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'''GSフォーマット'''(ジーエスフォーマット)は、[[ローランド]]社の[[MIDI]]の独自規格である。 == 概要 == GSフォーマットは[[MIDI]]の統一規格である[[General MIDI|GM]]を[[ローランド]]株式会社が独自に拡張したものと一般的に言われるが、実際にはGMよりも先にリリースされている。日本のMIDI規格協議会(JMSC、現在の[[社団法人]][[音楽電子事業協会]](AMEI))と [[MIDI Manufacturers Association]](MMA)によってGSの他社と共有できる部分を抜粋して制定した規格がGMである。なお、「GS」の由来は公式には発表されていない。 == GS対応音源の変遷 == === SCシリーズ === 最初のGS対応音源は、1991年にローランド社が発売した[[音源モジュール|MIDI音源]]'''[[ローランド・SCシリーズ|SC-55]]'''である。[[PCM音源]]による317種類の音色、16チャンネル(同時使用可能な音色数のこと。またこのうち最大2つをドラム音色に設定可能)、最大同時発音数24音というスペックと、69,800円という低廉価格は、当時としては画期的なものであった。またそれ以前にローランドから発売されていた[[デスクトップミュージック|DTM]]用音源のCM-64、MT-32と互換性があったことも手伝い、爆発的な人気を博した。SC-55で再生できることは、GS規格に準拠することと同義となり、この後GSは、ローランド社独自の規格であるにもかかわらず、汎用のGMを押しのけ、DTM用音源の規格としてスタンダードなものとなった。ライバル企業である[[ヤマハ]]ですら、自社の製品に隠しモード(TG300-Bモード)で互換性を持たせたほどである。さらに後の[[ヤマハ・MUシリーズ|MU2000/1000 Extended Edition]]ではGSに正式対応した。 SC-55mkIIは、SC-55に[[RS-232|シリアル端子]]をつけ、最大同時発音数の増加(24→28)及び音色種類の増加(317→354)を行い、GMに正式対応させた音源である。GS、GMの事実上の標準音源として普及した。 SC-88は、パート数を32チャンネルに拡張し、最大同時発音数を64に増加させた音源である。SC-88から、音色数拡張のためにSC-88 Mapが導入された。SC-88VLはSC-88の廉価版である。 その後、パートごとに音色を変化できるインサーションエフェクトを備え、1000以上の音色を内蔵したSC-88Pro、最大同時発音数を128にしUSBにも対応したSC-8850と、時代の流れに沿って上位機種が発表されることになる。 === SDシリーズ === 2001年に、ローランドはSCシリーズの後継として[[エディロール・SDシリーズ|SD-90]]を発売した。[[ローランド・XVシリーズ]]と同系列の音源エンジンを搭載し、オーディオ機能を強化したモデルである。また、GM2、GSに加え、ローランドとヤマハの相互協力によって[[XGフォーマット|XGlite]]に正式対応している。 SCシリーズは従来機種との互換性を維持しながら発展を続けてきたが、SDシリーズでは大幅に仕様が変更され、GSについては最低限の互換性(SC-55mkIIと同等レベル)が残されるのみとなっている。SC-88以降のSCシリーズで拡張された音色や機能を使用したMIDIデータは、SDシリーズでは正しく再生できない。 === 現在 === 2009年現在、GSに対応している音楽制作向け製品の現行モデルは2003年に発売されたSD-20のみである。しかし、従来機種で制作されたGSデータ再生の需要は未だに根強く、現在においてもGSデータ再生に対応した[[電子ピアノ]]やキーボードなどがローランドおよびヤマハから継続的にリリースされている。 Windows標準の[[ソフトウェア・シンセサイザー]]「[[Microsoft GS Wavetable SW Synth]]」は、ほぼGS互換でSC-33相当だと言われている。また、SW Synthよりも音質の評価の高い[[アップル インコーポレイテッド|アップル]]の「[[QuickTime]]」の内蔵音源もGSフォーマットに対応しており、どちらの音源もローランドよりライセンス供与されている。 == 主なGS対応製品 == * [[音源モジュール]] ** SC-55 ** SC-55mkII ** SC-33 ** SC-155 ** SC-55ST ** SC-55ST-WH ** SC-55K ** CM-300 ** CM-500 ** SC-88 ** SC-88VL ** SC-88ST ** SC-88Pro ** SC-88STPro ** SC-8850 ** SC-8820 ** SC-D70 ** SD-90([[XGフォーマット|XG lite]]にも対応・GSモードはSC-55mkII相当) ** SD-80(同上) ** SD-20(同上) ** SD-50 ** M-GS64 ** [[ローランド・XVシリーズ|XVシリーズ]] ** INTEGRA-7 ** YAMAHA MU2000 Extended Edition(無印版も[[ファームウェア]]の書き換えで同等品にアップグレード可) ** YAMAHA MU1000 Extended Edition(同上、但し製品としての発売は無かった) * [[ソフトウェア・シンセサイザー]] ** [[ローランド・VSC|VSC]] ** [[Microsoft GS Wavetable SW Synth]] ** [[QuickTime]] * キーボード ** SK-50 ** JV-30 ** JV-35 ** JV-50 ** XP-10 ** SK-88Pro ** SK-500 ** Eシリーズ - 自動伴奏機能付インテリジェント・シンセサイザー(スピーカー内蔵) * [[PCカード]] ** SCP-55 * [[ミュージックシーケンサー|シーケンサー]] ** SD-35 ** PMA-5 ** MC-80EX ** MT-32を除くMTシリーズ(MT-90Uは[[XGフォーマット|XG lite]]にも対応) * [[携帯電話]] ** [[ツーカー]] TK11 ** [[ツーカー]] TK21 * その他 ** [[ローランド・JVシリーズ|VE-GS1]](JVシリーズキーボード用オプション) ** VE-GSPro(A-90/A-70/MC-80用オプション) ** ミュージック・タイマー FG-1000([[チャイム]]) ** ローランド・ピアノ・デジタル ** V-Piano(SMF/MIDI再生時のみ対応) ** V-Piano Grand(同上) ** YAMAHA [[XGフォーマット|MDP5]](MIDIデータプレーヤー・[[XGフォーマット|XG]]にも対応) ** YAMAHA [[クラビノーバ]]の一部機種 ** YAMAHA [[エレクトーン]] ELS-01/01C/01X・ELB-01 ** YAMAHA D-DECK DDK-7 == 参考文献 == * GSリファレンス・ブック (DTM HANDBOOKS) ISBN 4-8456-0155-9 == 関連項目 == * [[MIDI]] * [[デスクトップミュージック]] * [[デジタル・オーディオ・ワークステーション]] * [[ローランド・SCシリーズ]] * [[ローランド・VSC]] * [[General MIDI]] * [[XGフォーマット]] {{DEFAULTSORT:GSふおおまつと}} [[Category:MIDI]] [[Category:ローランド]]
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