シュウェップス
シュウェップス (Schweppes) は、世界各国で販売されるソフトドリンク・炭酸水のブランドである。
歴史
18世紀末にドイツ人の時計技師であり発明家のヨハン・ヤコブ・シュヴェッペ(Johann Jacob Schweppe)が炭酸ミネラルウォーターを製造する機械を開発し、1783年にジュネーヴでシュウェップス社を創業。その後事業拡大のため会社をロンドンに移転。
主な商品としては、ジンジャーエール(1870年)、ビター・レモン(1957年)、トニック・ウォーター(最古の清涼飲料水とも言われる・1771年)がある。
かつて、天然の炭酸水を利用していたことから泉のマークが用いられている。また、20世紀に登場した他のソフトドリンクメーカーの飲料よりも総じて炭酸は控えめとなっている。
世界各国への進出が行われているが、現在は国によって製造者は異なる。かつてキャドバリー社が元祖シュウェップス社と合併し「キャドバリー・シュウェップス社(Cadbury Schweppes Plc)」(後にキャドバリー社に社名を戻す)となっていたが、アメリカ合衆国では、キャドバリー社からスピンオフした「ドクター・ペッパー・スナップル社(Dr Pepper Snapple Group)」が製造販売を担当している。
また、イギリス、アイルランド、ブラジル、香港、ニュージーランド、ルーマニア、日本では、コカ・コーラ社が製造・販売を担当している。また、ポーランドではペプシコ社が製造を担当している。
なお、1980年代の日本では、このブランドライセンスをアサヒビールが取得し、アサヒビールの清涼飲料ラインナップのひとつとして製造、発売されていた。1996年のアサヒ飲料発足後に伴うアサヒビールグループの事業再編により、1998年にUCC上島珈琲に販売権が移り、2000年11月からは日本コカ・コーラから販売されている。
2008年12月、キャドバリー社はオーストラリアでのシュウェップス飲料事業をアサヒビールに売却し、すべてのシュウェップス関連事業の売却を完了することを発表した[1]。アサヒビールがシュウェップス事業を手掛けるのは10年ぶりである。2009年3月に正式に売買契約を締結、4月末に売却が完了した。なお、オーストラリア飲料最大手であるコカコーラ・アマティル社にも2009年3月までカウンター・オファー(対抗買収)を仕掛ける権利が残されていたが、独占禁止法などの問題から結局行使されなかった。[2]
日本では長らく「トニックウォーター」のみの販売となっていたが、2012年6月に「オランジーナ(日本ではサントリー食品インターナショナルが製造、サントリーフーズが販売[3])の対抗商品として、レモン果汁入りの炭酸飲料「ブリティッシュ レモントニック」を発売[4]。
本製品の発売をきっかけに日本での本格的な展開を始めるようになり、2013年4月には「ブリティッシュ レモントニック」を全面リニューアルした「ビターレモン」を[5]、同年7月には特有の酸味とさわやかな苦みが特徴の「ブラッドオレンジ」を順次発売[6]。
2014年2月には芳醇なグレープ果汁と香り高いカシス果汁をバランスよくブレンドした「カシスグレープ」を[7]、同年6月にはピンクグレープフルーツを中心にライムなどの柑橘系の果汁をバランスよくブレンドしてパッションフルーツのフレーバーを加えることで南国を思わせる芳醇な香りとさわやかな酸味を特徴とした「グレープフルーツパッション」を順次発売[8](「グレープフルーツパッション」の発売に伴い「ブラッドオレンジ」は終売)。同年7月には日本コカ・コーラが発売する製品としては初めて、果実酢(レモン酢・ぶどう酢)を使用したカロリーゼロ設計の「フルーツビネガーゼロ マスカット&レモン」を発売した[9]。