「ウィリアム・テル序曲」の版間の差分
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2014年6月14日 (土) 17:03時点における最新版
テンプレート:Portal クラシック音楽 テンプレート:Side box ウィリアム・テル序曲(テンプレート:Lang-en-short)は、1829年にジョアキーノ・ロッシーニが作曲した、オペラ『ウィリアム・テル』のための序曲。日本でも広く知られるクラシック楽曲の1つ。
概要
フリードリヒ・フォン・シラーが1804年に書いた戯曲『ヴィルヘルム・テル』(独:Wilhelm Tell)を元に、1829年にロッシーニがオペラ『ギヨーム・テル(ウィリアム・テル)』(仏:Guillaume Tell)を作曲した。その序曲が一般に『ウィリアム・テル序曲』(伊:Guglielmo Tell Introduzione)と呼ばれる序曲である。
構成
ロッシーニは『セビリアの理髪師』に見られるように、オペラの序曲についてはこれまでに作曲した他の作品から転用したりすることも決して少なくなかった。しかしこの曲は新しく作っただけではなく、ソナタ形式を使わずに四つの部分が続けて演奏されるという、独創的な構成を与えている。
- 第1部「夜明け」
- ホ短調。チェロ、コントラバス、ティンパニだけで演奏される序奏。チェロには五人の独奏が指定されている。
- 第2部「嵐」
- ホ短調。ここからトゥッティ(全合奏)となり、強風から暴風雨に至る様子が描写される。
- 第3部「静寂(牧歌)」
- ト長調。嵐の後の静けさのなかからコーラングレとフルートによる牧童の笛が聞こえてくる。
- 第4部「スイス軍隊の行進(終曲)」(スイス独立軍の行進、スイス軍の行進、スイス軍の行軍とも)
- ホ長調。トランペット、ホルン、ティンパニによるファンファーレに導かれてギャロップ調の行進曲が始まる。曲は繰り返しを経て次第に高揚し、盛大なクライマックスで締めくくられる。
関連事項
- この作品の『スイス軍隊の行進』は現在でも多くの作品で引用されるほど有名な曲である。
- ドミートリイ・ショスタコーヴィチの交響曲第15番第1楽章。
- 時計じかけのオレンジ スタンリー・キューブリック監督による映画化ではウェンディ・カーロス編曲・演奏のシンセサイザー版が使われている。主人公がレコードショップでナンパした2人の女子との乱交場面で使われた際、通常より遅い撮影スピード(コマ落とし)によって行為が猛スピードで進み、シンセサイザーの演奏も速目のテンポがさらに加速して行く。監督はこの演出を「スローモーションを使ってセックスシーンを荘厳に見せる手法に対する風刺」と語る。パブロ・フェッロ構成による劇場予告編でも使用された。同じ『ウィリアム・テル』序曲の夜明け部分もカラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏が使用されている。
- バラエティ番組『オレたちひょうきん族』のオープニング・テーマとして使用されていた。なお、後述のスネークマンショーのパロディでもある。
- きかんしゃトーマスの「うしろむきのトード」「ジェットエンジンのトーマス」「レニアスのジェットコースター」「にげたゾウ」の回で使用された。いずれも暴走シーンで使用されており、オリジナルの音楽を混ぜてアレンジされている。
- アニメ『タイムボカンシリーズ・ヤッターマン』でも、ヤッターキングによるゾロメカ(ビックリドッキリメカ)を出動する際のファンファーレにも使用されている(ヤッターキングの胸部分にある巨大樽から、犬型ミニオーケストラが飛び出して演奏する)。また、この曲が初使用された回はウィリアム・テルをモチーフにした話(第46話「アイアムテルは勇者だコロン」)だった。またヤッタードジラやヤッターパンダがゾロメカを発信する際には、短縮版のファンファーレが使用。更に後番組『ゼンダマン』第21話では、ゼンダライオンが敵の罠にかかってファンファーレメカ(ライオンの胴体に居る。ファンファーレは別曲)が全滅状態だったため、ゼンダマン1号&2号がこの曲を口三味線で歌って、ファンファーレ代わりとした。
- 『スネークマンショー海賊盤』の冒頭ではこの曲をBGMにしてオープニングがはじまる。
- 往年のテレビ西部劇『ローン・レンジャー』のオープニング・テーマとしても有名で、現在でもジョニー・デップ、アーミー・ハマー主演のリメイク版でも使用されている。
- ラジオ番組「キンキンのサンデー・ラジオ」のオープニング・テーマとしても使用。但し、イントロの後に愛川欽也と伊藤佳子アナによるタイトルコールがある。
- 情報番組『おもいッきりイイ!!テレビ』では同曲のアレンジ版(小西康陽編曲)がテーマ曲として使用されていた。
- 『おそ松くん』(1988年から1989年に放送された第2作)で、番組用にアレンジされたものがBGMとして使用されていた。
- 『おれは直角』で照正がそりを引いて出現するときのシーンで、番組用にアレンジされたものがBGMとして使用されていた。
- 『丸出だめ夫』で柔道大会で金持との決戦でだめ夫が着ていた柔道スーツの制御が出来なくなって観客全員が逃げ回るオチのシーンで、番組用にアレンジされたものがBGMとして使用されていた。
- 2011年2月4日放送の『ザ・芸能界ウラ芸大賞』(『金曜スーパープライム』)のテーマとして使用された。
- ゲーム『サンダーフォース』(第一作目、1983年)でBGMとして使用されている。極上パロディウスでは、多少省略はされているが、4面(高速ステージ)の曲に使用されている。Saints Row: The Thirdではラジオで流れる。
- 『セサミストリート』(テレビ東京版)で、クッキーモンスター(声優:菊地慧)が『クッキリアム序曲』(作詞:武田浩)として歌詞をつけてカバーしている。
- プロ野球では、2008年まで阪神甲子園球場で開催される阪神タイガースの主催ゲームで、相手(ビジター)チームの選手から本塁打が出るとこの曲が流れることになっていた(その前にはタイガースの選手が本塁打を放ったときに流されていた)。また旧広島市民球場では試合開始時にファンファーレとして使用されていたほか、ナゴヤドームの中日ドラゴンズ主催ゲームでも、相手チームの内野陣が集まるとこの曲が流れる(牧歌)。ちなみに、球場でかかる曲はアレンジバージョンである。東京ヤクルトスワローズの応援でも、ヒットが出るとトランペットでこの曲を演奏することがある。
- 関口宏の東京フレンドパークIIでは、アトラクションの一つ「パニックリンゴスキー」に使用されている。
- ミッキーマウスの短編映画シリーズの一つとして、1935年に公開された『ミッキーの大演奏会』に使用されている。全4部共使用されているが、調子がホ短調からト短調に移調してる。また、順番が異なる(第4部ファンファーレ→第1部→第4部→第3部→第2部→第4部フィナーレ)。