信金中央金庫
テンプレート:基礎情報 銀行 信金中央金庫(しんきんちゅうおうきんこ、Shinkin Central Bank、略称「信金中金」・「SCB」)は日本の金融機関の一つである。信用金庫の系統中央機関である。
概要
発祥は1950年に設立された「全国信用協同組合連合会」である。その後、1951年に「全国信用金庫連合会」(全信連)に改組し、2000年10月に現名称となった。信用金庫法に基づき、「全国を地区とする信用金庫連合会」は、その名称中に「信金中央金庫」を用いることが義務付けられており、また国際業務を行うことも認められている。この業務を行えるのは2010年6月現在で信金中金が日本で唯一である。いわば「信用金庫の中央金融機関」、「信用金庫の中央銀行的存在」であり、全国の信用金庫に対して経営指導や財政支援などをおこなう。「信用金庫の守護神」とも言われるゆえんである。
全信連は従来より「しんきんセントラルバンク」の愛称があったが、信金中央金庫への名称変更により「しんきんセントラルバンク」は英文での正式名称となった。統一金融機関コード(いわゆる「銀行コード」)は、1000。国内営業店は13か店(北海道、東北、東京、北陸、静岡、名古屋、大阪、神戸、岡山、中国、四国、福岡、南九州)、海外拠点は4か所(ニューヨーク駐在員事務所、香港駐在員事務所、上海駐在員事務所、バンコク駐在員事務所。かつてはロンドンにも駐在員事務所があった)である。
「信用金庫連合会の一種」とされるため、小切手法の適用については銀行と同視される。
2010年3月31日現在、出資金は4,909億円(うち優先出資金909億円)。信金中金の発行する優先出資証券については2000年12月より東京証券取引所に上場している(証券コード:8421)。ただし、一般の上場株券とは違い、一部の証券会社では優先出資証券を取り扱っていない場合がある。
主に会員向けに融資や預金受入れなどを行なっており、会員外に対する融資や預金受入れについても条件さえ充足すれば可能である。信用金庫を通じた代理貸付制度もある。信用金庫に対する支援として以前は「信用金庫相互援助制度」があったが、現在は「経営分析」・「経営相談」・「資本増強」の3本柱からなる「信用金庫経営力強化制度」が創設されている。
その他には利付信金中金債券「リツレン」と呼ばれる金融債を発行している。ただし、この商品は類似した通称の付いた債券を発行する他の金融債発行金融機関とは異なり、個人向けには売り出されておらず、法人・機関投資家向けの募集債(かつてみずほコーポレート銀行が発行していた債券と同様のもの)である。
沿革
- 1950年5月 - 全国信用協同組合連合会設立
- 1951年11月 - 全国信用金庫連合会へ組織変更
- 1951年12月 - 地方公共団体に対する貸付を開始
- 1953年9月 - 東京都公金収納事務の取扱開始
- 1956年10月 - 信用金庫からのコールマネー(金庫短期資金:1959年7月-)の受入開始
- 1958年12月 - 代理貸付制度の取扱開始
- 1959年10月 - 中小企業退職金共済事業団の代理業務の取扱開始
- 1960年8月 - 連結子会社として、全国信用不動産株式会社設立
- 1964年5月 - 政府保証債の引受開始
- 1966年1月 - 国債引受けシンジケート団に加入
- 1971年10月 - 信用金庫相互援助資金制度を創設
- 1982年4月 - 外国為替業務の取扱開始
- 1983年4月 - 公共債の窓口販売業務の取扱開始
- 1985年2月 - 連結子会社として、全国しんきん抵当証券株式会社および株式会社しんきん情報システムセンター(SSC)設立
- 1989年12月 - 全信連債券(しんきん中金債券:2000年10月-)(5年もの利付金融債)の発行開始
- 1990年10月 - 連結子会社として、全信連インターナショナル株式会社(ZIL)設立
- 1990年12月 - 連結子会社として、全信連ビジネスサービス株式会社(ZBS)および全信連投資顧問株式会社設立
- 1991年11月 - CPのプライマリー・ディーラー業務の取扱開始
- 1993年6月 - 私募債の受託業務の取扱開始
