村井吉敬
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村井 吉敬(むらい よしのり、1943年8月20日 - 2013年3月23日[1])は日本の経済学者。専門は東南アジアの経済史。
経歴
千葉県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。上智大学外国語学部教授、早稲田大学アジア研究所客員教授を経て、早稲田大学アジア太平洋研究所上級研究員、アジア研究機構教授。父は元早稲田大学総長の村井資長。妻は内海愛子。
インドネシアを中心に東南アジアの開発問題を研究し、その過程で日本のODA政策がこれらの地域を開発するどころか、文化や環境の破壊を促していると批判している。
2013年3月23日、69歳で死去。
著書
単著
- 『スンダ生活誌――変動のインドネシア社会』(日本放送出版協会[NHKブックス]、1978年)
- 『スラウェシの海辺から――もうひとつのアジア・太平洋』(同文館出版、1987年)
- 『エビと日本人』(岩波書店[岩波新書]、1988年)
- 『サシとアジアと海世界 環境を守る知恵とシステム』(コモンズ 1998年)
- 『グローバル化とわたしたち――国境を越えるモノ・カネ・ヒト』(岩崎書店、2006年)
- 『エビと日本人II――暮らしのなかのグローバル化』(岩波書店[岩波新書]、2007年)
- 『ぼくが歩いた東南アジア 島と海と森と』(コモンズ 2009年)
- 『パプア 森と海と人々』(めこん 2013年)
共著
- (甲斐田万智子)『誰のための援助?』、岩波書店(岩波ブックレット)、1987年
- (内海愛子)『シネアスト許泳の「昭和」 - 植民地下で映画づくりに奔走した一朝鮮人の軌跡』、凱風社、1987年
- (内海愛子)『赤道下の朝鮮人叛乱』、勁草書房、1987年
- (西川潤)『越境民主主義時代の開発と人権』、明石書店、1995年
- (佐伯奈津子)『インドネシア - スハルト以後』、岩波書店(岩波ブックレット)、1998年
- (佐伯奈津子・久保康之・間瀬朋子)『スハルト・ファミリーの蓄財』、コモンズ、1999年
- 増田与、後藤乾一、村井吉敬『現代インドネシアの社会と文化』現代アジア出版会、1979年
- (佐伯奈津子・間瀬朋子)『現代インドネシアを知るための60章』(明石書店 2013年)
編著
- 『漫画で読む東南アジア』、筑摩書房、1992年(ちくま文庫、1996年)
- 『検証ニッポンのODA』、学陽書房、1992年
- 『アジアを考える本・近くて遠い国(1)アジアってなに?』、岩崎書店、1995年
- 『アジアを考える本・近くて遠い国(7)アジアとどうつきあうか?』、岩崎書店、1995年
共編著
- 『アジアと私たち - 若者のアジア認識』、三一書房、1988年
- (ODA調査研究会)『無責任援助ODA大国ニッポン - フィリピン、タイ、インドネシア現地緊急リポート』、JICC出版局、1989年
- (鶴見良行)『道のアジア史 - モノ・ヒト・文化の交流』、同文舘出版、1991年
- (鶴見良行)『エビの向こうにアジアが見える』、学陽書房、1992年
- (藤林泰)『ヌサンタラ航海記』、リブロポート、1994年
- (越田稜・吉岡淳)『国境の人びと - トランスボーダーの思想』、古今書院、1994年
- (北沢洋子)『顔のない国際機関 - IMF・世界銀行』、学陽書房、1995年
- (尾本惠市・濱下武志・家島彦一)『海のアジア(全6巻)』、岩波書店、2000年-2001年
- (佐伯奈津子)『インドネシアを知るための50章』、明石書店、2004年
- (安野正士・デヴィット・ワンク)『グローバル社会のダイナミズム――理論と展望』(ぎょうせい、2007年)
訳書
- レンドラ『ナガ族の闘いの物語』めこん、1997年
注
- ↑ 村井吉敬さん死去 東南アジアの開発・環境問題を研究 朝日新聞 2013年3月23日