トウシキミ
トウシキミ(唐樒、学名:Illicium verum)は、中国原産のシキミ科の常緑高木である。花は赤褐色で果実は香辛料になる。中国広西チワン族自治区南部とベトナム北部の国境に自生が見られ、中国南部や南部インド、インドシナ半島で広く栽培されている[1]。
特徴
果実を乾燥させたものはスターアニス、八角(はっかく)、八角茴香(はっかくういきょう)、あるいは大茴香(だいういきょう)とも呼ばれる香辛料である。実の形は八つの角を持つ星形をしていて、アニスやウイキョウに似た良い香りがあるためこれらの名がある。主に中華料理(特に四川料理)に使われ、豚の角煮などの煮込み料理やデザート(これもコンポートなどの煮物が多い)に使われる。他のスパイスと混ぜて「五香粉」としても使われる[1][2]。
成分
果実には精油5 - 10パーセントを含み、その主成分はアネトール(80 - 90パーセント〉であり、その他エストラゴール、メチルカビコール、シネオール、リモネン、フェランドレン、ピネンなどが知られている[1]。
また、成分のひとつであるシキミ酸はインフルエンザ治療薬タミフルの合成原料のひとつとして使用されている(2006年現在)[3]。但し八角の効能は「血の巡りや消化を良くする」とされており、直接果実を食べてもインフルエンザには効かない[4]。
利用方法
果実は、香辛料としての利用以外に以下のように利用される。
医薬品
- 日本薬局方では、トウシキミまたはセリ科のウイキョウ(茴香:Foeniculum vulgare)の果実から得られる精油を区別なくウイキョウ油としている[2]。
- 生薬名は大茴香であり、杜仲と木香とを配合した思仙散は腰痛に用いる漢方薬である[1][2]。
近縁のシキミ
近縁のシキミ(Illicium anisatum)は日本に自生し、仏事に使うため寺院にも植えられる[1]。花は淡黄色を帯びた白色で花弁は細長い。実はトウシキミによく似ているが、猛毒成分アニサチンを含むため摂取すると危険である。シキミはジャパニーズ・スターアニス(Japanese Star Anise)とも呼ばれ、これと区別するためにトウシキミがチャイニーズ・スターアニス(Chinese Star Anise)と表記されるケースもある[5][6]。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 テンプレート:Cite journal
- ↑ 2.0 2.1 2.2 テンプレート:Cite journal
- ↑ テンプレート:Cite press release
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite journal
- ↑ テンプレート:Cite press release
関連項目
外部リンク
- テンプレート:Cite web
- テンプレート:Cite web だいういきょう (大茴香)(跡見群芳譜)。