- 1993年11月 - 2年もの利付金融債の発行開始
- 1994年2月 - 連結子会社として、株式会社しんきん信託銀行設立
- 1996年9月 - 連結子会社として、しんきん証券株式会社設立
- 1998年12月 - 全信連投資顧問株式会社の社名をしんきんアセットマネジメント投信株式会社に変更
- 1999年3月 - 全国信用不動産株式会社(連結子会社)の株式譲渡により非子会社化
- 2000年3月 - 全国しんきん抵当証券株式会社(連結子会社)清算
- 2000年10月
- 名称を全国信用金庫連合会から信金中央金庫に変更
- 全信連インターナショナル株式会社の社名をしんきんインターナショナル株式会社に変更
- 全信連ビジネスサービス株式会社の社名をしんきん中金ビジネス株式会社に変更
- 2000年12月
- 7年ものおよび10年もの利付金融債の発行開始
- 優先出資証券(証券コード:8421)を東京証券取引所に上場
- 2001年4月 - 信用金庫経営力強化制度(経営分析・経営相談・資本増強)の運営開始
- 2001年6月 - 連結子会社として、信金キャピタル株式会社設立
- 2002年7月
- しんきんインターナショナル株式会社を信金インターナショナル株式会社に邦文表記変更
- しんきん中金ビジネス株式会社の社名を信金中金ビジネス株式会社に変更
- 2002年11月 - 連結子会社として、信金ギャランティ株式会社設立
- 2002年12月 - 信用金庫から2,057億円の劣後ローン取入れ
- 2006年2月 - 証券化のために設立された特別目的会社への譲渡を前提とした劣後ローン1,000億円の取入れ
- 2007年12月 - 本店を現在地(東京都中央区八重洲一丁目3番7号)に移転
- 2008年7月 - 本店京橋出張所を開設(旧本店所在地)
- 2008年9月 - 信用金庫から2,269億円の劣後ローン取入れ
- 2009年6月 - 普通出資を4,000億円に増額
- 2009年8月 - 優先出資1口を2口に分割
- 2009年9月 - 全国信用不動産株式会社の株式買取により連結子会社化(同社の100%子会社である信金パートナーズ株式会社を連結子会社化)
- 2009年11月 - 信金中金ビジネス株式会社(連結子会社)が全国信用不動産株式会社(連結子会社)を吸収合併
歴代会長・理事長一覧
名称 | 氏名 | 任期 | 前歴 |
---|---|---|---|
初代会長 | 酒井熊次郎 | 1950年-1956年 | 城南信用金庫理事長 |
第2代会長 | 村上義之助 | 1957年-1963年 | 埼玉縣信用金庫理事長 |
第3代会長 | 小原鐵五郎 | 1963年-1989年 | 城南信用金庫会長 |
第4代会長 | 山口勇 | 1989年-1994年 | 朝日信用金庫会長 |
初代理事長 | 宮本保孝 | 1993年-2005年 | 信金中金理事相談役・大蔵省銀行局長・理財局長 |
第2代理事長 | 中平幸典 | 2005年-2009年 | 信金中金理事相談役・大蔵省財務官・国際金融局長 |
第3代理事長 | 田邉光雄 | 2009年-現在 | 信金中金副理事長・専務理事・常務理事・理事大阪支店長・理事財務企画部長 |
関連会社・法人
- 株式会社しんきん信託銀行
- しんきん証券株式会社
- 信金インターナショナル株式会社
- しんきんアセットマネジメント投信株式会社 - 投資信託委託顧問業
- 信金ギャランティ株式会社 - 「しんきんきゃっする」名称のカードローン商品の信用保証業。プロミスへ再保証委託している。
- 信金キャピタル株式会社 - ベンチャーキャピタル業
- 株式会社しんきん情報システムセンター
- 信金中金ビジネス株式会社
- 社団法人全国信用金庫協会
- 社団法人しんきん保証基金 - 個人向けローン・事業者向け融資の信用保証業。
- 信金パートナーズ株式会社
- 全国信用金庫厚生年金基金
テレビCM
提供番組
現在
なし
過去
- 日本テレビ火曜9時枠連続ドラマ(日本テレビ)
- 野生の王国(腸捻転解消後。毎日放送制作TBS系)
ラジオ
- TBSラジオ エキサイトベースボール など - ともに「信用金庫・全信連」のクレジット扱い(各30秒×1)。