シーザリオ
テンプレート:Infobox シーザリオ(テンプレート:Lang-en、香港表記西沙里奧)は、日本生まれの父内国産馬の元競走馬で、現在は繁殖牝馬である。現役時代には2005年の優駿牝馬(オークス)、アメリカンオークスに優勝した。馬名の由来はシェークスピアの代表作である「十二夜」でヒロインのヴァイオラが男装する際に用いた名前であり、より現地語に倣った正確な表音をすると「シザーリオ」となる。
戦績
2004年12月25日阪神競馬第6競走でデビュー。芝1600mを1分36秒7で走り先頭でゴール。この時上がり3ハロンで34秒6をマークしたものの目立った勝ちっぷりではなかった。翌2005年1月9日に行われた寒竹賞(中山競馬9競走・500万円以下)は4番人気の評価だったが2分1秒6のタイムで快勝。この時2着アドマイヤフジ(後に皐月賞5着、日本ダービー4着、中山金杯優勝)、4着ダンスインザモア(後にスプリングステークス、福島記念優勝)と高レベルの争いを制し、一躍名前を広げた。
3戦目は重賞のフラワーカップ(3月19日中山競馬11競走)。単勝1.4倍と圧倒的な支持を得て2着スルーレートに2馬身半差の快勝。次走の桜花賞では、3戦目まで手綱を取っていた福永祐一騎手がラインクラフトに騎乗するために公営名古屋競馬所属の吉田稔に乗り替りとなった。迎えた第65回桜花賞(4月10日阪神競馬場)では単勝1番人気に支持され最後の直線コースでは鋭く伸びたがラインクラフトにアタマ差及ばず2着と惜敗した。
ラインクラフトがNHKマイルカップに向かったため、続く優駿牝馬(5月22日東京競馬場)は福永祐一に手綱が戻った。ラインクラフトがNHKマイルカップで優勝したこともあり、オークスのシーザリオの単勝オッズは1.5倍と断然の1番人気となった。レースは隣枠にいた武豊騎乗のエアメサイア(後、同年の秋華賞を優勝)らの厳しいマークもあって4コーナーを曲がった時点での位置取りは12番手。逃げた(脚質の項を参照)エイシンテンダーのペースがスローだったため前方にいる馬たちに余力があることを考えると、府中(東京競馬場)の直線が長いことを考慮しても絶望的とも思える位置であったが、そこから上がり3ハロン33.3秒と驚異的な末脚を披露し、エアメサイアをクビ差で差し切り優勝した。
さらに、7月3日に開催されたアメリカンオークス(アメリカ・ハリウッドパーク競馬場)では単勝2番人気に推され、3コーナーで先頭に出ると最後の直線コースでは他馬を寄せつけず、単勝1番人気のMelhor Ainda(メリョールアインダ)に4馬身差をつけ、1分59秒03のレースレコードタイムで圧勝した。これは父内国産馬としては初の海外国際G1制覇、日本のクラシックホースとしても初の海外G1制覇、日本調教馬として初のアメリカG1制覇となった。当地の実況アナウンサーが興奮して“Japanese superstar Cesario!”と絶叫した様子は日本のニュース等でも広く伝えられた。
しかし、競走中に繋靭帯炎を発症し、長期休養を余儀なくされた。同年JRA賞では、ライバルのラインクラフトを抑えて最優秀3歳牝馬、最優秀父内国産馬を受賞した。
その後、復帰へ向けた調教が行われていたが、調教中に繋靭帯炎を再発し、2006年4月5日に引退を発表し、4月19日に競走馬登録を抹消された。
なお、シーザリオについて主戦騎手を務めていた福永祐一はサラブレ2009年3月号にて「僕が乗った中での最強牝馬。それも群を抜いていた」と語っている。
引退後
引退時期が日本では種付けシーズンでもあったため、早い段階でキングカメハメハと交配し、2007年5月2日に黒鹿毛の牡馬(トゥエルフスナイト)を出産した他、2008年4月22日にも青鹿毛の牝馬(ヴァイオラ)を出産したが、ヴァイオラは2011年5月に蹄葉炎の悪化により死亡、トゥエルフスナイトも体質の弱さなどが原因で1戦1勝しただけで同年7月23日付で競走馬登録抹消するなど、体質の弱いケースが目立つ。第3子エピファネイアが2013年の菊花賞に優勝した。
馬名 | 誕生年 | 毛色 | 父 | 性 | 厩舎 | 馬主 | 戦績 | |
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第1子 | トゥエルフスナイト | 2007年 | 黒鹿毛 | キングカメハメハ | 牡 | 栗東・角居勝彦 | キャロットファーム | 1戦1勝(引退) |
