ディンキン族
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数学において、ディンキン族(ディンキンぞく、Dynkin system)あるいは λ-族とは、ある集合の部分集合の族であって、測度と親和性の良いいくつかの条件を満たすものである。
定義
集合 X 上のディンキン族とは、X の部分集合の族 <math>\mathcal{D}</math> であって、以下の条件を満たすものをいう:
- X は <math>\mathcal{D}</math> の元である。
- A1, A2, ... が単調増大な <math>\mathcal{D}</math> の元の列ならば、それらの和集合 <math>\bigcup_{n=1}^{\infty}A_n</math> も <math>\mathcal{D}</math> の元である。
- A, B が <math>\mathcal{D}</math> の元で A ⊃ B が成立するならば、それらの差集合 <math>A\setminus B</math> も <math>\mathcal{D}</math> の元である。
ディンキン族定理
集合 X の部分集合族 <math>\mathcal{A}</math> が
- <math>
A,B\in\mathcal{A}\implies A\cap B\in\mathcal{A}
</math> を満たすならば、<math>\mathcal{A}</math> を含む最小のディンキン族は <math>\mathcal{A}</math> を含む最小の完全加法族に一致する。これをディンキン族定理という。