コクヨ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コクヨ株式会社は、文具やオフィス家具、事務機器を製造・販売する会社を傘下に抱える日本の持株会社である。
ブランドメッセージは「ひらめき はかどり ここちよさ」。またCMなどで「コクヨのヨコク」も用いられる。大抵のペンは右手で持ったときに商品名が正しく見えるようになっているが、一部、左手で持ったときに正しく見えるペンがある。
代表的な商品には、1975年(昭和50年)から2005年(平成17年)の30年間で累計約17億冊を出荷した「Campus(キャンパス)ノート」などがある。IT化の昨今でも広く使われているものに会計帳簿がある。これらステーショナリー部門については、同社傘下のコクヨS&Tが担当している。
また、事務用机・椅子、ロッカーなどオフィス家具部門については、傘下の「コクヨファニチャー」の担当となっている。
独立系の企業だが、株主として三井住友銀行の資本が入っている。
商号の由来
創業者の黒田善太郎が、郷里の越中国(現在の富山県)の誉れとなるように「国誉」と名づけた。
沿革
- 1905年(明治38年)10月 - 黒田表紙店として創業する。
- 1914年(大正3年)10月 - 黒田国光堂に改称する。
- 1938年(昭和13年)1月 - 個人商店から法人化し、合名会社黒田国光堂となる。
- 1949年(昭和24年)4月 - 関連会社であったコクヨ商店・東京国誉商店・西部コクヨ商店と合併し、株式会社黒田国光堂となる。
- 1961年(昭和36年)6月 - コクヨ株式会社に商号を変更する。
- 1980年ごろ - ロゴマークを2代目に変更。
- 2004年(平成16年) - 持株会社制に移行する。
- 2005年(平成17年)10月 - 創業100周年を機に、ロゴマークを変更する、デザインはソニークリエイティブワークスによるもの。 [1]
主なブランド
- 書翰箋 - 便箋。1932年(昭和7年)から発売されている当社を代表する製品のひとつ。製品で唯一、旧社章(朝日に桜)を使用。
- WiLL(ウィル)
- カドケシ - 消しゴム。
- Campus(キャンパス) - ノート・原稿用紙など。
- デスカット(DESK@) - ビジネスコンビニ。
- ドットライナー - テープのり。
- プリット(Pritt) - スティックのり。
- AGATA - オフィスチェア。
- ビズシリーズ - コンピュータゲーム
コクヨグループ
ステーショナリー事業
- コクヨS&T株式会社(大阪市東成区)
- 株式会社コクヨ工業滋賀(愛知郡愛荘町)
- 株式会社コクヨMVP(鳥取市)
- コクヨサプライロジスティクス株式会社(大阪市東成区)
- コクヨS&Tの物流子会社。2007年(平成19年)10月1日、コクヨロジテムよりステーショナリー物流事業を承継した。
ファニチャー事業
顧客フロント企業群(アカウント事業・卸事業)
- コクヨマーケティング株式会社(東京都港区)
- ※ 以下6社は関連会社(非連結子会社)
内装・設備設計・施工事業
- コクヨエンジニアリング&テクノロジー株式会社(品川区)
海外事業
- コクヨインターナショナル株式会社(大阪市東成区)
- 国誉貿易(上海)有限公司
- 国誉商業(上海)有限公司 (中国版通販サイト:Eeaybuy) テンプレート:Zh icon
- 2005年6月1日から中国においてオフィス用品の通販事業「Easybuy テンプレート:Zh icon(イージーバイ)」を展開。掲載商品は、文具事務用品のみならず、事務機器やOA消耗品、飲料や清掃用品などの生活用品、オフィス家具まで多岐に渡る。
- ※ 中国名は、「易優百(Yi You Bai)」。
- 国誉家具商貿(上海)有限公司
- コクヨインターナショナルアジア(香港)
- 国誉装飾技術(上海)有限公司
- コクヨベトナムCo.,Ltd.
- コクヨベトナムトレーディングCo.,Ltd.