第2子 | ヴァイオラ | 2008年 | 青鹿毛 | キングカメハメハ | 牝 | 栗東・角居勝彦 | キャロットファーム | (死亡) |
第3子 | エピファネイア | 2010年 | 鹿毛 | シンボリクリスエス | 牡 | 栗東・角居勝彦 | キャロットファーム | 10戦5勝 |
第4子 | ロザリンド | 2011年 | 黒鹿毛 | シンボリクリスエス | 牝 | 栗東・角居勝彦 | キャロットファーム | 3戦0勝 |
第5子 | クローディオ | 2012年 | 鹿毛 | ハービンジャー | 牡 | 栗東・石坂正 | キャロットファーム | |
第6子 | 2013年 | 黒鹿毛 | キングカメハメハ | 牡 |
競走成績
年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
倍率 (人気) |
着順 | 距離 | タイム (上り3F) |
騎手 | 勝ち馬 / (2着馬) | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2004. | 12. | 25 | 阪神 | 2歳新馬 | 18 | 2 | 4 | 4.2(2人) | テンプレート:Color | 芝1600m(良) | 1:36.7 (34.6) | 福永祐一 | (ダンツクインビー) | |
2005. | 1. | 9 | 中山 | 寒竹賞 | 18 | 4 | 7 | 10.3(4人) | テンプレート:Color | 芝2000m(良) | 2:01.6 (35.3) | 福永祐一 | (アドマイヤフジ) | |
3. | 19 | 中山 | フラワーC | テンプレート:Color | 14 | 2 | 2 | 1.4(1人) | テンプレート:Color | 芝1800m(良) | 1:49.0 (34.4) | 福永祐一 | (スルーレート) | |
4. | 10 | 阪神 | 桜花賞 | テンプレート:Color | 18 | 4 | 7 | 3.9(1人) | 2着 | 芝1600m(良) | 1:33.5 (34.4) | 吉田稔 | ラインクラフト | |
5. | 22 | 東京 | 優駿牝馬 | テンプレート:Color | 18 | 2 | 4 | 1.5(1人) | テンプレート:Color | 芝2400m(良) | 2:28.8 (33.3) | 福永祐一 | (エアメサイア) | |
7. | 3 | 米国 | アメリカンオークス | テンプレート:Color | 13 | 13 | 5.4(2人) | テンプレート:Color | 芝2000m(良) | 1:59.03 | 福永祐一 | (Melhor Ainda) |
受賞
- JRA賞最優秀3歳牝馬(2005年)
- JRA賞最優秀父内国産馬(2005年)
- アメリカンオークス制覇の偉業が称えられ、2006年12月9日にアメリカ・ハリウッドパーク競馬場の第3競走にて、「シーザリオステークス」が開催された。
血統表
シーザリオの血統サンデーサイレンス系(ヘイルトゥリーズン系) / Northern Dancer 5×3=15.63%、Hail to Reason 4×5=9.38%、Turn-to 5×5=6.25%、Almahmoud 5×5=6.25% | |||
父 スペシャルウィーク 1995 黒鹿毛 |
* サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
キャンペンガール 1987 鹿毛 |
マルゼンスキー | Nijinsky II | |
* シル | |||
レディーシラオキ | * セントクレスピン | ||
ミスアシヤガワ | |||
母 * キロフプリミエール Kirov Premiere 1990 鹿毛 |
Sadler's Wells 1981 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Fairy Bridge | Bold Reason | ||
Special | |||
Querida 1975 黒鹿毛 |
Habitat | Sir Gaylord | |
Little Hut | |||
Principia | Le Fabuleux | ||
Pia F-No.16-a |
- 祖母の産駒からは函館スプリントステークス2着のマザーメリーやオープン馬だったイブキウッドマンがいる。