指定職

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年2月17日 (月) 02:48時点におけるMio0908 (トーク)による版 (校正)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

指定職(していしょく)は、一般職国家公務員地方公務員のうち指定職俸給表が適用される職員及びその役職に対して指定階級職にある者のこと。国家公務員の場合、他の俸給表が「級」と「号俸」により構成されているのに対し、指定職俸給表のみ号俸だけでランク付けがなされている。民間企業における役員報酬に相当する。

該当する職員

国家公務員

おおむね各省の審議官級(部長・局次長・地方支分部局の局長など)以上と、一部の研究所長などが該当する。多くの場合審議官級以上で個室(審議官室、部長室など)、秘書、専用車が与えられる[1]

指定職は公務員の中でも最高幹部であり全省庁に約1,200人おり[2](非現業の全国家公務員総数に占める指定職の割合は、政府全体で0.3%程度)、平均年齢は56歳前後である[3]。いわゆる国家公務員総合職試験(旧上級甲種、I種)合格で採用されたキャリアが大多数を占める。

一般職(課長級まで)の俸給は民間企業の従業員の給与をもとに決められるのに対し、指定職の俸給は民間企業の役員報酬を参考に決められる。

官職と号俸の対応表[4]
官職 号俸
事務次官
会計検査院事務総長
人事院事務総長
内閣法制次長
宮内庁次長
警察庁長官
金融庁長官
消費者庁長官
統合幕僚長
8号俸
警視総監
陸上幕僚長
海上幕僚長
航空幕僚長
7号俸
外局長官[5]
会計検査院事務総局次長
内閣衛星情報センター所長
省名審議官[6]
公正取引委員会事務総長
警察庁次長
原子力規制庁長官
経済社会総合研究所
国家公務員制度改革推進本部事務局次長
知的財産戦略推進事務局長
地域活性化統合事務局長
郵政民営化推進室長
拉致問題対策本部事務局長
6号俸
試験所研究所病院又は療養所の長(前項に掲げるものを除く。)
その他の官職で、指令で定めるもの[7]
5号俸
本府省の官房長局長[8]
試験所、研究所、病院又は療養所の長(前二項に掲げるものを除く。)
その他の官職で、指令で定めるもの[9]
4号俸
外局の次長
試験所、研究所、病院又は療養所の長(前三項に掲げるものを除く。)
その他の官職で、指令で定めるもの[10]
3号俸
前各項に掲げる官職以外の官職 2号俸または1号俸

自衛官

テンプレート:Main 自衛官は一般職国家公務員ではないものの、指定職俸給表は一般職国家公務員と同一のものを使用している。本省審議官級以上に相当するものとして、の階級を付与される自衛官、及び将補の階級を付与される自衛官の一部(幕僚監部主要部長、旅団長等)がこれに該当する。一例を記すと、(1) 自衛官の最高位である統合幕僚長事務次官等と同じ指定職8号俸、(2) 陸・海・空の幕僚長が警視総監等と同じ7号俸、(3) 陸・海・空各最大の戦略部隊指揮官である方面総監自衛艦隊司令官航空総隊司令官が本省主要局長等と同じ5号俸、の俸給を受ける。ただし、指定職給与は階級ではなく職に充てられるものであり、現状においてたまたま全ての将がこれに該当する職に補されているが為に、当該俸給を受けているに過ぎない。1佐(一)、(二)に指定される官職等については本項の末尾にある外部リンク参考資料を参照されたい。

地方公務員

その他の府県・政令指定都市でも大学短期大学の学長や病院長に適用されているところがある。大阪府では本庁部長に適用していたが2006年に廃止した。大阪市では2007年まで同様の制度を「行政職給料表(特)」と称し局長級に適用していた。

脚注

  1. 【日本の解き方】キャリア官僚の不当降格訴訟 「ノンキャリ・民間と依然格差」が浮き彫り - 政治・社会 - ZAKZAK
  2. 残業代含めた国家公務員の本当の年収は民間約2倍の808万円 - 政治・社会 - ZAKZAK
  3. 人事院 国家公務員給与の現状、2012年4月
  4. 人事院規則9-42による。外部リンク参照。
  5. 人事院指令により国税庁長官海上保安庁長官は7号俸とされる。外部リンクの答弁書参照。
  6. 指令により技監地球環境審議官を除く省名審議官は7号俸とされる。
  7. 指令により国立感染症研究所長は6号俸、迎賓館長、国際平和協力本部事務局長、国立教育政策研究所長、国立医薬品食品衛生研究所長及び国立保健医療科学院長は5号俸、内閣法制局部長、宮内庁部長は5号俸または4号俸、内閣総務官は5号俸〜3号俸、内閣審議官は5号俸〜1号俸とされる。
  8. 指令により本府省の官房長、局長及び政策統括官は5号俸または4号俸、本府省の総括審議官技術総括審議官は4号俸または3号俸とされる。
  9. 指令により個別に4号俸以下の各号俸に指定されている官職については、外部リンクを参照。
  10. 指令により外局の次長は4号俸〜2号俸、本府省の局次長、部長、審議官、参事官は3号俸または2号俸、外局の部長、審議官、管区機関の長は3号俸〜1号俸とされる。

関連項目

外部リンク