三菱・デリカ
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テンプレート:Otheruseslist デリカ(DELICA)は、三菱自動車工業が生産・販売している自動車のシリーズである。本項では商用車を中心に記述する。
歴史(デリカバン/デリカトラック)
初代(デリカバン 1969年-1979年/デリカトラック 1968年-1979年)
- 1971年10月
- トラックの最大積載量を750kg積に変更し、デリカ75シリーズとなる。エンジンはギャランFTO1400ccモデルと共通の1.4L・OHVガソリンエンジン(4G41・ネプチューン86エンジン、最高出力86ps)に変更。
- 1977年11月
- カラーリングを大幅に変更。リアバンパーは左右一体式に(バン・ルートバンのみ)。最高出力は78psにデチューンされた。
2代目(デリカバン 1979年-1986年/デリカトラック 1979年-1994年)
- 1979年6月
- フルモデルチェンジ。直線基調のボクシーなスタイルとなり、全幅が小型車サイズ一杯にまで拡大する。
バンは「デリカバンワイド」、デリカコーチは「デリカスターワゴン」となる。
エンジンはサターン4G33型1.4L・82馬力(バン/トラックのみ)。サターン4G32型1.6L・86馬力。1.6Lエンジン車にはバン/ワゴン共に5速MT車も設定された。
- 1982年11月
- マイナーチェンジ。フロントエンブレムが三菱のM字型からMMCマークになる。
同時にワンボックスカー初の4WDをガソリン1.8Lを搭載して追加。
リヤドア後方をストレッチしたロングボディとディーゼルエンジン搭載車(ギャラン系と同じ4D55型2.3L・75馬力)を追加。
オプションの冷房装置が吊り下げクーラーからヒーター組み込みタイプに変更された。
- 1986年6月
- バンとスターワゴンはフルモデルチェンジをしたが、トラックはマイナーチェンジに留まり、ディーゼル車のエンジンを3代目同様の4D56型・2.5Lに変更。これに伴いトラックの2WD車に後輪シングルタイヤ仕様を新たに追加(三方開・高床デッキ仕様および一方開仕様は前輪と同サイズのタイヤが用いられ、三方開・低床デッキ仕様は偏平率が60%の13インチ小径ワイドタイヤが用いられる)。
- 1988年
- トラックに4WDを追加(三方開・高床デッキ、二人乗りのみ)、1994年まで継続生産される。
- 四輪駆動は国産ワンボックスカーとしては初で、当時の同車製1トン積みボンネットトラック、「フォルテ」のシャシに2WDモデルのボディを載せたため、非常に背の高いシルエットとなった[1]。
当時三菱自動車はフルラインターボを標榜し、様々な車種にターボ車を設定していた。デリカはディーゼルターボのみで、エンジンを共有するギャランΣや初代パジェロのようにガソリンターボは設定されなかった。
登場当初は、ワゴンはコラムシフトの1.6Lガソリン車のみであったが、当時のワンボックスワゴンで唯一5MTが設定されていた[2]。
3代目(デリカバン 1986年-1999年/デリカトラック 1994年-1999年、輸出向け 1986年- )
- 1986年6月19日
- フルモデルチェンジ。
- 標準とロングの2種類のホイールベースに、平屋根のエアロルーフかハイルーフが組み合わされる。バン/ワゴン4WDは全高を小型車枠に収める関係でエアロルーフのみ、ワゴン4WDは、標準尺のみでのスタート。バンは両側スライドドア。
- G63B型2.0Lガソリンエンジン。バンには従来と同じ1.4Lと1.6Lのガソリンエンジン。
- 4D56型2.5Lディーゼルエンジン。85馬力のターボと76馬力の自然吸気。
- 1994年5月
- マイナーチェンジ。フロントバンパーおよび、クリアランス&ターンシグナルランプの形状を変更。スターワゴンは主力がスペースギアに移行した為、グレードを大幅に整理。トラックはようやく3代目ベースにフルモデルチェンジされた。
4代目(デリカバン/デリカトラック 1999年-2011年)
- 2010年9月
- マイナーチェンジ。ガソリン車のエンジンを1.8L DOHC16バルブ(マツダ・L8型エンジン)に変更し、出力・トルクを高めて動力性能を向上すると共に、燃費を向上させた。さらに、大型センターコンソールボックスと助手席SRSエアバッグと電動リモコンドアミラーを標準装備。また、トラックは荷台のアオリの高さを45mmアップし、積載性を高めた。なお、一部改良に伴い、グレード体系の見直しを行った。これに伴いトラックの4WDモデルは全車高床によるシングルリアタイヤのみの設定とし、これまでラインアップされていたディーゼルエンジン車が廃止された。
5代目(デリカバン 2011年- )
- 2011年10月6日
