モダニズム文学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
モダニズム文学(モダニズムぶんがく)は、20世紀文学の一潮流で、1920年前後に起こった前衛運動をさす。都市生活を背景にし、伝統を否定した前衛的な文学運動。ヨーロッパ、アメリカ合衆国、日本、ラテンアメリカなど各国でその動向が見られる。
ヨーロッパ
ヨーロッパでは第一次世界大戦後のイギリスを中心に起こった。ジェームズ・ジョイス(『ユリシーズ』)、エリオット(『荒地』)、ヴァージニア・ウルフ、エズラ・パウンド、イェイツ、ウインダム・ルイスなど。フランス文学では、プルースト、アンドレ・ジッド、ポール・ヴァレリーらが代表的なモダニズムの作家・詩人である。
日本
日本では昭和初期から欧米の文芸作品、超現実主義などの文芸思潮の紹介を介して根付いた。横光利一、川端康成などの新感覚派の作品、吉行エイスケや龍胆寺雄などの風俗的なモダン趣味、現代詩初期の運動などが、日本のモダニズム文学の出発点と考えられている。小説の分野ではモダニズムの影響は表層的一過的であったが、現代詩の分野では、詩誌「詩と詩論」などの昭和初期のモダニズム運動から始まった流れは、戦後も詩誌「荒地」、「凶区」の詩、吉岡実の詩など、一貫した影響を残した。