,794 | 22,842 | [2] | ||
2005年(平成17年) | 44,612 | 22,537 | [2] | ||
2006年(平成18年) | 42,748 | 21,444 | [3] | ||
2007年(平成19年) | 42,532 | 36,688 | 21,185 | 18,562 | [4] |
2008年(平成20年) | 42,075 | 36,845 | 21,185 | 18,620 | [5] |
2009年(平成21年) | 40,969 | 35,912 | 20,634 | 18,136 | [6] |
2010年(平成22年) | 40,083 | 35,154 | 20,091 | 17,771 | [7] |
2011年(平成23年) | 39,343 | 34,672 | 19,791 | 17,503 | [8] |
2012年(平成24年) | 34,263 | 17,303 |
駅周辺
旧川辺郡園田村の村域内に設置されたため園田駅という名称が与えられているものの、所在地は旧園田村の中心部からはかなり離れた東園田町である(旧園田村の中心部は当駅より北西へ2km離れた食満一丁目付近であり、現在でも尼崎市役所園田支所、園田公民館、園田中学校、園田小学校、園田保健センター(旧園田保健所)、JA兵庫六甲園田などの施設はその周辺にある)。駅の設置前は何もない田園地帯だったが、阪急による宅地開発の結果、当駅周辺に市街地が形成された。東園田町三丁目、四丁目付近は阪急が戦前に開発した宅地であり、今でも規模の大きい邸宅が建ち並んでいる。
駅舎の1階と2階は駅ビルの『園田阪急プラザ』として整備されている。
園田阪急プラザ
その他
- 園田競馬場 - レース開催日や馬券の場外発売日には駅前(北口側)からシャトルバスが運行され、来場客で混雑する。
- 尼崎市園田地区会館
- 尼崎市立図書館出張所
- 尼崎市消防局 北消防署園田分署
- 尼崎園田郵便局
- 尼崎東園田八郵便局
- 聖トマス大学
- 百合学院中学校・高校
- 市立園田東中学校
- 市立園和小学校 - 園田駅に近いことから、新聞の折り込み広告に掲載される略地図などにはまれに「園田小学校」と誤表記されることがある。前述の通り、実際の園田小学校は当駅から北西へ2km離れたところにある。
- 三井住友銀行
- TSUTAYA
- ブックオフ
- イオン尼崎店 - 南に徒歩20分、尼崎市営バス・24系統で「小園」停留所下車。
- コストコ 尼崎倉庫店 - イオン尼崎店に隣接。
- 田能遺跡 - 尼崎市営バス・20系統「田能」停留所下車。
- 藻川 - 当駅の西側を南北に流れている。
- 猪名川 - 当駅の東側を南北に流れている。
バス路線
阪急バス(北口発)
- 1番のりば
- 2番のりば
- 11系統(阪北線)梅田 行(上津島・日出町(阪急バス本社前)・十三経由)
- 24系統(阪北線)江坂駅前 行(上津島・日出町・庄内駅前経由)
- 24系統(阪北線)庄内出張所 止(上津島経由)
- 臨時のりば
- 園田競馬場 行(開催日、場外発売日に運行。)
1番から3番のりばが南口、4番と5番のりばが北口に設けられている。
- 1番のりば(南口)
- 2番のりば(南口)
- 11番 阪神尼崎 行(聖トマス大学・若王寺・JR尼崎(北)・工業高校・西長州本通2丁目経由)
- 3番のりば(南口)
- 23・21-2番 戸ノ内 行(戸ノ内橋経由)
- 4番のりば(北口)
- 5番のりば(北口)
- 20番 東園田 行
歴史
- 時期不明(1930年以降)- 園田競馬場の開設に伴い、年2回の競馬開催日に合わせて、現園田駅とほぼ同じ場所に臨時駅を設置していた。
- 1936年(昭和11年)10月20日[9] - 阪神急行電鉄(当時の社名)の神崎川駅 - 塚口駅間に新設開業。開業時は田園地帯の中に駅が存在したが、当初から2面4線の配線であった。
- 1979年(昭和54年)7月1日 - 高架化完成[10]。
- 1980年(昭和55年)4月5日 - 高架駅舎供用開始。
- 2013年(平成25年)12月21日 - 駅ナンバリング(HK-05)が導入される。
高架化工事について
地上駅時代の園田駅は、ホームの構成は現在と全く同じで、園田競馬の観客用臨時ホームも有していた。また改札とホームを結ぶ為に地下道が設置されたほか、構内の地下道と平行して南北を結ぶ自由通路があり、線路下付近には双方の地下道間を結ぶ改札口も存在した。
ホーム延長工事など、多少の改装は行われたものの、開業当時とほぼ同じ状態を保っていた園田駅ではあったが、兵庫県と尼崎市が計画していた、駅西方を交差する県道園田橋線との立体交差化の為、園田駅周辺の線路および駅を高架化する事となった。
