クラシエ薬品
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クラシエ薬品株式会社(クラシエやくひん、テンプレート:Lang-en-short)とはクラシエホールディングスの薬品事業を担う関連子会社である。
目次
概要
前身企業に漢方薬を中心に扱っていた山城製薬、『ワカ末』などの大衆薬に強みがあった中滝製薬が入っている。脱繊維を模索したカネボウが両社の経営権を取得して薬品事業に参入し、1974年に両社を合併した(旧山城製薬の工場は高槻第二工場、旧中滝製薬の工場は春日部工場となった)。
山城製薬の流れから漢方薬に強みを持ち、漢方製剤における一般用医薬品部門では業界首位、医家向け商品も製造、販売されている(業界2位)。かつては中滝製薬の流れで医療用新薬事業も行っていたが、1999年に日本オルガノンへ売却した。親会社はクラシエ製薬株式会社(ファンド設立の紀尾井町インベストメントが母体)。
沿革
- 1966年 - 鐘紡が山城製薬の経営権を譲り受け、薬品事業に進出。
- 1969年 - 山城製薬がカネボウ山城製薬に社名変更。
- 1971年 - 鐘紡が中滝製薬の経営権を譲り受ける。
- 1972年 - 中滝製薬がカネボウ中滝製薬に社名変更。カネボウ薬品販売設立。
- 1974年 - カネボウ山城製薬、カネボウ中滝製薬を鐘紡に合併。カネボウ薬品販売がカネボウ薬品に社名変更。
- 1976年 - 漢方研究所設置。
- 1978年 - 漢方エキス錠の発売開始。
- 1982年 - 『コッコアポ錠』発売。
- 1984年 - 漢方かぜ薬シリーズ発売(第1号商品は『葛根湯』)。
- 1985年 - 漢方療法推進会向け商品の発売開始。
- 1988年 - 青島華鐘製薬有限公司設立。
- 1993年 - 『コッコアポA錠』発売。
- 1997年 - 『コッコアポL錠』発売。
- 1999年 - 医療用医薬品事業の一部を日本オルガノン(現・MSD)へ営業譲渡。
- 2000年 - 『カネボウ万寿丹』発売。
- 2002年 - 医療用漢方1日2回服用製剤『KB2』発売。
- 2006年 - カネボウの薬品事業がカネボウ製薬(旧・紀尾井町インベストメント)へ譲渡され、カネボウ薬品がその子会社となる。『漢方セラピー』発売。
- 2007年 - クラシエ製薬、クラシエ薬品に社名変更。『カンポウ専科』発売。
- 2012年 - 『コッコアポプラスA錠』発売。
- 2014年 - 『コッコアポG錠』発売(同時に、『コッコアポL錠』と前年にテスト販売していた『コッコアポEX錠』をリニューアル発売)。
製品
- カンポウ専科
- 旧カネボウ薬品時代に発売されていた漢方製剤を取りまとめ、新たにシリーズ化したブランド。詳細記事を参照のこと。
- 漢方セラピー
- 旧カネボウ薬品時代に発売された手に取りやすい漢方薬シリーズ。これまでの漢方のイメージを払拭するため、具体的な症状を明記し、明るめのパッケージを用い、携帯にも便利な1回分ごとのスティック包装とした。詳細記事を参照のこと。
- コッコアポ
- 1982年発売の肥満症に効果があるロングセラーの漢方薬ブランド
- コッコアポEX錠【第2類医薬品】 - 2013年3月発売。体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな方に。3,420mg(12錠)に増量した防風通聖散料エキスを配合し、お腹まわりの余分な脂肪を落とす。発売当初、216錠(18日分・パウチ包装)のみの設定で、一部店舗のみのテスト販売だったが、2014年7月のリニューアルで容量が60錠(5日分・パウチ包装)、144錠(12日分・箱入)、312錠(26日分・箱入)の3容量となり、パッケージデザインも赤のパッケージとなった。
- コッポアポG錠【第2類医薬品】 - 2014年7月発売。体力が充実して、脇腹からみぞおちにかけて苦しく、便秘の傾向がある方に。シリーズ初となる大柴胡湯エキスを配合し、あちこちについた余分な脂肪を落とす。また、過食を引き起こすストレスによる神経症にも効果がある。ピンクのパッケージ。
- コッコアポL錠【第2類医薬品】 - 1997年3月発売。体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向のある方に。防已黄耆湯エキスを配合し、筋肉に締まりがない余分な脂肪を落とす。当初はピンクのパッケージだったが、2004年2月からクリームイエローのパッケージとなり、2014年7月にオレンジのパッケージとなった。また、容量体系を見直し、パウチ包装はより手ごろに試せるように60錠(5日分)に容量を減らし、箱入は312錠(26日分)のみに集約した。
