ギャップ (企業)
ギャップ(Gap Inc.、NYSE:GPS)は、アメリカ最大の衣料品小売店。
自ら製品を企画し、自社製品として委託生産させ、自らのチェーン店で販売する製造小売業(SPA:specialty store retailer of private label apparel)という形態である。これは、1986年にGAPが提唱した概念である。
概要
カリフォルニア州、サンフランシスコに本社があり、日本、カナダ、ヨーロッパに支社を持つ。また、親会社であるギャップ株式会社は、他にオールド・ネイビーとバナナ・リパブリックという小売ブランドを傘下に持つ。2008年の同社報告書によると[1]、世界中で3100店を持ち、134,000人を雇用している。
1969年にユダヤ系アメリカ人のドナルド・フィッシャー (Donald Fisher) とドリス・フィッシャー(Doris Fisher)夫婦によって始められたGAPは、ヒッピー運動と関連して注目されるようになってきた子供と大人の間、いわゆるティーン世代をターゲットにした洋服を手がけることで急成長することになる。1990年までリーバイ・ストラウス社のジーンズを店頭で扱っていたが、それ以後はプライベートブランドを販売している。 GAPの名前の由来は、ドンとドリスが友人たちと“ジェネレーション・ギャップ”について討論していたときに思いついた名前だと言う。
2007年7月からのCEOはグレン・マーフィー(Glenn Murphy)である[2]。かつてのCEOにはポール・プレスラー (Paul Pressler) がいたが、この人は、以前はディズニー社のテーマパーク部門の責任者であった。
ドナルド・フィッシャーは役員会議の会長職を辞しており、息子であるロバート・フィッシャー (Robert Fisher) がその後を継ぐと予想されている。フィッシャー一族は全体の25%の株式を保有しており、依然として大株主である。
オールド・ネイビーは1994年に第一号店を開き、ヒップホップを意識したデザインなど、低価格路線を目指している。1983年に買収したバナナ・リパブリックは、それまでのサファリをイメージした路線を捨て、高級服路線を目指している。
2004年にGAP社はドイツから撤退し、ヨーロッパでの最大の競争相手であるスウェーデンのH&M社にその店舗を売却している。
GAPの企業ロゴは1988年から使用。2010年10月に新ロゴを発表したが、従来とイメージが大きく異なり不評だったため、わずか1週間で新ロゴの採用を撤回している。その過程では消費者からデザイン案を募ったが、これも併せて撤回された[3]。
日本での事業
日本では1994年(平成6年)12月に日本法人 「ギャップジャパン株式会社」を設立し、翌1995年(平成7年)に第一号店を東京の数寄屋橋阪急内に開店した。さらに、1999年(平成11年)には旗艦店を東京・表参道の商業施設「ティーズ原宿」(渋谷区神宮前)に出店、約10年間に渡って営業していた。
2011年(平成23年)、新たな旗艦店として「Gapフラッグシップ銀座」を東京・銀座に開業。
未出店の地域
関連
- ユニクロ(GAPをモデルに、SPA業態に転換)
出典
- ↑ Sharefolder letter
- ↑ Executive Leadership Team Biographies
- ↑ 2011年3月10日の朝日新聞朝刊8面