- コクヨカムリンリミテッド(インド)
オフィス通販事業
サービス事業
- コクヨファイナンス株式会社(大阪市東成区)
過去
- 元々はコクヨ関連会社「アーベル」(京都市)だったが、2007年(平成19年)にバッファローの親会社であるメルコホールディングスと提携、株式の過半数を取得した。その上でアーベルとバッファローのパソコン周辺機器(サプライ)部門の経営を統合し、本社の機能をバッファローの本部がある名古屋に移動している。但し旧本社のある京都にも「大阪支社」として機能していた。2012年1月に保有株式を全てメルコグル―プに譲渡し、4月にバッファローに吸収合併され解散した。
- ネットコクヨ(東京都港区)
- 2009年1月にコクヨグループ子会社の株式会社カウネットと合併。
その他
1980年代 - 1990年代には子供向け学習机「コクヨくるくるメカ」や「コクヨロングランデスク」を製造していたことがある。現在は少子化の影響で製造していない。
「コクヨくるくるメカ」や「コクヨロングランデスク」で使用されたTVアニメキャラクター
「コクヨくるくるメカ」や「コクヨロングランデスク」で起用されたタレント
その他で起用されたタレント
- 尾崎豊 - 1992年4月25日に亡くなっているが、生前の尾崎の肉声による演奏と語りとして流れるCampus(キャンパス)のテレビCMは2012年2月26日より流れていた。また、その2012年2月26日には18時59分から関西地区(毎日放送)と関東地区(TBS)にて1分間のテレビCMが流れていた。
出来事
- 同社の子会社・コクヨファニチャーの元執行役員と、内装工事会社・オークス(現在廃業)の会長や実質経営者らが、架空取引で同社から現金約1,200万円を騙し取ったとして、2009年(平成21年)1月23日に大阪府警に詐欺容疑で逮捕され、同社本社も同日に家宅捜索を受けた[1]なお、コクヨファニチャーは2005年(平成17年)から2008年(平成20年)の3年間にオフィス家具の受注を巡り航空自衛隊と組織的談合をしていたことが2010年(平成22年)に発覚し、防衛省から6ヶ月間の指名停止処分を受けている(航空自衛隊事務用品発注官製談合事件の項を参照)。
- 2000年(平成12年)4月から2008年(平成20年)7月にかけて、オフィスの床下などに敷かれる通信線敷設などのためのパネルについて、3商品計役1,460万枚が、強度が評価機関に認定されない恐れがあったなどとして、当時の同社オフィス資材事業部(現在は子会社のコクヨファニチャーに分社化)が、強度を偽装して販売していたことが、2010年(平成22年)3月に判明した。前述の内装工事を巡る詐欺事件を受けての社内調査で発覚した。これを受け同社は、黒田章裕社長をはじめ役員ら7人の報酬カットを実施[2][3]。
提供番組
現在
- 現在は無し。
過去
- JNN報道特集(TBS)
- 全日本大学駅伝中継(テレビ朝日/メ~テレ放送協力)
- NNNきょうの出来事(日本テレビ)
- 真相報道バンキシャ!(日本テレビ)
- ビートたけしのTVタックル(テレビ朝日)
- ワールドビジネスサテライト(テレビ東京) ほか
- ダンロップフェニックストーナメント(毎日放送・宮崎放送共同制作・TBS系列)
- 三菱ギャラントーナメント(関西テレビ制作・フジテレビ系列)
- ミズノレディースゴルフトーナメント(よみうりテレビ制作・日本テレビ系列)
その他には、1月から3月までの3ヶ月間期間限定で「コクヨロングランデスク」のCM放送として上記などのテレビアニメへの提供が多かった。
新聞等での宣伝活動が主である。
関連書籍
- 『天職に光あり コクヨ黒田善太郎伝』1966年 小家敏男(朝日書院(絶版))。
関連項目
- アリオ八尾 - 八尾工場跡地に建設したショッピングセンター。
脚注
- ↑ コクヨ子会社元執行役員ら逮捕 大阪府警、架空取引で詐欺 産経新聞 2009年1月23日
- ↑ コクヨ:強度偽装のフロア材販売 役員ら報酬カットへ 毎日新聞 2010年3月13日
- ↑ フリーアクセスフロア資材に関する品質性能評価の不正取得について コクヨニュースリリース 2010年3月12日