- バンをフルモデルチェンジ(10月27日販売開始)。先代同様、OEM車種となっているが、本代は2010年12月に合意した日産自動車との協業に基づき、従来のマツダ・ボンゴバンから日産・NV200バネット(以下「バネット」)に変更(乗用モデルのデリカD:3もバネットベース)。ベース車の変更によりダウンサイジングされたが、全高を高めの1,855mmに設定したことで十分な積載性能を確保。また、全車「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得するとともに、5MT車は「平成22年度燃費基準+20%」、4AT車は「平成22年度燃費基準+25%」をそれぞれ達成した(現在は5MT車は「平成27年度燃費基準+10%」、4AT車は「DX」のみ「平成27年度燃費基準+20%」をそれぞれ達成している)。尚、グレードは「DX」と「GX」の2グレードで、5MT車は「DX」のみの設定となる(尚、「DX」は5人乗り仕様のみの設定で、2人乗り仕様・ルートバンの設定はない)。また、装備内容もバネットと異なっており、バネットではメーカーオプション設定となっている助手席SRSエアバッグが標準装備されるほか、「GX」ではセカンドシート関連のセットオプション(テールゲートアシストベルト・上下調節式ヘッドレスト・6:4分割ベンチシート(リクライニング)・アシストグリップ・ISO FIX対応チャイルドシート固定専用バー・3点式ELR付シートベルト)も標準装備される。
- カタログはデリカD:3のそれにバンのページがある程度である。
- 2012年6月22日
- 同年6月のバネットのマイナーチェンジに伴い、一部改良。全車で安全に関する法規制強化に対応するため、スライドドアの補強を行ったほか、テールゲート内側にハンドルを追加。併せて、車両本体価格が変更となり、1万円値上げされた。
歴史(デリカカーゴ)
初代(1994年-1999年-2005年)
- 1994年5月12日
- スペースギアと同時にデリカカーゴ発売。3代目バン/トラックは継続生産。スペースギアの商用仕様で4ナンバー登録の標準ボディーと、1ナンバー登録のロングボディーを設定。2.0Lガソリンエンジン(115馬力)とインタークーラーのない2.5Lターボディーゼルエンジン(85馬力)のみの設定や、高荷重に対応したリアリーフ式サスペンションなどがデリカスペースギアと異なる。2WD(FR)と4WDをそれぞれ用意。
- 1997年
- スペースギアと共にマイナーチェンジ。ヘッドライト、フロントグリル、バンパーなどが新意匠となる。
- 1999年11月1日
- デリカカーゴ日本国内販売終了。一部輸出仕様は2005年まで継続生産。また乗用仕様のスペースギアも車種整理を行いながら2006年後半まで継続生産され、翌年登場したデリカD:5にバトンタッチした。
- 概要
- ボディ形状と駆動方式
- 2WD ハイルーフ
- ショート
- ロング
- パートタイム 4WD エアロルーフ
- ショート
- 2WD ハイルーフ
- 最大積載量と登録区分
- ショート:750kg / 4ナンバー
- ロング:1000kg / 1ナンバー
- エンジン
- 4D56型ターボディーゼル:全車
- 4G63型ガソリンエンジン:2WD ショートで選択可能
- 座席定員:2 / 5名 一部グレードは3 / 6名(前席のみ / 後席を含む)
- サスペンション:前 トーションバー + ダブルウィッシュボーン / 後 リーフリジッド
2代目(1999年-2010年)
歴史(乗用)
概要
同社のパジェロと並び、乗用四輪駆動車の先駆け的モデル。多くの日本製ワンボックスカー同様、スターワゴンも基本的には商用車と共通の設計ではあるが、快適装備の追加や見栄えの向上で差別化が図られている。
駆動方式はFR(スペースギアまで)と副変速機付きの四輪駆動(4WD)、エンジンは自然吸気ガソリンとディーゼルターボが用意されていた。 特に4WDはキャブオーバーならではのスペース効率に加え、悪路走破性の高さと「四駆」然とした外観が魅力となり、アウトドア愛好家の間で絶大な人気を誇るモデルであった。
初代(1969年-1976年) デリカコーチ
デリカ75コーチとなる。エンジンはギャランFTO1400ccモデルと共通の1.4L・OHVガソリンエンジン(4G41・ネプチューン86エンジン、最高出力86ps)に変更。
- 1974年11月
- マイナーチェンジ。1.4Lモデルは三角窓が廃止されると同時にフロント周辺のデザインを大幅に変更し(4灯式ヘッドランプおよび左右非対称フロントバンパー)デリカ1400コーチとなる。従来の三角窓付き・2灯式ヘッドランプモデルは全てランサーの1200ccモデルと共通の1.2L・OHVガソリンエンジン(4G42・ネプチューン70エンジン、最高出力70ps)に統一され、廉価版のデリカ1200コーチとなる。
2代目(1979年-1986年)・3代目(国内 1986年-1999年、輸出 1986年- ) デリカスターワゴン
三菱・デリカスターワゴンを参照。
- 2代目
- Mitsubishi L300 front 1984.jpg
2代目デリカ
- 3代目
- Mitsubishi-L300.jpg
輸出向けL300
スターワゴン2WD標準ボディーに相当 - Mitsubishi Delica Star Wagon 001.JPG
スターワゴン4WD
エクシード
ハイルーフ
