第二世代抗ヒスタミン薬
第二世代抗ヒスタミン薬(だいにせだいこうひすたみんやく)とは、抗ヒスタミン薬のうち、1983年以降に発売されたもので、それ以前から用いられていた塩酸ジフェンヒドラミン(商品名:レスタミン・ベナ・ドリエル)やd-クロルフェニラミンマレイン酸塩(商品名:ポララミン)などの第一世代抗ヒスタミン薬と比較して、眠気などの中枢神経抑制作用や、口渇や胸やけなどの抗コリン作用などの副作用の少ないものを言う。
第二世代抗ヒスタミン薬は、塩基性抗アレルギー薬、抗ヒスタミン作用を有する抗アレルギー薬、第二世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬などと呼ばれることもある。
第二世代抗ヒスタミン薬の多くは、アレルギー薬のうち、「その他のアレルギー用薬」(日本標準商品分類番号:87449)に分類され、添付文書上ではアレルギー性疾患治療剤とされるが、一部の第二世代抗ヒスタミン薬は「抗ヒスタミン剤」(日本標準商品分類番号:874413)に分類される。なお、後者の「抗ヒスタミン剤」に分類される抗ヒスタミン薬は、第二世代抗ヒスタミン薬には該当しないとする論者もいる。医療用医薬品として用いられる第二世代抗ヒスタミン薬は、すべて処方せん医薬品である。
なお、括弧書きで示した「抗ヒスタミン剤」は分類名として用いており、「抗ヒスタミン剤」に分類される薬剤のみが抗ヒスタミン作用を有しているわけではない。一般には、抗ヒスタミン作用を有するものを総称して抗ヒスタミン薬と呼んでいる。
「抗ヒスタミン剤」に分類される第二世代抗ヒスタミン薬
- メキタジン製剤は、一般用医薬品としても市販されている。一例としては、
- などが挙げられる。ストナリニ・ガードは単剤、他は配合剤。
「その他のアレルギー薬」に分類される第二世代抗ヒスタミン薬
発売は日本で販売開始された年。国際誕生は日本に限らず販売開始された年。いずれも添付文書情報で確認。
- ケトチフェンフマル酸塩製剤(商品名:ザジテン)(1983年発売)
- 下記の一般用医薬品(スイッチOTC)として市販されている。
- ザジテンAL鼻炎カプセル(ノバルティスファーマ)
- パブロン鼻炎カプセルZ(大正製薬)
- コンタック600ファースト(グラクソ・スミスクライン)
- 下記の一般用医薬品(スイッチOTC)として市販されている。
- スカイナーAL錠(エーザイ)
- オキサトミド製剤(商品名:セルテクト)(1987年発売)
- テルフェナジン製剤(商品名:トリルダン)(1990年発売、2001年発売終了)
- エメダスチンフマル酸塩製剤(商品名:ダレン、レミカット)(1993年発売、同年国際誕生)
- 下記の一般用医薬品(スイッチOTC)として市販されていた。
- アルガード抗アレルギーカプセル(ロート製薬、製造終了)
- 下記の一般用医薬品(スイッチOTC)として市販されている。
- アレジオン10(エスエス製薬)
- エバスチン製剤(商品名:エバステル)(1996年発売)
- セチリジン塩酸塩製剤(商品名:ジルテック)(1998年発売、1986年国際誕生)
- ベポタスチンベシル酸塩製剤(商品名:タリオン)(2000年発売、同年国際誕生)
- フェキソフェナジン塩酸塩製剤(商品名:アレグラ)(2000年発売、1996年国際誕生)
- 下記の一般用医薬品(スイッチOTC)として市販されている。
- アレグラFX(久光製薬)
- オロパタジン塩酸塩製剤(商品名:アレロック)(2001年発売、1996年国際誕生)
- ロラタジン製剤(商品名:クラリチン)(2002年発売、1987年国際誕生)
- レボセチリジン塩酸塩製剤(商品名:ザイザル)(2010年発売)
- ルパタジンフマル酸塩製剤(商品名:ルパフィンなど)(2003年国際誕生)(国内未承認医薬品)
これらのうち、フェキソフェナジン塩酸塩のように眠気などの抗ヒスタミン薬特異の副作用が特にあらわれにくい薬剤を第三世代抗ヒスタミン薬と称する論者もいるが、鼻アレルギー診療ガイドラインには記載されていない。
また、ケトチフェンフマル酸塩やエメダスチンフマル酸塩などは、高い臨床効果が得られる反面、第二世代抗ヒスタミン薬であるにもかかわらず眠気を感じる者が少なくない。テンプレート:Pharm-stub テンプレート:Asbox