- コッコアポA錠【第2類医薬品】 - 1993年3月発売。防風通聖散製剤。「新コッコアポA錠」への移行後も、継続ユーザーにも最適な大容量サイズの製品として継続発売されている。
- 新コッコアポA錠【第2類医薬品】 - 2001年6月発売。便秘と皮下脂肪が気になる方に。防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)製剤。「コッコアポA錠」に比べて一回り小さくなり(直径9.5mm→直径9mm)、フィルムコーティングを施すことで漢方独特のニオイと味を抑え、服用しやすくなった。
- 新コッコアポS錠【第2類医薬品】 - 防風通聖散製剤(裸錠)。2007年6月に「コッコアポS錠(1984年9月発売)」の商品名を変更するとともに、男性にターゲットを絞り、黒いパッケージにリニューアルしたものである。
- コッコアポプラスA錠【第2類医薬品】 - 2012年3月発売。防風通聖散製剤(フィルムコーティング錠)。内容量を見直すとともに、7日分(84錠)の小容量サイズを携帯にも便利なチャック付パウチ包装に変更。
- クラシエ当帰芍薬散錠【第2類医薬品】
- 2014年7月発売。体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲れやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴える方に。体を温めながら水分代謝を高めて余分な水分を取ることでむくみや冷え性を改善する当帰芍薬散を服用しやすい錠剤にした漢方製剤。前述の「コッコアポEX錠」・「コッコアポG錠」・「コッコアポL錠」とデザインを統一した青のパッケージである。
- 「クラシエ」漢方抑肝散加芍薬黄連錠【第2類医薬品】
- 2014年5月発売。体力中等度をめやすとして、神経のたかぶりが強く、怒りやすい、イライラなどがある方の神経症や血の道症などに。抑肝散に芍薬と黄連をプラスした処方を服用しやすい錠剤タイプにした漢方製剤。更年期障害にも効果がある(製造販売元:日東薬品工業)。
- 新ハイピロガンK【第2類医薬品】
- 小青竜湯に解熱鎮痛成分・抗ヒスタミン剤を配合した総合感冒薬。また、 以前には、新ピロガンK、ピロガンカプセル、小児用ピロガンシロップ、ピロガン咳止め液を発売していた。
- リエイジEX錠【第2類医薬品】
- 2012年10月発売。加齢による目のかすみ、下肢痛、しびれなど複数の症状に。ジオウ等の8種の生薬の働きにより身体を温め、水分代謝や血流の流れをよくすることで症状を改善する。
- ワカ末
- 当社の前身のひとつである中滝製薬の時から90年以上親しまれている黄色のパッケージが目印の下痢止め薬ブランド。社名変更後にマイナーチェンジを行っており、「Kanebo」ロゴから「カンポウ専科」シリーズに使われている鐘のマークに変更された。
- 点温膏K【第3類医薬品】
- 1976年に「点温膏」として発売されて以来、隠れたロングセラー商品として親しまれてきた温感プラスター。2007年6月に「新てん温膏」と共に販売を終了していたが、配合成分を見直して、肌に優しい低刺激処方になり、2007年12月に現在の製品にリニューアル発売された。(製造販売元:大協薬品工業)
- ワイドホットIM【第2類医薬品】
- 「点温膏」の姉妹品。高濃度のインドメタシンを配合した温感プラスター(製造販売元:大協薬品工業)。
- ベルクリーンS軟膏【第2類医薬品】
- 2006年9月7日にかゆみを止める成分であるリドカインを新配合による処方改良に伴って「ベルクリーン軟膏」をリニューアルした、トウガラシチンキやクロタミトンを配合した軟膏。あかぎれやしもやけに。なお、同じブランド名である内服薬の「ベルクリーン錠」は2007年10月に立ち上げた「カンポウ専科」へ移行している。
- ロコイダン【指定第2類医薬品】
- ヒドロコルチゾン酢酸エステル配合の外皮用薬。軟膏タイプの「ロコイダン軟膏」とクリームタイプの「ロコイダンクリーム」がある。(製造販売元:鳥居薬品)
- 虔脩本方 六神丸S【第2類医薬品】
- 生薬配合の強心剤。(製造販売元:廣貫堂)
- ヨクイノーゲンBC錠【第3類医薬品】
- ビタミンB2・B6にビタミンCとヨクイニンエキスを配合したビタミン剤。シュガーフリーのチュアブル錠。
- 人参ドリンク セパホルンZIII【第3類医薬品】
- 朝鮮人参エキス・タウリン・ローヤルゼリーを配合した滋養強壮剤。(製造販売元:田村薬品工業)
- H・ミッテルクリーム【医薬部外品】
- 制汗・デオドラントクリーム。本来、医薬品部門の製造販売元は一部委託商品を除きクラシエ製薬となっているが、この製品のみ、製造販売元がカネボウからクラシエホームプロダクツに変更された。
- しょうが湯
