プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ
プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ(Premiata Forneria Marconi)は、1970年[1]にイタリアで結成されたプログレッシブ・ロック・バンド。1973年からの国際展開に際してピート・シンフィールドの発案[2]でP.F.M.、或いはPFMという略称が使用された[3]が、母国イタリアでは引き続きフル・ネームが使用されていた。
概歴
当初はI Quelli(イ・クエッリ)というバンド名で、ディスキ・リコルディから1965年にシングル盤でデビュー。ルーチョ・バッティスティ(Lucio Battisti)のレコーディングに参加した時、バッティスティからバンドを再編成する事をアドバイスされ、確執のあったメンバーと袂を分かち[4]、プレミアータ・フォルネリア・マルコーニとして1970年12月[4]に再スタートした。
1971年はイエスやディープ・パープル等のイタリア公演で前座を務めて[4]イタリアの聴衆への認知度を高めていった。そして1972年3月、ルーチョ・バッティスティのレーベルであるヌメロ・ウーノ(Numero Uno)から、アルバム『幻想物語』でデビュー。イタリア国内チャートで最高4位まで上昇し、さらに同年暮れにはセカンドアルバム『友よ』をリリースした。これと前後してELPのイタリア公演の前座として出演し、それがきっかけとなってグレッグ・レイクに注目されてイギリスに招かれ、『友よ』をベースとした英語詞主体のアルバム『幻の映像』[5]を制作、1973年3月にロンドンのABCフラム劇場でイギリスでの初ステージを実現し、さらに8月のレディングのロック・フェスティバルに出演。このステージが聴衆から高い評価を得た[6]。この時のラインナップはフラヴィオ・プレーモリ(キーボード、ボーカル)、フランツ・ディ・チョッチョ(ドラム、ボーカル)、ジョルジオ・ピアッツァ(ベース)、フランコ・ムッシーダ(ギター、ボーカル)、マウロ・パガーニ(バイオリン、フルート、ヴォーカル)の5人編成だったが、9月にマンティコア・レーベルから国際デビューした前後に、ベースがピアッツァからアレアに在籍していたヤン・パトリック・ジヴァスに交代した。
日本でも国際デビュー直後からマスコミに注目され[6]、1975年11月にはボーカルのベルナルド・ランゼッティ(Bernardo Lanzetti)を加えた6人編成で来日して東京(2回)/名古屋/大阪の合計4回公演を行っている[6]。
その後、1976年のアルバム『チョコレート・キングス』リリース後にマウロ・パガーニが脱退するなど、グループの改編が続き、1977年にリリースした『ジェット・ラグ』を最後に主軸となる歌詞をイタリア語に戻すなどの変化が生じた。さらにメンバーチェンジを経て、2010年6月現在はディ・チョッチョ、ムッシーダ、ジヴァスの3人[7]が正式メンバーとして在籍。数度の休止を挟みつつも長年にわたる音楽活動を続けている。
2002年、1975年以来となった2度目の来日公演を催行、その模様は『ライブ・イン・ジャパン 2002』というCDとDVDとしてリリースされ、さらに2006年にも来日している。 また、近年、不定期で、ファブリツィオ・デ・アンドレ(イタリアの個性派・シンガーソングライター。故人。かつてPFMがバック・バンドを務めてイタリア国内を巡業した)をトリビュートするライヴを行なっており、その模様を収めたDVD "PFM Canta de Andre"、トリビュートCD "A.D.2010 - La Buona Novella" も発表している。2011年には プログレッシヴ・ロック・フェスに出演のため4回目の来日をしている。
アルバム・ディスコグラフィー
オリジナル・アルバム
- 1969年 - Quelli(PFM名義になる以前の「I Quelli」としての作品)
- 1972年 - 幻想物語 - Storia di un minuto
- 1972年 - 友よ - Per un amico
- 1973年 - 幻の映像 - Photos of Ghosts
- 1974年 - 甦る世界(イタリア語盤) - L'isola di niente
- 1974年 - 甦る世界(英語盤) - The World Became the World
- 1976年 - チョコレート・キングス - Chocolate Kings
- 1977年 - ジェット・ラグ - Jet Lag
- 1978年 - パスパルトゥ - Passpartù
- 1980年 - スオナーレ・スオナーレ - Suonare suonare
- 1981年 - コメ・ティ・ヴァ - Come ti va in riva alla città
- 1984年 - PFM? PFM! - PFM? PFM!
