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'''RIビーム'''(あーるあいびーむ)とは、不安定な[[放射性同位体]]のビーム。不安定な放射性同位体は、[[加速器|粒子加速器]]で加速した重イオン粒子を標的原子核にぶつけて壊す[[核破砕反応]]によって作り、これを選別して使う。 == 概要 == 核破砕反応によって生成した放射性同位体の破砕片はいろいろな方向にばらばらの速度で飛んでいくが、 その中からある特定の種類で特定の方向・[[運動量]]・[[速度]]を持つ破砕片を選び取り出すことによって純度の高いRIビームを得る。 ちなみにビームとは方向と速さのそろった粒子の流れだと思えばよい。 <!--元の文 '''RIビーム'''(あーるあいびーむ)とは、[[加速器]]等によって作り出した不安定な[[放射性同位体]]のビーム。[[核破砕反応]]によって生成した放射性同位体を[[運動量]]や[[速度]]によって分類することによって純度の高いRIビームをうる。 --> 放射性同位体はその多くが非常に短寿命でありその性質を測定するのは困難である。しかし、ビームの状態で扱うことによって、[[特殊相対論]]的効果により[[実験室系]]からみた寿命が延びる。極端に短寿命な核の性質を調べるためにはRIビームの技術は不可欠である。 RIビームの利用にあたってはその純度を保証することが必要である。運動量の選別は[[磁場]]中での[[ローレンツ力]]による曲がり方が運動量によって決まることを利用する。核破砕反応の入射ビームは<!--間欠的な[[バンチ]]を形成しているので-->[[加速器]]の構造上間欠的なパルスとなって入射するので、破砕片の進路にタイミングよく開閉するスリットを設けることによって速度を選別することができる。このような工夫によってRIビームの純度を10%程度まで上げることが可能であるがビームの強度は入射粒子の数千分の一以下となる。したがって、このような目的で用いる入射ビームには何よりも大強度であることが要求される。 RIビームを用いた実験としては、固定された水素或いはヘリウムなどの軽元素の原子核に対してRIビームを入射、衝突させるインバースカイネマティクスの実験や、ストレージリングに蓄えて電子ビームと干渉させる実験などが考えられる。 これらの実験によって得られる知見は、単に特定の放射性同位体の性質を知るということにとどまらない。[[宇宙の元素合成]]過程では不安定原子核を経由する反応が重要であったと考えられるので、現在の宇宙のありようを説明するためにはこのような実験を行うことが不可欠なのである。 {{DEFAULTSORT:ああるあいひいむ}} [[Category:加速器]] [[Category:原子核物理学]]
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