北尾吉孝
テンプレート:Infobox 人物 北尾 吉孝(きたお よしたか、男性、1951年1月21日 - )は、日本の実業家、SBIホールディングス株式会社代表取締役執行役員CEOである。
人物
2005年のライブドアによるニッポン放送買収問題でフジテレビのホワイトナイトとなったことで注目を集めた。強い個性と独特の口調が印象的である。SBIホールディングス株式会社のウェブサイトのトップページから視聴できるSBIチャンネルで北尾自ら経営戦略等を語りIRにも力を入れている。
2006年には、母校である兵庫県立神戸高等学校が寄付を募っていることを受け、1,000万円を寄付した。また創立110周年記念式典において講演を行った。
2007年、母校である慶應義塾創立150年記念事業に、1億円寄付した。
大学時代の同級生には、俳優の中村雅俊がいた(入学した年も学部も同じであるが、知り合いかどうかは不明)。
近年は数学者岡潔の思想研究も行っている。
経歴
- 1951年1月21日生まれ 兵庫県出身
- 1969年 兵庫県立神戸高等学校卒
- 1974年 慶應義塾大学経済学部卒、野村證券株式会社入社 総合企画室
- 1978年 ケンブリッジ大学経済学部卒(クライスツ・カレッジ[1])、野村證券株式会社海外投資顧問室
- 1982年 同ニューヨーク拠点(NSI)
- 1987年 同第二事業法人部次長
- 1989年 ワッサースタイン・ペレラ社常務取締役(ロンドン)
- 1991年 野村企業情報株式会社取締役(兼務)
- 1992年 野村證券株式会社 事業法人三部長
- 1995年 ソフトバンク株式会社の孫正義にソフトバンクの株式公開を担当したことが縁でスカウトされる。ソフトバンク株式会社常務取締役。
- 1999年 ソフトバンク・インベストメント株式会社(現・SBIホールディングス株式会社)代表取締役社長CEO
- 2005年 財団法人SBI子ども希望財団 理事
- 2008年 SBI大学院大学 学長
家系
- 北尾墨香 江戸時代の儒学者
- 曽祖父 大阪朝日新聞の販売を一手に担う北尾新聞舗を経営
- 祖父 旧三井物産入社後、東洋棉花(現豊田通商)の五代目社長
- 北尾精造 洋書の輸入販売会社経営
- 北尾昌大 甥。電通に勤務、CMプランナー。
- 中田カウス 吉本興業所属芸人。カウスの妻が北尾吉孝の親戚にあたる[2]。
- 家系には慶應義塾出身者が多い。母親は香港で生まれ、中国天津に幼少時代を過ごしていた。
- 幼少期から「論語」をはじめとした中国古典に親しみ、貪るように多くの文献に目を通し、以後の人生観に大きく影響したという。
孫正義との関係
ブロードバンド事業に注力する孫正義との経営方針の違いから不仲説がマスコミで取り沙汰され、2002年には「現在の事業が全部成功すれば、2、3年後には(グループから)撤退し、慈善事業に集中したい」と述べた。実際ソフトバンク・インベストメント株式会社(現・SBIホールディングス株式会社)はソフトバンク株式会社の子会社であるソフトバンク・ファイナンス(のちのソフトバンク・エーエム、現在はソフトバンクテレコム株式会社)の子会社だったが現在は増資し解消。2006年8月2日、ソフトバンク・エーエム株式会社が保有するSBIホールディングス株を全株ゴールドマンサックス証券に売却。このことにより、資本的には完全にソフトバンクとの関係はなくなったことになる。
ただし、資本関係解消後もソフトバンクとSBIホールディングスは友好的関係を続けるとのことであり、2006年8月18日の発表によるとソフトバンクと金融ポータル事業の企画、運営等を行う合弁会社の設立について協議を開始している。
北尾はTV番組で「堀江貴文と孫正義の違い」を尋ねられた際に「人々のために役立つことをしようという意識を常に孫さんは持っている。その結果として儲かっているだけ。堀江君は自分のためという意識が強すぎる」と評している。また孫も「定期的にメシを共にする約束で資本関係の解消に応じた」と冗談交じりに語っている。
リーダー論
現在の日本の道徳教育、その背景を問題視としたリーダー論がある。第二次世界大戦後の占領政策の影響があって、「過去の一切の日本的精神、武士道のような精神が否定された」と指摘、ゆえに「日本人が持っていた強靭な精神力、厳しい時代を生き抜ける力を身につけたリーダーでなければこの難しい時代の日本を任せられません」[3]として、中国古典から学び「君子を目指せ 小人になるな」を著書または講演で多数提唱。
提唱によれば、「小人」は個人的な生き方を追求する人。対して、「君子」は徳のそなわった品位の高い人。君子に備わる五つの徳は、「仁」「義」「礼」「智」「信」とする。
君子になる条件は 一、徳性を高める。 二、私利私欲を捨て、道義を重んじる。 三、常に人を愛し、人を敬する心を持つ。 四、信を貫き、行動を重んじる。 五、世のため人のために大きな志を抱く。 六、世の毀誉褒貶を意に介さず、不断の努力を続ける。 の6つに集約され、日々研鑽を重ねることが肝心であるとする。
著書
- 『安岡正篤ノート』(致知出版社、2009年)
- 『逆境を生き抜く名経営者、先哲の箴言』(朝日新聞出版、2009年)
- 『窮すればすなわち変ず』(経済界、2009年)-ブログ本の第二弾
- 『君子を目指せ、小人になるな』(致知出版社、2009年)
- 『時局を洞察する』(経済界、2008年)- SBIマネーワールドで公開しているブログの内容を単行本化
- 『何のために働くのか』(致知出版社、2007年)
- 『進化し続ける経営-SBIグループそのビジョンと戦略』(東洋経済新報社、2005年)
- 『中国古典からもらった「不思議な力」』(三笠書房、2005年)
- 『人物をつくる―真の経営者に求められるもの』(PHP研究所、2003年)
- 『不変の経営・成長の経営―伸びる会社はどこが違うのか』(PHP研究所、2000年)
- 『「価値創造」の経営』(東洋経済新報社、1997年)
脚注
関連項目
- SBIホールディングス
- ソフトバンク
- SBI証券(2008年7月、SBIイー・トレード証券より商号変更)
- 野村證券
- 安岡正篤
- 孫正義
- J SPORTS - 設立時の代表取締役社長(当時の社名はスカイエンターテイメント株式会社)。
外部リンク
- SBIマネーワールド
- 北尾のブログ(SBIマネーワールド内:要会員登録)
- テンプレート:Twitter
- ↑ A. Samuelsonとノーベル経済学賞』
- ↑ 芸能界復帰へ前進 紳助と中田カウスの電撃和解裏(「週刊実話」2011年12月13日閲覧)
- ↑ JBpressインタビュー:中国古典の薦め