- 1987年 - ミス・ベイカー - Miss Baker
- 1997年 - Ulisse
- 2000年 - Serendipity
- 2005年 - Dracula Opera Rock
- 2006年 - Stati di immaginazione
- 2010年 - AD2010 PFMとアンドレの新しい旅 - A.D. 2010 - La buona novella
- 2013年 - イン・クラシック〜モーツアルトからの祭典 - PFM in Classic - Da Mozart a Celebration
ライブ・アルバム
- 1974年 - クック=ライヴ・レコーディング - Live in USA
- 1979年 - Fabrizio De André in concerto - Arrangiamenti PFM
- 1980年 - Fabrizio De André in concerto - Arrangiamenti PFM Vol. 2º
- 1982年 - パフォーマンス - Performance
- 1996年 - ライヴ・ヒストリー1971〜1981 - 10 Anni Live - 1971-1981
- 1996年 - アブソルートリー・ライヴ1971〜1978 - Absolutely live 1971-1978
- 1998年 - www.pfmpfm.it (il Best) - www.pfmpfm.it (il Best)
- 2003年 - ライヴ・イン・ジャパン2002 - Live in Japan 2002
- 2004年 - 再会、そして劇的な邂逅…〜ライヴ・アット・シエナ2003・フィーチュアリング・マウロ・パガーニ - Piazza del Campo
- 2008年 - アンドレの詩 - PFM canta De André
- 2012年 - ライヴ・イン・ローマ・フィーチュアリング・イアン・アンダーソン(ジェスロ・タル) - Live in Roma
- 2014年 - セレブレイション・デイ〜ライヴ・アット・ローリング・ストーン・ミラノ 2007
コンピレーション・アルバム
- 1976年 - PFM The Award-Winning Marconi Bakery
- 1976年 - Prime impressioni
- 1976年 - Celebration
- 1977年 - Antologia
- 1982年 - SuperStar Collection
- 1988年 - L'album di... PFM
- 1990年 - Il rock
- 1993年 - I grandi del rock
- 1994年 - PFM Story
- 1997年 - A Celebration
- 1998年 - Gli anni '70
- 2000年 - ベスト・オブ・PFM - Pieces from Manticore
- 2001年 - Golden Collection
- 2007年 - 35...e un minuto
- 2010年 - River of Life: The Manticore Years Anthology 1973-1977
- 2012年 - PFM Celebration 1972-2012
外部リンク
脚注
- ↑ I Quelliとしては1964年に結成されている。
- ↑ ライブアルバム『クック=ライブレコーディング=』の国内盤CD(VICP-63229)の解説より。
- ↑ アルバム『幻の映像』の裏ジャケットや、それ以降の『甦る世界』、『チョコレート・キングス』、『ジェット・ラグ』などのジャケットにもこの略称が使用されている。また、イタリア国内展開時のファーストアルバム『幻想物語』のCDジャケットにも、この略称は使用されている。
- ↑ 4.0 4.1 4.2 アルバム『幻の映像』日本国内盤CD(KICP 2701)のライナーノーツの解説より。
- ↑ ピート・シンフィールドが2曲のプロデュース及び英語詞を担当している。
- ↑ 6.0 6.1 6.2 アルバム『友よ』日本国内盤CD(K32Y 2156)の解説より。
- ↑ ライヴでは数名サポートが加わる。