マグル

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マグル(Muggle)は、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズの中において、魔法使い魔女達の間で使われる単語で、いわゆる「普通の人間」を指す。語源は「間抜け、カモ(詐欺師ペテン師の云うそれ)」を意味する「mug」であり、一種の差別用語と見られなくもない。

ローリングによる造語であるが、作品の人気に伴って広く知れわたる単語となり、英語では「(プロフェッショナルに対する)一般人」の意味で使われるようになった。2003年度版のオックスフォード英語辞典には、「特定の技術に欠ける人、もしくはある意味で劣っていると見なされている人」を意味する単語として掲載された。

魔法族との関係

原始の魔法族(魔法使い・魔女)はマグルの間から生まれた。その歴史がどのような物か不明だが、マグル内の突然変異である彼らとの関係はそれほど良好ではなく、多くの魔法族はマグルからその力を恐れられ、幾度も迫害を受けてきた。そのため魔法族はマグルの目を避け、自らの存在を隠しながら生活するようになった(ホグワーツ魔法魔術学校の建設もそのためである)。

現在では魔法省の手によってそれらの存在が隠蔽され、マグルの大半は魔法、魔法族の存在をまったく信じていない状態である。例外にロンドンの「マグルの首相」のように仕事先や、グレンジャー夫妻やペチュニア・ダーズリーのように血縁に魔法使いがいる者などはその存在を知るが、あくまで少数であり、他人にそれを話したとしてもまず信用されない。

「マグル避け呪文」があったり、1巻ルビウス・ハグリッドハリー・ポッターに「魔法省の一番大切な仕事は、魔法使いを隠しておくことだ」と説明しているところから、マグルとの関係は魔法界にとって大きなテーマであることが分かる。

マグルに対する偏見

歴史的対立により、マグルを敵視する時代があった。しかし現代の魔法界では公式にはマグル出身者や半純血を差別することは禁止されており、恥ずべき事としている。サラザール・スリザリンを除くホグワーツ魔法魔術学校の創設者や、アルバス・ダンブルドアは「マグル出身者でも魔力を示せば、魔法教育を受けられる」という考えを持ち、全ての魔法学校で学生が制度として差別されることはない。

しかし、中には伝統ある魔法族の血を重視し、マグル出身の魔法使いや魔女(例:ハーマイオニー・グレンジャーコリン・クリービー)を「穢れた血」と見なす、いわゆる「純血主義者」がスリザリン寮出身の者をはじめ根強く残っている。ただスリザリン寮もマグル出身者や半純血を公的に拒絶することは出来ないので、同寮にもこの種の生徒達がそれなりに存在している。 ブルガリアに位置するダームストラング校は純血主義者の温床と化しているが、ビクトール・クラムのように全員が思想に賛同している訳では無い。

いわゆる純血の魔法使いの家が近親婚を繰り返すのは、マグルの血がこれ以上混じるのを防ぐのが理由である(始祖の魔法使いの両親はマグル)。

関連項目

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