'90.9-'94.4 - Mitsubishi Delica Star Wagon 303.JPG
スターワゴン4WD
アクティブワールド
エアロルーフ
'97.11-'99.11
4代目(1994年-2007年)デリカスペースギア
三菱・デリカスペースギアを参照。
- Kashiwa-DELICA.jpg
スペースギア(千葉県柏市消防局仕様)
5代目(2007年-)デリカD:5
三菱・デリカD:5を参照。
- Concept-d5.jpg
Concept-D:5
- Delicad-5.jpg
ROADESTエグゼクティブ
- Delicad5exective2ndseat.jpg
2列目シート
- Delica-d5-parisd.jpg
ダカールラリーのサポートカー(2007)
デリカD:2(2011年- )
三菱・デリカD:2を参照。
デリカD:3(2011年- )
三菱・デリカD:3を参照。
車名の由来
- デリカ(DELICA)
- 語源は、delivery(運ぶ・配達する)+car(車)の造語である。
- スターワゴン(STAR WAGON)
- 「みんなに愛されるワゴン車でありたい」という意味合いを込めて名づけられた。
- スペースギア(SPACE GEAR)
- 英語の「車内空間の活用性に富んだ車」という意味。類似するネーミングでは同社が発売する一部のSUV・ステーションワゴンなどなどに設定されているスポーツギアがある。
- D:5(ディーファイブ)
- 「デリカ(DELICA)」の「5代目」。また、デリカD:2の登場を機に5段階でもっとも大きいモデルという意味も込められ、これを機に三菱のミニバンシリーズは今後「デリカ○○」のネーミングで統一されることとなった。
- なお、2WD(FF)モデルの「C2」とは“Casual 2WD”の略でより身近で使い勝手の良い2WDという意味を込めており、エアロバージョンの「ROADEST」とは“道”を意味する「Road」と“最上級”を意味する「~est」の掛け合わせで、オンロードでの走りの良さを予感させるスタイリッシュなエアロ仕様を纏った上級モデルをイメージしている。
- デリカ伝統の特別仕様「シャモニー(CHAMONIX)」
- フランス・アルプスのリゾート地に由来。
ラインナップ
現行車種
- デリカD:5(2014年現在唯一の自社(パジェロ製造)製デリカ。乗用仕様)
- デリカD:3(日産・NV200バネットのOEM。乗用仕様)
- デリカD:2(スズキ・ソリオのOEM。乗用仕様)
- デリカバン(日産・NV200バネットのOEM。商用バン仕様)
日本国外専用
- L300デリカ
- L400デリカ
- Mahindra Voyager(マルヒンドラ・ボヤージュ)
- インドのマヒンドラ&マヒンドラで生産されている。三菱は、L300 の部品の供給及び図面などの技術情報の提供を行っている。96年3月より生産を開始しており、当時インドにはフルプレスボディーの9人乗りミニバスがなかった様である。
- ヒュンダイ・グレース/ポーター・・・三菱自動車と提携関係を結んでいた韓国の現代自動車による3代目のライセンス生産車。グレースはワゴン/バン、ポーターはトラック。後にマイナーチェンジでデリカとはイメージの異なる外観となった。
- FORD HUSKY(フォード・ハスキー)南アフリカのSAMCOR(南アフリカ共和国自動車工業)(現:フォード南アフリカ)が現地生産してオーストラリア等海外にも輸出していた。マツダと提携していた当時フォードでは、「スペクトロン/エコノバン」と言う同クラス車が製造販売されていた。何故、フォードと三菱が手を組んだのかと言う経緯は不明である。
国内販売終了
- デリカコーチ(初代デリカ)
- デリカスターワゴン(2・3代目デリカ)
- デリカスペースギア(4代目デリカ)
- デリカカーゴ(末期はボンゴブローニィバンのOEM)
- デリカトラック(末期はボンゴトラックのOEM)
その他
- JB470など、改造メーカによるキャンピングカーも存在する。
- スターワゴンとスペースギアは、只でさえ横転しやすいワンボックスカーの最低地上高をさらに上げたにも拘らず、5ナンバー枠に留まったりタイヤのトレッドの拡大などの対策を採られていなかったことから横転しやすい車体構造となってしまった。ABSが標準装備されるようになってからは安定性は大きく改善された。
- 一部の中古車販売店の中にはデリカシリーズのワゴン系だけを集めた専門店も存在する。
- カナダでは15年以上経った日本車を輸入することが可能になり、3代目と4代目はブリティッシュコロンビア州のバンクーバー等で、右ハンドル仕様のまま中古車として取引されている。
脚注
関連項目
外部リンク
- デリカ バン|乗用車|カーラインアップ|MITSUBISHI MOTORS JAPAN
- デリカ D:3|乗用車|カーラインアップ|MITSUBISHI MOTORS JAPAN
- デリカ D:5|乗用車|カーラインアップ|MITSUBISHI MOTORS JAPAN
- L300デリカ(三菱自動車工業)
- L300(Mitsubishi Motors New Zealand Limited)