ティクリート
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ティクリート(タクリート、تكريت、Tikrit )は、チグリス川沿い、バグダードの北西140kmの位置にあるイラクの都市。スンニー・トライアングルの一角をなす。
人口約25万人。2002年に サラーフッディーン県の県都になる。イラク元大統領サッダーム・フセインの出生地であることで有名。サッダーム政権時代には有力政治家や高級官僚・高級軍人の多くがティクリート出身者から抜擢され、市内には大統領宮殿やモスク等の施設も建設された。
ティクリートは、改革運動家からエジプトを守り、1187年にエルサレムを奪還したサラーフッディーン(サラディン)の出身地としても知られる。県名もサラーフッディーンの名からつけられた。サッダームは、サラーフッディーンと自分をよく比較した。
2003年のイラク戦争で、アメリカ人の多くが、サッダームはティクリートに戻り、最後の拠点とすると考えた。米軍は、空爆を行い、船舶と装甲車を使って2003年4月13日にここを侵攻した。抵抗はほとんどなかった。ティクリートが米軍の手に落ちたことにより、スタンリー・マクリスタル少将 は、「大規模な戦闘が終わったと考えられる」と発言した。2003年12月13日バグダート時間午後8時30分(UTC+3)、サッダーム・フセインは、ティクリートの南15キロメートルにある町ダウルで、米国第4歩兵部隊によって捕らえられた。