水若酢神社
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テンプレート:神社 テンプレート:Mapplot 水若酢神社(みずわかすじんじゃ)は、島根県隠岐郡隠岐の島町にある神社。式内社(名神大社)、隠岐国一宮。旧社格は国幣中社で、現在は神社本庁の別表神社。
旧五箇村全村の信仰を集めた。
祭神
- 主祭神
- 水若酢命 (みずわかすのみこと)
- 配神
- 中言神 (なかことのかみ)
- 鈴御前 (すずごぜん)
祭神の由来などは不明。
歴史
火災・水害などで記録が逸失し創建は未詳だが、仁徳天皇の時代の創建とされる。隠岐島後(どうご)北部、重栖(おもす)川上流に位置し、旧穏地郡の郡家所在地とされる。古くから隠岐北部の中心で、周囲には小規模な古墳もあった。公式な記録では『続日本後紀』に、承和9年(842年)に隠岐国の他の3社とともに官社に預かったとあるのが最初。『延喜式神名帳』には「穏地郡 水若酢命神社 名神大」とあり、『隠岐国神名帳』には「正三位」とある。
大宮司を称する社家の忌部氏は、天文年間に、地元の勢力とともに隠岐国造の隠岐宗清への反抗運動を起こした。幕末には社内の私塾「膺懲館」で尊皇攘夷を広め、隠岐騒動に影響を与えた。
明治4年(1871年)に国幣中社に列し、社名を「水若酢神社」に改めた。
平成17年(2005年)6月に関係者らにより、伝承・民俗などを記した『水若酢神社』(学生社)が出版された。
境内
- 切妻造妻入、茅葺き。桁行(側面)2間、梁間(正面)3間の身舎(もや)の前面に片流れ・檜皮葺きの庇を付した隠岐造で、棟に千木・鰹木を置く。春日造と異なり、切妻屋根と正面の庇は一体化しない。寛政7年(1795年)の竣工で、国の重要文化財に指定。
文化財
重要文化財(国指定)
- 本殿 - 1992年(平成4年)指定
現地情報
- 所在地
関連図書
- 安津素彦・梅田義彦編集兼監修者『神道辞典』神社新報社、1968年、57頁
- 白井永二・土岐昌訓編集『神社辞典』東京堂出版、1979年、319頁
関連項目
- 由良比女神社 - もう一つの隠岐国一宮