工事は1974年3月に着工され、従来の線路やホームは撤去されて、単式のホーム2線と通過線2線からなる仮設のホームが設置された。地上駅時代の園田駅は、駅南側に植え込みがあるなど比較的広い構内ではあったが、下り仮線のホーム部分に際しては、阪急の所有する敷地だけでは用地が不足したため、南側に面した道路の一部を尼崎市より借用してホームを建設した[11]。また上り仮線のホームは下り仮通過線の北側に設置され、仮設ホームはいずれも通過線の南側に設置される形となった。地下道には、仮設ホームに通じる階段が設置され、一方元のホームへの階段は、セメントにより埋められた。
梅田側には留置線が1線存在することは前記したが、地上駅時代は数編成分が収容可能だった。これは、猪名川付近の経路を変更した際に、新たに橋梁架設工事を行ったために廃線となった本線部分を流用したもので、収容能力が限界に達していた当時の西宮車庫を補う形で使用されていたが、車庫の拡張工事が完成して以降は使用されなくなり、高架工事の際には仮設線路の用地として活用された。また、三宮側の上り線に接する形でもう一本留置線があったが、こちらも高架化工事用地とされ撤去された。
高架線へは、まず上りホームと臨時ホームが1976年10月に完成して切り替えが行われ、上り通過線と仮設ホームが撤去され、元のホーム横の線路が通過線に変更された。続く1977年8月には上り通過線が高架化されて上り仮線は撤去された。一方、下りホームは1978年10月に完成して切り替えられ、この時駅舎も地上の仮駅舎から高架線2階に移設された。最後に残っていた下り通過線は1979年6月30日の終電後に高架線に切り替えられ、引き続き梅田寄南側の留置線建設と駅1階の商業施設や周辺道路の整備を実施し、1980年4月5日に全ての工事が完了して専門店街の『園田阪急プラザ』が営業を開始した。
高架下の区画には、『園田阪急プラザ』の他に、レンタサイクルや駐輪場、貸し倉庫などがある。『園田阪急プラザ』は2006年に改装を行い、看板が一新されたほか、1階にスーパーマーケットのKOHYOなどが出店した(主要な店舗は駅周辺を参照のこと)。
その他
- 東隣の神崎川駅の西側には神崎川を渡る橋梁があるが、台風の接近による高潮や、地震発生後の津波等への対策として、防潮扉が閉鎖される場合がある。その場合は梅田駅 - 当駅間は運休となり、当駅にある折り返し設備を用いて、三宮方面行きのみの運転となる。
- ホーム内にあるエレベーターの乗降口にはボタンがなく、利用する際は付近にあるインターホンで駅員に申告する。また、利用者は乗車券類を提示(購入)する必要があるため、エレベーターは必ず2階で停止するようになっている。このようなシステムになっているのは、3階の乗降口がホーム内部にあるのに対し、2階と1階の乗降口は改札外に面しており、不正乗車の問題が生じるためである。
- 2階の改札内には、南側に向いた団体客専用の有人改札口が設けられているが、通常は改札口に面した出口にシャッターが降ろされ、使用されていない。
- 2013年8月29日に、大阪府内の私立高校の男子生徒らが、同駅構内の線路上に飛び降りた上、その様子をカメラ付き携帯電話で撮影し、Twitterに投稿していたことが判明。学校側は、関わった生徒を謹慎処分とした[12]。
隣の駅
- 阪急電鉄
- テンプレート:Color神戸本線
- テンプレート:Color特急・テンプレート:Color通勤特急・テンプレート:Color直通特急・テンプレート:Color快速急行・テンプレート:Color急行・テンプレート:Color通勤急行・テンプレート:Color準急
- 通過
- テンプレート:Color普通
- テンプレート:Color特急・テンプレート:Color通勤特急・テンプレート:Color直通特急・テンプレート:Color快速急行・テンプレート:Color急行・テンプレート:Color通勤急行・テンプレート:Color準急
脚注
関連項目
外部リンク
テンプレート:Navbox- ↑ 阪急電鉄 鉄道情報ホームページ 駅別乗降人員(上位50位)
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 尼崎市統計年鑑(平成18年)
- ↑ 尼崎市統計書(平成19年)
- ↑ 尼崎市統計書(平成20年)
- ↑ 尼崎市統計書(平成21年)
- ↑ 尼崎市統計年鑑(平成22年)
- ↑ 尼崎市統計書(平成23年)
- ↑ 尼崎市統計書(平成23年)
- ↑ 阪急沿線 ちょい駅散歩-園田駅(webTOKK 2008年7月1日号)では9月12日、『尼崎市史 第十三巻』(1988年)p.181では『京阪神急行電鉄 五十年史』を典拠として10月5日としている。
- ↑ 『尼崎市史 第十三巻』(1988年)pp.230-231
- ↑ この間、尼崎市営バスの「阪急園田南口」バス停は、駅から200メートル以上離れた公園の一角に、仮設のバス停と転回場を設けていた。
- ↑ 線路でピース写真ツイート 大阪の高校生3人、謹慎処分 朝日新聞 2013年9月12日