- 現在は「クラシエしょうが湯」と黒砂糖を加えた「クラシエ黒しょうが湯」、国産葛を加えた「クラシエしょうが葛湯(2008年10月発売)」、「クラシエしょうが湯」の約3倍量の生姜(高知県産生姜)を配合して生しぼりし、本葛・黒砂糖を加えて仕上げたプレミアムタイプの「濃くておいしいしょうが湯(2012年8月発売)」の4種類がある。また、イオングループのハピコムでは通常品の別パッケージ仕様や本来のラインラップにない製品が販売されている。
漢方療法推進会向け製品
当社は1985年9月に発足した組織「漢方療法推進会」向けの製品も発売している。現在は900店舗あまりの薬局・薬店がこの組織に加盟している(詳細については外部リンクにある「漢方療法推進会」のサイトを参照のこと)。
- 医薬品
- 漢方薬90包シリーズ
- ほとんどの製品が【第2類医薬品】であるが、「サンワロンM顆粒(麻黄附子細辛湯)」は【指定第2類医薬品】に分類される。
- 冠脉通塞丸(かんみゃくつうそくがん)クラシエ【第2類医薬品】
- ロクジョン【第2類医薬品】
- クラシエ独活寄生丸エキス顆粒【第2類医薬品】
- 杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)クラシエ【第2類医薬品】
- 虔脩感應丸
- ビイレバーキング【第3類医薬品】
- ビイレバーキングS【第3類医薬品】
- 天王補心丸(てんのうほしんがん)クラシエ【第2類医薬品】
- 知柏地黄丸(ちばくじおうがん)クラシエ【第2類医薬品】
- 大粒虔脩熊参丸【第3類医薬品】
- 健康食品
- ケアピローサN - 2008年11月に従来の「ケアピローサ」を処方強化。沖縄県の宮古島に自生するピデンス・ピローサエキスを配合。
- クラシエケアマックスG - グルコサミン・コンドロイチン硫酸配合の健康補助食品。
- ケアリプラ - 吸収性に優れたアグリコン型の大豆イソフラボン含有。
- クラシエ神仙丹M - アガリクス茸菌糸体と冬虫夏草菌糸体を配合した栄養補助食品。細粒タイプと粒タイプがある。
- クラシエ万寿丹Sゴールド - アガリクス茸菌糸体にビール酵母を配合。
- 板藍根・羅漢花顆粒
- クラシエ霊田七 - 田七人参・霊芝等を主原料とした健康食品。細粒タイプと粒タイプがある。
- 化粧品
- ケアピローサエッセンス - 2008年11月発売。
以前発売されていた製品
※以下の製品は現在発売されていない。なお、一部の製品は他社への譲渡やリニューアルという形で販売を続けているものがある。
- H・ミッテル(腋臭治療薬)→医薬部外品のH・ミッテルクリームへ
- アプレアEC(ビタミン剤)→ゼリア新薬工業へ譲渡し、「アポスティーEC+B」の名称で発売
- セピア(目薬・洗眼薬)→洗眼薬の「セピアフレッシュ」は、資生堂薬品へ譲渡
- 漢方ノドロップ(口腔咽喉用薬)→田辺三菱製薬へ譲渡
- サンリラックス(ビタミンE配合滋養強壮ドリンク剤)
- サンリラークローション(外用鎮痛消炎剤・温感タイプ)
- ドリンク金太郎→ツービードリンク【指定医薬部外品】へリニューアル
- ワカ末胃腸ドリンク【医薬部外品】(健胃清涼剤)
- PORES毛穴クリーンパック【化粧品】(小鼻用角栓除去パックシート)→コーセーコスメポートへ譲渡し、「ソフティモ毛穴クリーンパック」の名称で発売(製造販売元:ダイヤ製薬)
- ハイセレニン(抗てんかん剤)→MSDへ譲渡
CMキャラクター
- 現在
- 過去
カンポウ専科のCMに登場した「カンポウ6」については、カンポウ専科を参照のこと。
- 水野真紀 - コッポアポA、葛根湯
- 木下優樹菜 - コッポアポ(2009年6月~2010年)
- 石原さとみ - コッコアポ(2011年)
- 多部未華子 - コッコアポプラスA錠(2012年3月~2014年7月)
- はな - カンボウ専科(2009年~2010年)
- 北川悠仁(ゆずのメジャーデビュー前) - H・ミッテルS
事業場
クラシエ製薬株式会社
クラシエ薬品株式会社
- 本社 - 東京都港区
- 北海道ヘルスケア支店、北海道医薬支店 - 北海道札幌市白石区
- 東北ヘルスケア支店、東北医薬支店 - 宮城県仙台市宮城野区
- 首都圏ヘルスケア支店、中央ヘルスケア第一部、東京第一医薬支店、東京第二医薬支店 - 東京都中央区
- 関越ヘルスケア支店、関越医薬支店 - 埼玉県さいたま市大宮区
- 中日本ヘルスケア支店、中日本医薬支店 - 愛知県名古屋市中村区
- 関西ヘルスケア支店、中央ヘルスケア第二部、関西第一医薬支店、関西第二医薬支店 - 大阪府大阪市北区
- 中四国ヘルスケア支店、中四国医薬支店 - 広島県広島市西区
- 九州ヘルスケア支店、九州医薬支店 - 福岡県福岡市博多区
- 東京配送センター - 埼玉県吉川市
- 関西配送センター - 大阪府堺市堺区