3GPP
3GPP (すりーじーぴーぴー、Third Generation Partnership Project) は、W-CDMAとGSM発展形ネットワークを基本とする第三世代携帯電話(3G)システム及びそれに続く第3.9世代移動通信システムに対応するLTEや、第4世代移動通信システムに対応するLTE-Advancedの仕様の検討・作成を行う標準化プロジェクトである。
目次
概要
アメリカのT1委員会(現、ATIS)、欧州のETSI、日本の電波産業会(ARIB)、情報通信技術委員会(TTC)、韓国のTTAといった各国・各地域の標準化団体により1998年12月に設立された。後に中国CWTS(現、CCSA)も加わった。3GPPはあくまでも標準化団体間の「プロジェクト」であり、法人格は持たない。
3GPPはW-CDMA(UMTS)に関する通信方式やデータフォーマットなどの技術仕様のほか、TD-CDMAに関する技術仕様の検討・作成も行っている。また、当初は第三世代携帯電話の仕様のみを作成していたが、その後検討範囲が拡張され、GSM仕様の拡張・維持管理、GPRS、EDGEの仕様検討作業も3GPPの下で行われている。
プロジェクトに参加する各標準化団体は、3GPPが作成した技術仕様をそれぞれの国・地域の標準規格として制定する。ITUのIMT-2000に関する勧告(ITU-R勧告 M.1457、ITU-T勧告 Q.1741)は各国・各地域の標準規格のドキュメントを参照しており、これによって3GPP仕様は国際標準規格として位置づけられている。
リリース5にはW-CDMAの上位規格であるHSDPAの技術仕様が、リリース6はHSPAや無線インタフェースのアップリンクを強化したE-DCHの技術仕様が含まれている。リリース7はHSPA+を多く含んでおり。リリース8はとリリース9がほぼLTEに対応し、リリース10以降がはLTE Adavancedに対応する。
FOMAとの互換性
NTTドコモがサービスしているFOMAは3GPPが策定しているW-CDMA方式ではあるが、現実には2004年にFOMA基地局の大規模な改修工事を行うまで、海外のW-CDMA方式のサービス(UMTS)との互換性が取れない状態が続いていた。改修工事後は以後のリリースとの互換性が保障されている規格、Release 99に準拠できるように改善され、ローミングの問題はほぼ解決したように考えられている。
これは、NTTドコモがW-CDMAサービスの開始を世界に先駆けて行ったことにも一因がある。W-CDMAの規格の策定にはNTTドコモも関わってきたが、3GPPでの規格策定作業が当初の予定よりも大幅に遅れてしまったにもかかわらず、NTTドコモは2001年サービスインを目指して、まだ規格が固まっていない状況での網構築を進めていた。そのため、その後正式策定されたRelease 99がそれまでのドラフトと互換性がないものとなってしまったことで、FOMA網は他のW-CDMA網と互換性が取れなくなってしまっていた。
3GPPファイルフォーマット
3GPPが規格を定めているファイルフォーマットを3GPPファイルフォーマットと呼ぶ。3GPPファイルフォーマットは、主にMMS(日本でいう写メールやiショットに相当)で動画や音声をメールで送信するために利用される。FOMAのiモーションのファイルフォーマットに採用されている。拡張子は.3gp。
3GPPファイルフォーマット自体はMPEG-4のMP4ファイルフォーマットをベースとしている。採用されているコーデックは以下のとおりである。
条件(MPEG-4のプロファイルとレベル、音声コーデックなど)を満たしたMP4ファイルであれば、QuickTime Proで3GPPファイルフォーマットで書き出すことが出来る。そのため、携帯動画変換君が登場する以前では、QuickTimeによるMPEG-4のエンコード品質に満足できない一部の人々が映像部にXvidを用いたMP4ファイルからQuickTime Proで書き出すことで高画質な3GPPファイルを作成していた。
技術仕様書(TS)と技術報告書(TR)
Project Co-ordination Group (PCG)
WG名 | 議論する種類 | remark |
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TSG GERANGSM EDGE | Radio Access Network | |
GERAN WG1 | Radio Aspects | |
GERAN WG2 | Protocol Aspects | |
GERAN WG3 | Terminal Testing
TSG RANRadio Access Network |
|
RAN WG1 | Radio Layer 1 spec | |
RAN WG2 | Radio Layer 2 spec
Radio Layer 3 RR spec |
|
RAN WG3 | lub spec, lur spec, lu spec
UTRAN O&M requirements | |
RAN WG4 | Radio Performance
Protocol aspects |
|
RAN WG5 | Mobile Terminal
Conformance Testing TSG SAService & Systems Aspects | |
SA WG1 | Services | |
SA WG2 | Architecture | |
SA WG3 | Security | |
SA WG4 | Codec | |
SA WG5 | Telecom Management
TSG CTCore Network & Terminals | |
CT WG1 | MM/CC/SM (lu) | |
CT WG3 | Interworking with external networks | |
CT WG4 | MAP/GTP/BCH/SS | |
CT WG6 | Smart Card Application Aspects |