シジミチョウ科

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シジミチョウ科(小灰蝶、蜆蝶 Lycaenidae)は、チョウ目(鱗翅目)アゲハチョウ上科内のひとつの分類単位。いっぱんに成虫は小型で、卵または幼虫で越冬、幼虫は小判型である。日本に分布する種は樹頂性のミドリシジミ亜科・草原性のヒメシジミ亜科の2種類に大別される。名前はシジミ貝の形に似た羽根の形に由来する[1]

概要

南極大陸を除く全ての大陸に分布する。多くの亜科に分けられ、種類数は6,000種を越える[2]。 全世界に15,000-20,000種いるチョウのうち、40%ほどをシジミチョウが占めている。

成虫の前翅長は1-3 cmほどで、チョウ全体で見ると小型である。成虫のは特に突起がなく三角形だが、後翅にアゲハチョウのような細い尾状突起をもつものも多い。翅の模様は多彩で、種類やオス・メスによって異なるが、属によってだいたいの傾向がある。また、翅の表と裏では色や模様が異なるのもシジミチョウの特徴である。たとえばミドリシジミルリシジミムラサキツバメなど、翅色にちなんだ和名がついた種類がいるが、これらはほとんど翅の表側の色を指しており、翅の裏側は地味な褐色や灰色のものが多い。成虫は翅を閉じて止まるので、翅裏の地味な色は周囲にまぎれる保護色となる。

幼虫は太くて短いケムシ状のものや、ワラジムシのような形のものがいる。食性も多種多様で、シダ植物ソテツ菌類地衣類などを食べる種類も少数ながら存在するが、おおむね新芽やつぼみのような柔らかくタンパク質に富んだ部位を食べるものが多い。さらに変わったものではアリ共生するクロシジミ、アリのや幼虫を食べるゴマシジミアリノスシジミアブラムシを食べるゴイシシジミなどもいる。ただし、アリとの共生やそれに伴う蜜腺などの形質はシジミチョウ科の様々な系統で散発的に見られ、もともとはシジミチョウ科全体の共有形質であったのが後に様々な系統で失われたのではないかという説も有力である。

は帯蛹型で、尾部のカギ状突起と胸の部分の帯糸で自分の体をぴったりと固定する。

温帯や冷帯に分布する種類は越冬を行う。チョウはや亜科によって越冬する成長段階(越冬態)がだいたい決まっているが、シジミチョウの越冬態は同じ亜科でもばらつきがある。

分類

多くの亜科に分けられる。ウラギンシジミ亜科などは独立した科として扱われることもある。

日本で見られる種

日本には、ミドリシジミ亜科(36種)、ヒメシジミ亜科(39種)、ベニシジミ亜科(ベニシジミ1種)、アシナガシジミ亜科(ゴイシシジミの1種)、ウラギンシジミ亜科(ウラギンシジミの1種)が生息していることが知られている[2]

脚注

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参考文献

関連項目

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  1. 昆虫館 シジミチョウ科
  2. 2.0 2.1 蝶 (2006)、138頁