永井均

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2013年11月6日 (水) 15:19時点におけるNureginu (トーク)による版
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

永井 均(ながい ひとし、1951年11月10日 - )は、日本哲学者日本大学教授。自我論・倫理学などを専門分野とする。東京都出身。

哲学・人物

自我論では、独自に〈私〉という術語を創出し、これを中心に議論を進めている。永井によれば、歴史上のあらゆる哲学は「どうして自分だけが私なのか、どうして他者は私ではないのか」というアポリアに答えを与えられず、その意味で哲学は始まってすらいないという。〈私〉とは、言語によって抹消されるために論じることはきわめて難しいが、しかし「私」概念の理解の根底に痕跡を残しているなにものかであるという。永井はこの概念を武器に、他我問題などの哲学上の難問へと切り込んでゆく。近著『なぜ意識は実在しないのか』では、〈私〉という術語こそ用いていないが、チャーマーズの『意識する心』を批判的に検証した。「他の誰でもない私」を偏重して論じるため、独我論またはそれに近接する学説として扱われることも多い。

またウィトゲンシュタインニーチェなどの研究も行っている。西田幾多郎の哲学についても解説書(永井の言によるなら、西田哲学を使って独立に哲学した本)を書いている。

2008年4月から10月まで、朝日新聞夕刊上で悩み相談も行っていた。

経歴

著書

単著

  • 『〈私〉のメタフィジックス』(勁草書房1986年
  • 『〈魂〉に対する態度』(勁草書房 1991年
  • 『ウィトゲンシュタイン入門』(ちくま新書1995年
  • 『翔太と猫のインサイトの夏休み――哲学的諸問題へのいざない』(ナカニシヤ出版、1995年、ちくま学芸文庫2007年
  • 『〈子ども〉のための哲学』(講談社現代新書1996年
  • 『ルサンチマンの哲学』(河出書房新社1997年)『道徳は復讐である』文庫
  • 『子どものための哲学対話――人間は遊ぶために生きている!』(講談社、1997年、講談社文庫、2009年
  • 『〈私〉の存在の比類なさ』(勁草書房、1998年)のち講談社学術文庫 
  • 『これがニーチェだ』(講談社現代新書、1998年)
  • 『マンガは哲学する』(講談社、2000年)のち岩波現代文庫 
  • 『転校生とブラック・ジャック――独在性をめぐるセミナー』(岩波書店2001年)のち現代文庫 
  • 『倫理とは何か――猫のアインジヒトの挑戦』(産業図書2003年)のちちくま学芸文庫 
  • 『私・今・そして神――開闢の哲学』(講談社現代新書、2004年
  • 西田幾多郎――「絶対無」とは何か』(NHK出版、2006年
  • 『なぜ意識は実在しないのか』(岩波書店、2007年)
  • 『ヴィトゲンシュタインの誤診―『青色本』を掘り崩す』(ナカニシヤ出版、2012年) 
  • 『哲学の密かな闘い』(ぷねうま舎、2013年)
  • 『哲学の賑やかな呟き』(ぷねうま舎、2013年)

共著

  • 小泉義之)『なぜ人を殺してはいけないのか?』(河出書房新社、1998年)

共編著

訳書

共訳

関連項目

外部リンク

テンプレート:心の哲学

執筆の途中です この「永井均」は、哲学に関連した書きかけ項目です。この記事を加筆・訂正して下さる協力者を求めていますPortal:哲学)。
テンプレート:Academic-bio-stub