フェアボール
テンプレート:出典の明記 フェアボール(テンプレート:Lang-en-short)は、野球において打者の打球がフェアゾーンに入ったもののことである。日本では、単に「フェア」と略されることもある。公認野球規則2.25によりフェアボールは定義されている。
定義
野球のフィールドは本塁と一塁を結ぶ線、本塁と三塁を結ぶ線の2本のファウルラインで区切られており、このうち捕手以外の守備側の選手や二塁ベースが存在する側をフェアゾーン(フェアグラウンド)、それ以外をファウルゾーン(ファウルグラウンド)と呼ぶ。ファウルライン上はフェアゾーンである。
フェアボールとは、打者が打った打球がファウルボールの宣告を受けておらず、且つ、次のようになったものをいう。
- 最終的に、本塁と一塁または三塁の間のフェアゾーンに止まったもの(ボールが外野に到達しなければ、ボールが動いている間はフェアなのかファウルなのか確定しない)
- 一塁または三塁をバウンドしながら外野へ越えていく際に、一塁または三塁よりもフェアゾーン側を通過したもの
- 最初に落下した地点が、一・二塁を結ぶ線上、二・三塁を結ぶ線上、もしくは、一塁または三塁を越えたフェアゾーンであるもの
- 一塁・二塁・三塁に当たったもの
- フェアゾーン内(フェアゾーンの上空も含む)で、プレイヤー、審判員に触れたもの(この場合、触れた瞬間のボールの位置を判断基準とする。プレイヤーや審判員の位置を判断基準としてはならない)
- 飛球の状態でフェンスを越えていくときに、フェアゾーンの上空を通過したもの(これを本塁打という)
打球がこれらの状態になれば審判員は直ちに打球に対してフェアボールの判定を行う。従って、例えばその後打球が一・三塁後方のファウルゾーンへ転がっていったとしても、フェアボールである。逆に一度一塁または三塁を越えていないファウルゾーンでバウンドして、一塁または三塁を越える前にフェアゾーンに戻ってきた場合もフェアボールである。また、いかなる打球もファウルボールまたはファウルチップの宣告がなされるまではフェアボールであると推定され、その間はボールインプレイである。
フェアゾーン内で捕手が外したマスクや打者が投げ捨てたバットなど、地面以外のものに打球が当たった場合はボールインプレイである(ただし、打者が打球の進路を故意に変える意図があったと審判員が判断すれば、打者は守備妨害でアウトになる)。
以上の定義は公認野球規則2.25により定められている。
概要
審判員がフェアボールの判定を行う際は、人差し指1本または手のひらでフェアゾーンの方を指し示すジェスチャーか、セーフのジェスチャーをフェアグラウンドへ向けて行う。現在は人差し指1本でフェアゾーンを指し示すジェスチャーで判定を行うのが一般的であり、セーフのジェスチャーでの判定はあまり行われなくなったが、野手がフェアボールの飛球を直接捕球できなかった場合(直接捕球かどうか疑わしい時のみ)はセーフのジェスチャーをして「ノーキャッチ」と宣告する。なお「ノーキャッチ」は「フェア」の宣告も兼ねている(ファウルボールと判定した場合は「ファウルボール」を宣告)。
以前はジェスチャーとともに「フェア」と発声していたが、現在審判員がフェアを判定する際は、発声せずにジェスチャーのみでジャッジを行うこととされている。これは、「フェア」・「ファウルボール」共に最初の音が“F”から始まるため、審判員が発声した瞬間にはフェアボールであるかファウルボールであるかを野手が判断できない、または聞き間違えることがあるからとされている。そのため、審判員が無発声(ノーボイス)の場合はフェアボール、発声した場合はファウルボールとするようになった。
打球がフェアボールである場合はボールインプレイであり、ボールがスタンドに入ったり、審判員がタイムをかけたりするなどしてボールデッドとならない限り、プレイは続けられる。
規則適用上の注意点
打球が一度本塁と一塁または三塁の間のフェアゾーンでバウンドしても、そのまま静止するか、一塁または三塁を越えるか、プレーヤーなどに触れない限りはフェアボールとはならない。また、審判員によりフェアボールと判定された打球は、その後ファウルグラウンドへ転がり出てもフェアボールである。例えば本塁-三塁間の真上に飛球が打ちあがり、野手が飛球に触れたが捕球できずに落とした場合では、野手が触れた際の打球の位置がフェアゾーン(ファウルラインの直上かそれよりフェアグラウンド側)の上空ならば、その後初めて地面に落下した地点がファウルグラウンドであっても、フェアボールである。